その声に海江田、
「えっ…???…陣屋さんのって…???」
美知佳、
「うんうん。私、陣屋亜沙子の後輩。陣屋さん、私の2年先輩なの。」
海江田、いきなり、
「えっ!!!…ほんとですか~~???」
美知佳、笑顔で、
「うんうんうん。」
海江田、思わず、
「ヒュ~~。」
そして、
「選さん。館城さん。」
名前を呼ばれて葉子と輪湖。
海江田、そんなふたりに、
「こちら、陣屋部長の、2年後輩の方…。神戸にある扶桑の関西支社の方。松樹美知佳さん。」
その声に美知佳、
「あら。もぅ名前…。はは、凄~~い。」
椅子から立ち上がる葉子と輪湖。
虎一郎も、
「えっ…???えぇ…???陣屋部長の…???」
葉子と輪湖、女性に一礼をして、
「初めまして。陣屋亜沙子の下で財務企画の、選葉子と申します。」
「同じく、館城輪湖と言います。」
そして輪湖、ゆっくりと椅子から立ち上がり、後ろに振り向く秀美に、
「こちらは、新人2か月の、鮎川秀美さん。」
美知佳、ニッコリと、
「あら~~。ははは。初めまして~~。神戸の扶桑関西支社、コンプライアンス部の松樹美知佳と言います。なんとも偶然ね~~。」
そして美知佳、椅子から立ち上がり、3人に右手を差し出して…。
葉子が前に。そして握手。
輪湖も、そして秀美も。
虎一郎、照れながらも、
「初めまして、海江田課長の下で働いてます、佐賀美虎一郎と言います。よろしく。」
丁寧にお辞儀をして。
海江田、美知佳に、
「じゃ、じゃ~~、今、こちらに…???」
美知佳、
「えぇ~~。勤務は来週からなんだけど…。一応…、住む場所、確認しておきたくて…。廿楽社長、用意してくれたんだけど…。」
海江田、その話に頷いて、
「うんうん。なるほど…。日比谷部長とも、引継ぎしなくちゃいけないですから…。」
「うんうん。そうですよね~~。」
そして海江田、
「あっ。はは、こんな…。立ち話で…。…よろしかったら…、カウンターの方に…。」
葉子も輪湖も頭をコクリと。
けれども美知佳、目をパチクリと、
「よろ…しいの…???」
海江田、
「どうぞ、どうぞ。まだ席、ございますから。」
そんな海江田を見て美知佳、少しばかり遠慮がちになりながらも、
「それ…じゃあ~~。お言葉に、甘えちゃおうかしら…。」
匡子、出来上がった料理を獏の隣の席に、
「どうぞ、こちらへ。」
美知佳、
「ありがとうございます。…それじゃあ…、失礼します。」
そして椅子に落ち着いた瞬間に匡子に、
「あっ。ママさん。私…。」
匡子に自分の名刺を…。
匡子、その名刺を受け取って、
「百貨店扶桑、関西支社、コンプライアンス部、松樹美知佳さん。」
そして匡子、お辞儀をして、
「ご丁寧に、ありがとうございます。」
美知佳、匡子に、
「ただ…、こちらは、1年だけの滞在になるんですけど…。」
そして目の前に出された料理に、
「うん。おいしそ。」
匡子、
「どうぞ。」
そして、
「あっ。ごめんなさい。…私、ここ、カフェ匡子のオーナーの、平塚匡子と申します。今後とも、ご贔屓にどうぞ。」
美知佳、笑顔で、
「こちらこそ。」
そして海江田他、4人の顔を見ながら、
「それにしても…。なんだか、凄い偶然。まさか、みなさんが扶桑の方々なんて…。」
そして目の前の料理を見て、
「いただきます。あ、ママさん、サワー、頂けるかしら。」
その声に匡子、ニッコリとして、
「はい。畏まりました。」
海江田、美知佳に、
「…と、言う事は、日比谷部長と1年だけのバトンタッチ。…ですか。」
「えぇ。そうなります。」
「お住まいは…神戸に…。」
「あっ。はい。東京から向うに移って12年。家族も向うですから。まっ。ただ、月に2度くらいは向うに戻ると思うんですけど…。子供がまだ小学で…。」
いきなり輪湖、
「わぁ。何歳なんですか~???」
「小学4年と2年。女の子ばかり。」
輪湖、
「わお。可愛らしい~~。」
美知佳、
「扶桑…、変わったでしょうね~~。それに…、日比谷さんがシンガポールに…。そして私を呼ぶなんて。社長、面白い事、考えてる。システム企画…ねぇ~~。」
そんな美知佳に海江田、
「以前はどちらで…???」
「元々、私は財務で陣屋さんと学ちゃん。あ、いや…、蔵井氏さんの下で。それから…総務に。そして広報に…。その後、関西にね~~。」
海江田、
「へぇ~~。なにやら…、出来ない部署って、ないような…。」
「ん~~~。でも…。一番は財務の方が、やりやすかったかも…。」
「おや。…と、仰いますと…。」
美知佳、匡子からサワーのグラスを受け取り、
「ありがとうございます。」
そして海江田、他に、グラスをかざして、
「かんぱい。」
海江田他もグラスを…。
そして美知佳、一口。
「ん~~。おいし。」
そして、
「元々は…、私…、金融関係から始まってるの。つまりは、行員。」
海江田、
「行員。」
葉子たちも、頷いて、
「行員…。」
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,178. 美知佳、「うんうん。私、陣屋亜沙子の後輩。」
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