ドキドキ 秀美、
「じゃあ~~。課長のおとうさんって、今も…、ロンドン…。」

海江田、
「うん。たま~~に、日本にも帰って来るけど…。」
そして、
「かかかかか。それも、いきなりね。連絡も何も、あったもんじゃない。」
そして、そこまで言って海江田。
「ただ、この11年間は知らない。…僕もシカゴにいたから。」

輪湖、
「あ、あ~~。そっか。納得。」

虎一郎はビールを飲んで、
「ふんふんふん。おっと。サンキュ~~。」

佐武郎、虎一郎に料理を。

続けざまに秀美、
「課長のおかあさんは。」

思わず輪湖がそんな秀美に目をパチクリと…。
匡子は匡子で何やらにやにやと…。

海江田、特に表情は変わらず…。ただ、秀美の顔は見ずに前を見て、
「ふん。お袋は~~。雑誌の記者さん。こっちも長いね~~。僕の生まれる前からだから…。…って言うか~~。」

いきなり匡子、
「大学卒で、球磨川(くまがわ)出版に入社。今の、KUMAGAWAの前身のね。」

いきなり虎一郎、
「凄ぇ~~~。KUMAGAWAって、あのKUMAGAWA…???…映画界にも進出してる~~。」

「ベストセラーも数知れず。愛の宝石。数々の運命。博士と教授と魔術師。白杖の女。等々。…しかも…、芥川賞と直木賞作家も在籍している…出版社。」
いきなり葉子。

その話に海江田、葉子を見て、カウンターに軽く両手を。そして頭を下げて、
「お見逸れしました。…そこまでは、私も、存じ得ませんで…。」

そんな海江田に葉子、
「いえいえ。単に、私の雑学ですから…。」

そして秀美、
「えっ…???…と言うか、課長って…、実家は…???」

そこで初めて海江田、秀美の方を…。
「おっとサンキュ~~。サブちゃ~~ん。ん~~。旨そう~。」

匡子、ニッコリとして、
「そぅ~。旨そう~~。」

「僕の実家は~~。」
匡子を見て…。

匡子はそのまま静観。

「九州は~~宮崎~~。」

いきなり秀美、ニッコリと、
「あ~~。はは、あったかそう~~。」

輪湖、何やらコイチに体を寄せて、
「やたらと秀美ちゃん、テンション高い。」

虎一郎も、
「うんうん。何かあった…???」

「今日の朝から凄い。」
「へぇ~~~。」

バンバン海江田に質問をする秀美。

秀美、その度に、
「え~~。凄~~い。」

そんな秀美と海江田のやり取りを匡子、静観してはいたが…。
「スト――――ップ。」

その声に秀美、いきなり口を閉ざして。そして口を窄めて…。
「へっ…???…はっ…???…わっ。…あっ…。」
そして右左見て。

輪湖も虎一郎もニッコリと。葉子は口を真一文字に。
するといきなり秀美、困ったような顔をして…。

そして今度は、いきなり頭を下げて、
「ごめんなさ~~い。…私…、思わず自分勝手に。あれこれと…。」
そして海江田に向かって、
「すみません、海江田課長~~。私、何だか、夢中で…。」

そんな秀美を見て海江田、こちらも笑顔で…。そして左手をヒラヒラと、
「いやいやいや。うんうん。全然OKだよ。構わない、構わない。…って言うか、営業推進に、秀美ちゃんみたいに僕に、そんな風に話し掛けてくる女性って、いないんで…。かかかかか。」

その声にいきなり輪湖、
「うそ―――――っ!!!」

葉子は葉子で、目をパチクリとしてキョトンと。

海江田、ビールをまた一口。そして、
「うんうん。いないよ~~。」

虎一郎、
「女性連中、みんな…、畏まってますからね~~。恐れ多くも…。」

間髪入れずに海江田、虎一郎に、
「コイチく~~ん。」

途端に虎一郎、
「わお。すんません。」

葉子、瞬間、口を尖らせて、
「おっと。」

輪湖も、
「わお。」
そして輪湖、
「かか、課長がコイチを、コイチ君。」

瞬間、海江田、
「あっ。うん。でも、部署では、もぅ、言ってるよ、コイッちゃんって。」

いきなり葉子、目をパチクリと海江田を。輪湖も同様に…。

そして輪湖、
「へぇ~~~。」

匡子、
「うん。獏、お昼には、私にも、コイッちゃんって言ってるよ。」

輪湖、またまた、
「へぇ~~。」
そして虎一郎を見て、
「そうなんだ~~。」

そしていきなり意気消沈している秀美。

そんな秀美に輪湖、秀美の左肩に、
「はは。どうした~~、秀美ちゃ~~ん。いきなりテンション、下がっちゃった。かぁ~~。」

確かに、いきなり両肩の力が抜けた秀美。シュンとして…。そして、小さく、
「ごめんなさい。」

「な~~に、謝る必要…、あるかな~~。」
そして輪湖、葉子を見て、
「ねぇ~~。葉子~~。」

葉子、サワーを飲みながら、2度3度頷いて。
「うんうん。大丈夫。大丈夫~~。問題ない。問題ない。」

秀美、
「でも…、私…、隣に葉子先輩いるのに、それを無視したように海江田課長に…。」

そんな秀美に葉子、
「全然平気~~。だから私、昨日秀美ちゃんに言ったでしょ。私にお構いなくって。」

その話に海江田、
「ふん…???」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,172.   秀美、「じゃあ~~。課長のおとうさんって、今も…、ロンドン…。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋