陣屋、電車の中で…、
「ふ~~ん、ヨウちゃんがね~~。海江田と~~。」
そこまで言って、顔を傾げて、また、
「ふ~~ん。…そういう事も…、あるんだ~~???…それにしても、いやいやびっくり。…そこまでは知らなかったね~~。紫の結婚相談の相手、鶴来社長の大翔君とまでは知ってたけど…。相手の女性が、久留巳専務とは…。なんとまぁ。」
そしてこちら、蔵井氏も電車の中で、クスクスと笑いながら、
「まさかね~~。選葉子。そして、海江田獏。有り得ないとも思うが…。はて…。どうなる事やら…。」
そして、こちら、蔵井氏も、
「鶴来社長の息子さんと、専務の久留巳さんとは…。かかかか。なんとも…。」
笑いながら、
「けど…。確かに、めでたい。」
そして頷いて、
「うんうんうん。」
どちらも高村家を出て紫がふたりに話掛けたのが、以前に紫自身、
ホテル内で感じた葉子と海江田との雰囲気であった。
そして、鶴来大翔の結婚相手が久留巳杏樹である事だった。
自宅に戻って、お風呂から上がり、パジャマ姿でベッドの上、
クッションを抱き締めながらも、
「言っちゃった~~~。課長の事、好きだって~~。」
秀美。そこまで言って…。けれども…、僅かに顔を曇らせながら、
「…あん。でも、課長は~~~。…葉子先輩は、あぁ言ってるけど…。肝心の…。」
そして、口を尖らせながら、
「ふん。肝心なのは、課長だよ~~。」
秀美、両目を右左に…、
「課長は…。逆に…、葉子先輩、どう思ってんだろ…???…葉子先輩からあんなふうに言われて~~。」
そして秀美、ベッドに背中から…。
「あん。もぅ~~。分かんないよ~~。」
輪湖、こちらも既にベッドの中。
「しっかし…。まさかね~~。予想はしてたけど…。マジであの場面で言う…???…秀美ちゃん、凄いや。」
そして、
「でも…。課長…、葉子からもあんな風に言われて…、どうなんだろ…???…ちょっと…。」
そこまで言って、枕の上で頭を振りながら、
「ううん。ちょっとどころか、かな~~り。気になる~~。」
そして、今度は目を閉じて、
「あ~~ん、これからどうなるんだろ。」
翌日、財務企画部。
輪湖が葉子に、昨夜の自分が感じている事を話すと葉子、キョトンとした顔で、
「へっ…???…これからどうなるって…、課長と…???」
輪湖、葉子に、
「うんうんうん。」
葉子、キョトンとした顔でも僅かに頭を傾げて、
「いや…。全然…。何も変わんないけど…。全然…。うん。」
そんな葉子に輪湖、目を真ん丸に、
「わお。」
「ただ…。」
葉子。
輪湖、その声に、
「ただ…???」
「ふん。対策室がなくなったから…、ふん。今後は、匡子さんの店でしか…、会う事はないと、思うけど…。まっ。それくらいかな~~。」
そんな声に輪湖、口を尖らせて、
「なんとも…、ドライだねぇ~~。ひぇ~~~。」
そこに秀美の出社。
「おはようございます。昨日は、どうもです。」
輪湖、ニッコリと、
「おはよう~~。うんうんうん。秀美ちゃん、凄~~い。思いっきりダイレクトに言ったね~~。」
そんな輪湖に秀美もニッコリと。そして、
「へへ。」
舌をチロリと…。
そこに、
「ねね、ちょっと、ちょっと~~。」
尚子である。
輪湖、尚子に、
「どうしたの~~。また何か、新しい情報~~???」
葉子も尚子を見て、
「…???」
尚子、
「掲示板、掲示板。見た…???」
その声にふたり共に、首を振って…、
「ううん。」
尚子、
「日比谷部長、出向だって。」
瞬間、葉子、そして輪湖、
「へっ…???」
廊下に出て掲示板に…。
数人の社員が見ている。
輪湖と葉子、そして尚子と秀美も掲示板の辞令を…。
輪湖、
「システム企画部、部長、日比谷汐里…。シンガポール支社…かぁ~~。…来週…。」
葉子、
「な~~るほどね~~。確か…、部長、いろいろと準備あるからって…。この事だったんだ~~。」
輪湖、葉子に、
「へっ…???そうなの…???」
「うん。」
そして、
「シンガポール支社。新しく、シンガポールにも、進出しちゃったからね~~。扶桑。」
そこに虎一郎と都沢。
都沢、
「課長~~。ほらほら。」
虎一郎も、輪湖と葉子に、
「よっ。おはよ。」
輪湖も葉子も、
「おはよ。」
そして都沢と海江田に、
「おはようございます。」
輪湖は、少し顔を赤らめて…。
秀美も顔を赤く、
「おはようございます。」
都沢、ニコニコと、
「おはよう。」
海江田も笑顔で、
「おはよ。」
そしてすぐに掲示板を…。そして、
「そっか~~。来週だったんだ~~。」
そんな海江田に輪湖、
「課長は…、知ってたんですか…???」
海江田、輪湖を見て、
「あっ。あ~~、うん。鳩崎部長からは、内々に、聞いてはいたけど…。…でも…。…と、言う事は~~。」
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,163. 「ふ~~ん、ヨウちゃんがね~~。海江田と~~。」
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庄司紗千「海をこえて」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。