「じゃあぁあ~~。言っちゃおうかな~~。たま~~に、営業でこっち来て、お昼にウチに来る客なんだけどね~~。」
チラチラと獏を見て、ニコリとしながら匡子。
輪湖と秀美もニコニコしながら、
「うんうんうん。」
「これがまた、いい男なんだよね~~。」
「営業でこっち来る人…。…って言うと~~。」
葉子、匡子に、
「地方の人…???」
匡子、
「ううん。埼玉。」
獏、思わず口をグンニャリとさせて、頭の中で、
「…また、適当に~~。何が埼玉…。」
「でね。」
匡子。
「お連れさんも営業の後輩で…。その後輩君から、先輩~~ぃ、彼女にアタックしたんすか~~。なんて聞く訳よ。」
輪湖、ニコリとして、
「はいはい。」
秀美も、
「うんうん。」
「すると、その先輩さん。後輩君に、な~~に言ってんだか~~。俺なんかに興味ある訳ないだろう~~。な~~んて言う訳よ~~。」
輪湖、
「うんうんうん。」
「でも、その後輩君。…けど、彼女、先輩の事…、何やら気に掛けてくれてるらしいですよ~~。な~~んてね。…で、その先輩、曰く。何言ってんだよ。バツイチだって~~の。」
そして匡子、何かしら閃いたような顔で、
「…でぇ~~。その人たち、自動車のメーカーさん。」
そこで虎一郎、
「おっと。」
「…で、その先輩さんが、以前オーストラリアから埼玉の本社に戻って来たんですって。40歳って言ってたかな…。」
獏、捻くれたような顔をして、頭の中で、
「…盛るなぁ~~。」
「向うに…10年以上は…、いたって言ってたかな~~。」
輪湖、
「おっと~~。もしかして…、その営業の人…、バイリンガル…???」
その声に匡子、腕組みして、顔を傾げて、
「…うん。なんじゃないかな~~。…で、これからが凄い。まさか…、オーストラリアで、そんな…、いい女性と、巡り会えるなんて思ってなかったんですって。…ところが。」
輪湖、
「わお。」
「オーストラリアで、化粧品会社で働いていたアジア系の女性がその男性に一目惚れ。何かのイベントで知り合ったらしいんだけど~~。」
輪湖、ニコニコしながら、
「うんうんうん。」
秀美も、
「わはっ。」
獏、今度は左手で顎を撫でて、頭の中で、
「…やれやれ…。」
「…で、その彼。その時35歳。今後、日本に帰って…、これ以上の女性と…。って、考えて~~。しかも。しかもよ。その女性、もし彼と結婚したら、日本に行ってもいいって。」
秀美、
「すご~~~。」
「…で、そのふたり。お互いに外国人だから、なんだかんだ手続き踏まえた上で、オーストラリアで結婚しちゃったんだって~~。」
輪湖、
「わ~~お。や~~り~~。」
虎一郎は、
「へぇ~~~。」
佐武郎、思わず困ったような顔で…。
獏は、黙ったまんまで…。そして、頭の中で、
「…何がどうなって、オーストラリアが出てきて、アジア系の女性が出てくる~~???」
匡子、そこまで話して、わずかに口を捩じって、
「…けどね~~。ここからが…運命の悪戯。」
輪湖、いきなり、
「へっ…???何々…???どうしちゃった。」
匡子、
「結婚したは…、いいんだけど…ねぇ~~。」
そしてチラリと獏を見て…。そして輪湖と秀美、葉子を見て、
「その彼女…。」
悲しい顔をして、
「事故で亡くなっちゃったの…。」
輪湖、いきなり、
「うそ―――――――っ!!!」
匡子、
「悲しいよね~~。」
秀美も悲しそうな顔で、
「えぇ~~え~~。」
虎一郎、
「なんてこったい。」
ただ、ただ、黙って話を聞いている葉子。
「…と、言う訳で、数年後にはその彼、日本に、埼玉の本社に帰国~~。」
輪湖、
「え~~ぇえ~~???…バツイチ…って、言うかぁ~~。死別~~~???」
匡子も、腕組みをして、
「ねぇ~~~。」
秀美、
「悲しすぎる~~。」
「な~~んだけど~~。ここからが本題。」
獏、右手人差し指でカウンターをトントンとしながら、頭の中で、
「…長いわ。」
「本社に戻ってきたその彼。当然、本社に戻ったら、いろいろな部署に、帰国しました~~、のご報告。」
「…に、なるよな。多分。」
虎一郎、
「うんうん。」
「…でね。」
匡子、
「そこの、自分の上司から連れられて、本社内を案内された。…で、ある部署に。…で、最初の話に戻る。その部署である女性と巡り会い。それが、後輩君の言う、彼女。」
輪湖と虎一郎、
「ほぅ~~。」
秀美、ニコニコとしながら、
「うんうんうん。」
「数か月…。何やら、その後輩君が、その彼女が先輩の事を気にしてると言う事を嗅ぎつけた。…けれども、先輩は、全く気にせず。…後輩君、ようやく先輩君の以前の話を聞いて…。へぇ~~。そういう事があったんすか~~。…で、どんな人なんすか~~。その先輩の元、奥様って…。そしてその先輩君が自分のスマホからオーストラリアでの彼女の写真を見せる。その瞬間、後輩君。」
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,156. 「じゃあぁあ~~。言っちゃおうかな~~。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。