ドキドキ 翌朝、起きて顔を洗おうかなと葉子、階下に。
すると、リビングから聞き覚えのある声が…。

「ねぇ~~。でしょう~~。もぅ~~。いい加減に30にもなったんだからさ~~。由佳理さん、本当になんとかだよ~~。一気に、過ぎちゃうんだから~~。」

由佳理の声も、
「え、え~~。」

葉子、静かにリビングの方に…。

そして…、
「おかあさん…。」

その声に、いきなりリビングの中のふたつの顔が葉子の方を。

そして、ひとつの顔が、いきなり、
「葉子っ!!!」
声高に。そしてすぐさま右手を掲げて招き猫。
「いらっしゃい、いらっしゃい。早く、早く、早く。」

その声に葉子、両眉を吊り上げて、
「へっ…???…えぇぇぇぇぇ…???」

由佳理は由佳理で、こちらは両眉の先端を吊り上げて、口を真一文字に…。

葉子、母を見て、その奥の顔を見て、
「おかあさん…???おばちゃん…???」

母の顔と、もうひとりは…。稜平の姉の、選宣子(のぶこ)である。

静かに…パジャマ姿のままで葉子、叔母の宣子の方に…。
「へっ…???おばちゃん…???…どうした…???」

宣子、傍に来た葉子の右手を自分の右手で、葉子のお尻を左手で、
「はい。お座んなさい。」
するといきなりテーブルに置いておいた写真台紙を手に、
「はい、これっ!!!」

葉子の目にいきなり飛び込んで来た写真台紙。
そしてその写真を見て葉子、いきなり、
「わっ!!!」

目の前の由佳理、さっきの顔に今度は頬を綻ばせながら、
「………。」

葉子、
「わっ。わわわわわわわわ。」

宣子、
「葉子、あんたね。この歳まで。これからは、ちゃんと、足を地に着けて~~。ちゃんと、伴侶になる人を~~。」
宣子、真剣な目にも、なんとも困ったような顔で…。
「このまま…、ずるずると行っちゃうと~~。ほんと~~に40になっちゃうだから~~。こういう人がいるって事自体が~~。ありがたい事なんだから~~。」

いきなり葉子、口を窄めて、
「あ~~。あ~~~。あ~。おばちゃん。」
体を自然に後ろに。そして両手を胸の位置まで挙げてヒラヒラと。
「ありがと、ありがと。うんうんうん。おばちゃんの親切。痛く感じ入りました。はいはいはい。どうもありがとうございます。」
チョコンと宣子の前で丁寧にお辞儀をして。

宣子、また写真台紙を葉子に、
「だからね~~。葉子~~。おばちゃんの気持ちも汲んで欲しいよ~~。」

そんな宣子にまた葉子、頭をコクリと。その度に髪が前にパラリと。そして、頭を上げて、
「うんうんうん。分かった。分かった。ありがとう~~。その気持ちだけで、私、うん。十分に、嬉しいです。はい。ありがと、宣子おばちゃん。」

その時チラリとテーブルの上の写真台紙を見る葉子。ソファから腰を浮かせて、
「おばちゃん、うんうんうんうん。ありがと。私、今日、ちょっと、仕事の事で早く出社しないと、いけないから…。」
壁の時計を見て、
「ごめんね。そろそろ出掛けないと…。」

そこに由佳理、
「今の…あれ…???…M&A…???」

葉子、そんな母にコクリと、
「うん。」

宣子、由佳理に、
「何…???…その…、M&Aって…???…それより葉子~~。ねぇ~~。」

葉子、
「う~~ん。はいはい。ありがとおばちゃん。」
そして、
「じゃ、私、これから…。」
腰を低く、右手をヒラヒラと宣子に。

そして宣子の方に体を向けたままで後ずさりして、
廊下に出て、振り向き、摺り足で洗面所に。

目を真ん丸にして葉子、口をポッカリと開けて、小声で、
「やっば~~~~。」

そして洗面所に入れば、今度は爽太。

開口一番、
「あんた、いたの…???」

その声に爽太、
「いやいやいや。いるでしょ、そりゃ~~。起きてきたんだも~~ん。何…???…姉ちゃんこそ。」
そして爽太、
「…ってか、誰かいんの…???リビング…???ふたりの声…。それに…、姉ちゃんの声。」

そんな爽太に葉子、
「うるさいよ。はい。どいて、どいて。」

歯磨き中の爽太の体を右手で押しのけて、顔を洗う葉子。
そしてタオルで…。

爽太、歯磨きしながら、
「…で、その後、M&A…どんな感じ…???」

葉子、タオルで顔を拭きながら、
「ん~~~~。」

爽太、
「それより、何なの…???…リビングで…???」

「ふん。宣子おばちゃん。」

その声に爽太、
「はっ…???」

葉子、口を尖らせて爽太を見て…。

爽太、目をキョロキョロと…。
「…と、言う事は…。また…、例の…、あれ…???」

葉子、そんな爽太に、右眉を歪ませて、
「何よ、例のあれって…???」

爽太、ニンマリと笑って、天井を見て、口を開けて、
「あは。」
そしてすぐさま洗面台に。そして水を出して…。うがいして、うがいしながら、
「姉ちゃんのお見合いの写真。」

間髪入れずに葉子の右膝が爽太の右脇腹に一撃。

爽太、
「痛って。」

葉子、
「うるさいよ。」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,136.   リビングから聞き覚えのある声が…。

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庄司紗千「海をこえて」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋