「取締役は…、この6人…かぁ~~。」
通。
紫、その声に、
「そぅ。」
「おんや~~。」
通、にんまりと…。
「来ましたね~~。」
そしてタブレットを紫に。
通、
「その顔、しっかりと覚えてんべぇよ~~。くくくくく。」
陣屋、
「おっと~~。…でも、何その…、覚えてんべぇよ~~。って、何処の方言…???」
「知る訳、ないわいな~~。いきなり口から出て来た。…もしかして、北海道~~???」
「あっ。今、北海道民、敵に回したからね~~。」
いきなり紫、
「光浦総務部長…。」
獏も葉子からその話を聞いて、顎を右親指と人差し指で撫でながら、
「光浦総務部長~~。光浦花純…。…いきなり名前が挙がってきたけど…。」
丁度その頃、自宅で眼鏡を掛けて資料を読んでいた日比谷。スマホに着電。
「おっと~~。はい、日比谷~~。」
スマホの向こう、
「あ~~。俺だ~~。おまえさんのパソコンに送っといた~~。」
男性の声。
「はい了解~~っ。…と~~。来ました~~。ん~~~???…おっと~~。これは…。お初ですね~~。」
「あぁ~~。まだ、捜査の途中だが…、調べてみると、もしかしたら…、面白いかもな。未然犯罪としても…。」
電話の相手は日比谷の昔の同僚、警視庁捜査第二課刑事、滝沼修吾(たきぬましゅうご)。
階級は警部。日比谷の現場での師匠格。30年のベテラン刑事である。
日比谷、
「すみません修さん。無理言って。」
「かかかか。確かに。上に知られたらヤバイけどな。可愛いヒビヤンのためだって…。あいつら、影でコソコソ動いてる。」
その声に日比谷、
「もぅ~~。やめてくださいよ~~。その呼び方~~。」
「バカ野郎~~。それだけお前をみんなが可愛がってた証拠だろ~~。それに…。…今でも、お前にはみんな、申し訳ないって思ってんだ。俺たちには、どうしようもなかったからな~~。」
その昔…。新宿で、ある金融機関の汚職の話がタレコミで日比谷のスマホに。
声は変声されてはいた…が…。
よくよく捜査していくうちに、その汚職の元締めが警視庁、警視正であると言う。
但し、確証が得られないまま、証拠さえも隠蔽されて闇の中に。
けれども、その元締めと言うのが警視庁の警視正でもあり、実際は、大物政治家も絡んでいた。
金融機関の汚職は、実際、行われた。
けれども、その汚職以外にも裏では相当な金額が流れていた。
当然、実際に動いていた人物は逮捕されたが、
その汚職を指示した元締めには捜査の手は及ばず…。
けれども、最初から最後まで捜査していた日比谷のチーム、「滝沼班」で、
何故か日比谷だけが、懲戒免職処分となった。
猛烈に腹に立った滝沼だったが、上からの命令で、
拒めば捜査チームの全員が懲戒免職と言い渡され…、止む無く。
日比谷だけが警視庁を去ったのだった。
一気に昔の事が頭の中で甦るように…。けれども、
「いいぇ~~。私の方こそ、お世話になりました~~。今回の事も、ありがとうございます。」
スマホを耳に、頭を下げながらの日比谷。
滝沼、
「じゃあ…な。まだまだ、探ってはみる。」
その声に日比谷、
「ありがとうございます。…はい。おやすみなさい。」
通話は切れる。
さっきからジョルジュ・スーラの絵をスマホの画面で見ながらの葉子と獏。
そしてこちらは、タブレットの顔写真を見ながらの紫と陣屋、そして蔵井氏。
そして…、パソコンに送られてきたファイルを見ての日比谷。
誰もが、ポツリと、
「光浦総務部長。」
「光浦花純…。」
時計の針は、午後10時03分。
獏がまたスマホで…。紫もスマホで。陣屋も同じく。そして日比谷も…。
けれども紫は…、
「ん~~。話し中~~。」
陣屋も、
「あ~~ん。こっちも~~。」
獏、電話に出た相手に、
「もしもし、海江田です。何度も何度も、申し訳ありません。」
「いえ…。」
相手は久留巳である。
スマホに出た美海。
スマホの向こうから、
「ごめんなさいね~~。夜分遅くに~~。」
日比谷の声である。
「あ、いえ…。」
「実はさ~~。おん~~もしろい事が出て来ちゃった~~。」
美海、キョトンとしながら…。
「面白い…事…???」
久留巳、海江田の話を聞きながら…。
そして、美海も日比谷の話を聞きながら…。
「えっ…???…光浦総務部長…。…って、うそ…。」
獏、スマホを耳に、
「えぇ~~。…とは言え、これは、あくまでも、こちらの…、憶測で…、証拠も何も、ないんですけど…。それらしき…、予感が…、する…だけで…。」
美海は日比谷の話を聞きながら、
「えぇ~~え…???…まさか…。」
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,120. 「もしかしたら…、面白いかもな。未然犯罪としても…。」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋