ドキドキ 葉子たちが帰った後、そのままカウンターでタブレットを見続けている獏。
匡子も、客の帰った後のテーブルを片付けながら…。

そして、また店のドアは開き客が入って来る。匡子、
「いらっしゃい…。あら、こんばんは~~。」

客はいつもランダムで店に来る大学生である。

「ども~~。匡子ママ、パソコン、使っていい…???」

その声に匡子、ニッコリと、
「どうぞ~~。準(じゅん)ちゃん、コーヒー…???」

「すんません、お願いします。」
「OK~~。サブちゃん、準ちゃん、コーヒー。」

その声に佐武郎、コクリと。

匡子、カウンターに戻って、トレイにグラスを…。

獏、そんな大学生風の男性を見て匡子に。
「へぇ~~。大学生…???」

匡子、獏に、
「うん。」

「アルコールじゃなくって、コーヒー…なんだ~~。」

匡子、そんな獏に、
「ふん…???いやいやいや。彼、単に、アルコール、ダメなの。一口飲んでいきなりバタン。」

その声にいきなり獏、
「うそっ!!!」

「ほんと。」
「え~~~~???…マジで…???…いやいやいや。見るからに、体育会系…。ラグビーか柔道。若しくは…レスリング…。」

そんな獏を見ながら匡子、
「ふふん。」
ニコニコと。

確かに。その大学生風の男性がいる席…、何かしら…、椅子もテーブルも小さいように…。

こちらは、バーニクラスでの鳩崎。
今まで一緒に飲んでいた知り合いと別れ、またしみじみと…。

その時、
「ここ、よろしいかしら…???」

その声に鳩崎、ふと顔を左斜め上に…。
「おっと。これは、これは…。」

「たま~~にはね、こういうところでも、いいかな~~、な~~んて、思ったりして…。」

鳩崎の左隣の椅子に収まったのが、日比谷汐里(ひびやしおり)。
百貨店扶桑、システム企画部長である。

鳩崎、
「かかか。まさか…。ここで日比谷システム企画部長に会うとは…。」

バーテンダーの兼重、
「いらっしゃいませ。…いつもの…???」

その声に鳩崎、
「へっ…???…いつものって…???…マスター…???」

兼重、そんな鳩崎にニッコリと…。

日比谷、ニッコリと、
「えぇ。お願い。」

兼重、
「畏まりました。」
そして、
「お客様…、こちらへは、以前にも、2度ほど…。」
笑顔で兼重、
「残念ながら、その時は、何故か、鳩崎様は、いらっしゃらずに…。」

鳩崎、目を丸く、
「おやおやおや。」

「…で~~。どうなんですか~~。横浜トランキルマンヘブンズホテル。…みんな、躍起になっているようだけど…。」
一拍置いて、
「まっ。陣屋と長谷部からは逐一、情報は入ってはいるけど…。中々どうして…、財務企画や営業推進とは違って、ウチには、窓口がありませんから…。」

そんな日比谷に鳩崎、
「いやいやいや。ご謙遜を…。陣屋部長と長谷部部長からの情報があるだけで…。」
「まっ。確かにね~~。陣屋に任せておけば…。それに…、マスコミ関係は長谷部がガッチリと…。」

そんな日比谷に鳩崎、
「おやおや。」

「鳩崎部長も、ご存じでしょ。」

いきなり鳩崎、
「えへ…???…と、仰いますと…???」

「今更…、ですけど…。」
「は…ぁ…。」

「天春と長谷部…。」

鳩崎、チラリと日比谷を見て、
「え…ぇ~~。些少の事は…。」

兼重が、日比谷の前に…、
「お待たせ致しました。」
ワインを…。

日比谷、
「ありがとう。」
そして日比谷、鳩崎にグラスをかざして、
「乾杯。」

鳩崎も日比谷のグラスに…、
「乾杯。」

午前1時。歯磨きをしている鳩崎に、
「おとうさ~~ん。トイレ、使ったでしょ。んもぅ~~。」
娘の愉理子(ゆりこ)である。現在大学2年生。

その声に鳩崎、
「はぁ~~あ~~???…なんでおとうさん…???…おかあさんかも知れないだろう~~。」

パジャマ姿で風呂場の隣の洗面所に、怒った顔で腕組みをして愉理子。
「おとうさんです。」

歯磨きをしながら鳩崎、娘に、
「あんれ~???」

「この家には、おかあさんと私、そして男性のおとうさんしかいないのぉ~~。」

鳩崎、
「おええ…???」

「便座…、上げっぱなしなんですけど…。」

瞬間、鳩崎、目をキョロキョロとさせて…。娘に、頭を僅かに、コクリ、
「わ…、うあっら…。おえん。」

愉理子、ぷぃとしながら、
「もぅ~~~。」

鳩崎、洗面所でうがいを…。

すると、2階の方から、
「うるさいよ。もぅ~。真夜中なんだから~~。」

鳩崎、今度は目を止めて…。一言。
「ごめんなさい。」

そして、寝室に…。眠っている妻を起さないようにゆっくりとベッドの中に…。
そして、静かに、
「いつも…、すみませんですね~~。」

そして、程よくベッドの中で落ち着いた…矢先に…。
寝返りを打つ妻の右腕が鳩崎の顔を直撃。鳩崎、思わず、
「いぢ。」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,096.   「…みんな、躍起になっているようだけど…。」

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※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋