義母が亡くなったのは病院である。
救急車で運ばれたのは1月3日で、コロナに感染していた義母はストレッチャーに乗せられ救急車に乗せられた。
救急隊員から「犬も感染の確率があるので、1週間隔離してください」と言われた。

しかしエサをやらねばならず、夫が毎日裏口から入り犬を庭に出して排泄させ、エサをやって帰宅するというのを10日続けた。
状況が理解出来ない老犬を24時間義母が帰るまで家で一人待たせるのも可哀想だからと、11日目から犬をうちに連れてきた。
結果的に義母は14日に亡くなったのであるが。

ロックダウン以来、義母の家には誰も入っていない。
救急隊員も勝手口から入り、キッチンで呼吸困難の義母をストレッチャーに乗せすぐに病院に向かった。
しかし義母亡き後、私は義母の家からとあるものが消えているのに気付いた。
それは古いステンドグラスのランプである。

それは正面ドアから入ったリビングの正面にいつもあり、どの家に越しても義母が必ずリビングに置いた。
私が義母が亡くなった後にこの家に来て掃除をした時はあった。
葬儀で長男家族が義母の家に泊まるというので、私はベッドを作りに来た時もあった。

しかし、その後義母の家を売りに出すのに再び掃除整頓に来た時には、それが無かった。
私は夫にランプがなくなっていると言ったが、夫はランプの存在すら覚えておらず、そのランプのあった場を見せても「そこにスタンドランプがあった事すら知らん」と言った。
とうとう見つからずである。

今回それを私は義兄に話した。
「凄くステキなステンドグラスのランプやねん」と言うと義兄は「ああ、あのマッシュルームみたいな丸いやつやろ?赤とか黄色のステンドグラスの?」と言った。
ああ!それ!それやがなー!

「あれ、あいつが買ったやつや」と義兄は言った。
あいつとは、義兄の最初の奥さんで、義父母がめちゃくちゃ可愛がっていたお嫁さんである。
義兄も離婚するつもりはなかった。
ただ当時の任務がアフガニスタンでの任務で、精神的ダメージが大きく夫婦に溝が出来てしまった事で、奥さんが精神的ダメージの回復を待てなかった事でそうならざるを得なかった。
二人は後に修復を図ったが難しかった過去がある。

義兄ははっきり覚えていた。
私も知らなかったが、だから義母は必ず自分の過ごすリビングの見える位置に置いていたのだと義兄の話を聞いて納得した。
それが無くなっていたのである。

うちの夫は長男に聞いてくれた。
お前、持って帰ったか?と。
しかし知らんと言う。
では別居中であるが葬儀には来た嫁ちゃうんか?と義兄は言ったが、聞いても知らんと言う。
誰かが家具を動かし、後ろのコンセントを抜いて持ち帰ったのは間違いなく、ほな誰やねん?となった。
義兄は私に「あれはお母さんが大切にしてた嫁からのプレゼントやから、お母さんが大切にしてた嫁の君に持っててもらわな浮かばれん」と言い、義兄は長男の家に先週から出掛けた。
知らんと言うたが、もしかしたら…と行ったが、無かった。
ならば別れた嫁が…

しかし、別れた嫁は義母の持っていた家具の中で、前から欲しいと思っていたものがあり、それを形見分けで別居の身でありながら「もらえないか?」と言ってきた。
私達夫婦は「どうぞ」と渡した。
であるから、嫁が黙ってランプを持って帰るはずがない。
家具を聞きランプを黙って…というのもおかしい。

結局ランプは消えたまま。
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Source: イギリス毒舌日記