ドキドキ  葉子、いきなり匡子に顔を上げて、
「匡子さん、お店にタブレットってあります…???」

葉子の声に匡子、
「あっ。えぇ…。あるけど…。」

佐武郎が棚から…。

匡子、
「あっ、うん。ありがと。」
そして葉子に、
「はい、どうぞ~~。」

葉子、
「ありがとう。」
そしてタブレットを起動して、あるキーワードを。
そして、表示されたページをスワイプして、ある記事に指をトン。
「はい、これ。」

表示されたページには…。
「栃木県日光市に5000万の投資。介護施設、有料老人ホーム新設。短期利用の設備も整っており、新設以来2週間で満床となる…。」
獏。
「写真は、施設長の永村倫宣(ながむらみちのぶ)氏と、投資家でもある弁護士の宮越耀司氏。…って…。」
獏、葉子を見て、
「うそ…???…宮越弁護士って、弁護士でありながらも、投資家…???」

そして葉子、隣の秀美のスマホをチラリと見て、また新たに検索。そして、
「…っと、あった。はいこれ。秀美ちゃんが探した~~。」

獏、
「どれどれ…。」
そして…、また画像を見て、
「二子玉に居酒屋新店舗誕生。店のオーナーは元プロ野球選手、大日アニマルズの川窪捕手。引退から解説者を経て居酒屋のオーナーとなる。新店舗に投資した宮越耀司氏との握手の写真。」
そこまで言って、
「えぇ~~~え…???…なんと、なんと…。宮越弁護士、投資家~~???」

輪湖も、
「わお。なんと。とんでもない事実~~。」

秀美、
「なんか…、投資でも、かなりのビッグマネーが…、動いていそうな…。」

「ただ…。弁護士でもあるんだから…。…と、言うよりは、そっちが本業。…でも、必ずバッグには税理士…。」
葉子。

獏、
「ふ~~~ん。」

「じゃなきゃ、今頃、多分、所得税法違反で…。」
秀美。

「その辺は…。さすがに…弁護士。しっかりと防御は…。」
タブレットを見ながら葉子。

「それにしても…。」
獏。
「…まさか…、ここまで…。」

葉子、画面を見ながら、
「…でも、これが…、ホテルのM&Aに繋がる…、というのには、まだ、信憑性が…。私たちの、勝手な解釈、そして、単なる憶測にしかならないから…。」

「うん。まっ。けど…。」
獏、ニッコリとして感服したような表情で、
「凄いね~~、選さ~~ん。ホテルの社員の個人情報…???履歴書と言い、今回の、この…。」
タブレットの画像を見て、
「投資と言い。凄いインスピレーション。着眼点…???…いや…、洞察力…???」
そこまで言って獏、葉子の隣で、丁寧に頭を下げて、
「感服しました。」

そんな海江田を見て葉子、咄嗟に、
「えっ…???…あっ。へっ…???やだ。課長~~。」

輪湖、そんな海江田を見て、
「かかかかか。課長~~。そこまでするぅ~~???」

秀美は秀美で、僅かにほんのりと顔を赤らめて…。

葉子、そんな海江田に、
「か…課長~~。ちょっと…、止めて下さいよ~~。」

匡子は思わず獏を見て、
「ぷっ。」

獏、途端に、顔を上げて、
「えっ…???…あ…。はは。いやいや。」
自然に左手で頭の後ろを撫でながら…。
「あっ。いや…。ごめん。なんだか…、嬉しくってさ。」

瞬間、葉子、
「えっ…???」
そして獏、葉子に、
「ありがとうね~~。」

すると葉子、また、
「えっ…???」
思わず、身体の中、こころの中に感じる素直な相手の気持ち。

不思議と、自然に、海江田の言葉がそのまま体の中に入ってきての心地良さ。
…と、言うのも、葉子自身、生まれてこの方、異性から、自分の事で、「嬉しい。」とか、
「ありがとう。」の感情に触れた事がなかったのだった。
ただ、父の稜平の言葉は、生まれてからずっと聞いてはいたが…。

その他、幼少時代から小中高、大学…。そして現在に至ってまで…。一度も…。
ただ、今の職場の蔵井氏だけは、別ではあったが…。
常に今まで、過去の葉子に対しては明らかに無視か羨望の目で、気持ちで見られてきていた。

匡子、葉子を見て、
「ヨウちゃん…???…どうかした…???」

一瞬、葉子、自分を呼ばれたと言う感覚がなかった。
わずかに目をキョロキョロと…。

そして、
「えっ…???…あっ…。いや…。はは。なんでも…。」

そんな葉子を見て、獏、ニッコリと…。

「ふぁ~~~。そろそろ、帰ろぅ~~。眠くなって来ちゃったよ。」
輪湖。

秀美も腕時計を見て、
「わっ。ほんと。もう11時。やばい、やばい。」

葉子も、
「うんうん。だ~~ね。」
そして、
「課長、じゃあ、私たちは…。」

そんな葉子に獏、右手を肩まで、
「おぅ。お疲れ様。」
そして、もう一度、
「ありがとうね。」

その声に葉子、珍しく、僅かに笑顔で、
「はい。」

そして匡子、その葉子の…、僅かな笑顔を見逃さなかった。
そして、匡子も、

「…ん…???」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,095.   「匡子さん、お店にタブレットってあります…???」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋