そして匡子の店を出た4人。またそれぞれの帰路に。
葉子、帰って両親と爽太に先にお風呂と告げ浴室に。
由佳理と稜平はいつも通りにリビングと書斎。
そして爽太は自室で、ヘッドフォンを頭に、そして外国語の勉強。
数10分は経ったか…。
「ヨシ、風呂、入るかっ!!!」
そして浴室の前に…。けれどもまだ明かりが…。
爽太、
「…ってぇ~~事は、かあさん…???」
腕時計を…。
「11時45分…。」
振り向いてキッチンに。
瞬間、爽太、
「へっ…???…かあさん…、いるじゃん。」
由佳理、パソコンから振り向いて、
「ふ~~ん…???どしたの…???」
爽太、その声に、頭を掻いて、
「いや~~。風呂場に行ったら、まだ電気が…。かあさんじゃ…、なかった…んだ…???」
瞬間、由佳理、
「えっ!!!」
そして自分の腕時計、そして壁の時計も見て、
「今、何時…???」
爽太、
「11時…4…。」
由佳理、慌てて、
「あの子何…???お風呂で何やってんの…???…かれこれ2時間…。」
頭の上でヘアバンドを結び、薄い柄物のポンチョ姿で慌てて椅子から立ち上がり浴室に。
「葉子—――――っ!!!葉子、葉子。」
浴室のドアを開け…、声がない。
「葉子、葉子、葉子。」
タオルを頭に巻き付け、そして体は湯船に。
そして壁にピッタリと頭の後ろを付けて目を閉じている葉子。
由佳理、真っ青になって、
「葉子っ!!!葉子っ!!!葉子っ!!!」
肩を摩って。
すると…。ゆっくりと僅かに目を開けて…。そして、目をパチクリと。そして、
「お~~~~。」
目を真ん丸に。そして、
「や~~~ばっ。寝てた~~。」
いきなり母の声、
「もぅ~~~。勘弁してよ~~。びっくりするじゃない~~。」
その声に葉子、
「かあさん…???」
そして爽太も、
「そうだよ~~。勘弁してくれよ~~。」
その声に葉子、
「へっ…???爽太…???」
見るとドアは開いている。
「爽太っ!!!」
「バッカじゃね。…んなの…、姉ちゃんの裸見て、どうすんだよ。」
瞬間、葉子、右手甲で、お湯をドアの方にバシャ。瞬間、
由佳理、
「うっ。」
葉子、
「へっ…???」
由佳理の顔目掛けて、お湯が…。頭から顔、そしてポンチョの上部分が、お湯で…。
葉子、目を真ん丸に、
「かあ…さん…???」
由佳理、目を閉じたまま、
「かあさん…。じゃないでしょ、この子は、もぅ~~。」
「な~~にやってんの~~。夜遅く~~。大声で~~。え~~???どうかした~~???」
稜平。
由佳理の声に、「何事…???」と、思い、出て来たのだった。
由佳理、濡れたままで…。
「葉子~~~。」
葉子、そんな母に向かって、両手を合わせて、
「ごめん。本当~~に、ごめん。」
そして、頭を数回コクリと。そして、小さな声で、母の右手を握って…、顔を引き攣らせて、
「かかか、濡れちゃったね…。かか。」
由佳理、そんな葉子に、
「ふざけている場合じゃな~~い。心配して、来たってのに。何~~???」
葉子、右眉を凹ませながら、そしてまた頭をコクリコクリと、
「うんうんうん。ごめん。ごめん。はははは。」
稜平、爽太に、
「何…、どうしたのよ…???おぃ。」
爽太、
「知~~らね。ふん。姉ちゃん、風呂入りながら、何10分も寝てた…んだって…。」
その声に稜平、顰めた顔で、
「え~~~ぇえ~~。」
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,079. そして匡子の店を出た4人。
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