ドキドキ 「確かに。…それに、お客様は、必ずしも宿泊客だけとは…限らないですからね~~。様々なイベントや会議。それにパーティから何から何まで…。」
今度は添川。

海江田、
「何やら…、宿泊については再来年迄、既に埋まっているという…。」

その声に杏樹、顔を僅かに傾げてニッコリと、
「光栄です。」

けれども尚登は一度、顔を濁すようにして、
「ただ~~。」

海江田、そんな阿刀田を見て、
「ただ…。」

尚登、
「えぇ…。」

そんな尚登を見つめる紫に都沢、そして葉子。

「たま~~に、今晩、空いている部屋ってありませんか…???…と言う、お客様も…、いるんです。…そういう時ですね~~。なんとも…、まぁ~~。心苦しいと言うか…。」

海江田、2度ほど頷いて、
「なるほど…。飛び込みと言う奴ですか~~。」

「えぇ…。道路脇のホテルの看板にも、満室。それと…、インターネットのホームページにも現在の状況を…、載せては…、あるんですけど…。まっ、お客様の方は…、そこを何とか…。…と言う気持ちで…。」

都沢、
「へぇ~~。」

尚登、
「期待に…応えられない…、と言う…。そのお客様の…、ガッカリとした顔が…。折角、横浜に来て観光して…。多分…、確かに…、その時の状況で…、何とかならないか…、程度の考えで…。」

紫、
「でも…。阿刀田常務…。」

尚登、そんな紫に、一度、大きく頷いて、
「えぇ。分かります。とにかく、ホテルにいらっしゃるお客様が、最優先。」

その声に紫、
「えぇ…。そうなります…けど…。」

「もし…仮に…。扶桑さん、百貨店でも、いきな人気に拍車が掛かった商品。…で、しかも…、限定品。それを目的にいらっしゃったお客様。…だけど…。品切れで買う事空しく…。しかも、それだって、遠方から…。もしかしたら前の日にこちらに来て、早めに並んだ…かもしれない。けれども、予想以上に長蛇の列。買う事の出来なかったお客様の残念そうな顔…。」

そんな話を聞いての海江田、都沢、紫、
「……。」

「僕は…、そういう方々にも、何か、してあげたい…、そう思っているんですけど…。」
そこまで言って笑顔で、
「まぁ…、叶わない、事なんでしょうね~~。」

「阿刀田常務。」
いきなり葉子。

その声に尚登、
「えっ…???…はい。」

「お客様の喜ぶ顔が、好きなんですね。」

その声に全員、笑顔で…。

尚登、ニッコリと、
「そうですね~~。はは。それ以外の…、何物でもありませんね~~。僕は~~。」

それぞれがそれぞれの顔を見合わせて。

そして杏樹、
「それでは。また…、戻りますか。」

海江田、
「そう…ですね~~。また、お願いします。」

光浦、
「いえいえ。こちらこそ。お願いします。」

それぞれが立ち上がる。

尚登、一同に、
「すみませんが…、私はこれで…。是非、楽しんで行ってください。」
と、そこまで言って、目を右左に、
「…と~~。言う、状況では…、ありませんね。はは。これは、失礼。申し訳ない。」

海江田、
「お会いできて、嬉しかったです。ありがとうございました。」

他、3人も一礼して…。

そしてまた杏樹、6人を率いて自分の部屋に。
その時ふと光浦と添川の顔を見るが…、けれども…。
ドアを開けて、海江田や紫を見て、
「どうぞ。」

海江田、
「失礼します。」

けれども…。残念ながらその日、それほどの収穫はなく…。
海江田始め、4人はホテルを出る。

4人を見送った後に、杏樹、
「ごめんなさい。時間取らせて。」
光浦と添川に。けれども、
「扶桑の方が、これだけ時間を割いてくれて、あなた方には仕事を…とは…。」

その声に2人、
「大丈夫です。心得ておりますから…。」
「えぇ…。」

営業推進部に戻って海江田と都沢。

海江田、都沢に、
「お疲れ。」

「お疲れさまでした。」
そこまで言って都沢、
「あの…、課長…???」

「ん~~~???」
「鈴村さんと一緒だったんで、言えなかったんですけど…。」

その声に海江田、
「ふん。」

「選さんって…。いつも…、あんな感じ…なんですかね…???」
「…と、言うと…???」

すると都沢、海江田に近づき耳打ちするように…。低い声で、
「なんだか…、笑いもしないし…、とは言え、ツンデレでもない。何でか、ポーカーフェースって感じで…。…でも、完璧に、日本人離れした顔で…。」

その声に海江田、思わず目をパチクリ。そして、すぐさま、
「ぷっ。」
そして、
「ま…、まぁ~~。うん。…多分…、あんな感じ…なんだ…ろうね~~。うん。」

都沢、いきなりキョトンとして、顔を傾げて、
「そ、そう…、なんですか~~。へぇ~~。」

そんな都沢の肩をポンと海江田、
「お疲れ。」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,077.   「ホテルにいらっしゃるお客様が、最優先。」

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庄司紗千「おふろ月夜」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋