ドキドキ 「…でも…、まっ。考えてみれば…、彼女…、何て言うか…。」
獏、頭を撫でながら…。
「俺…、全然、そんな気…、なかったんだけど、紹介されて、その時だよね。」

匡子、
「うん…???」

「普通だったら…、まぁ…、向うの女性って、すぐに、ハ~イ、よろしく~。…って感じで近づいて…くるんだけど…。」
「うん。」

「…彼女は…、違った。」
「うん…???」

獏、今度は口を尖らせて、
「…何て言うの…???…なんか…、慎ましやか…って感じ…???…日本で言う。」

匡子、その声に、
「あら…。」

獏、思わず手振りも加えて、
「何て言うの…???…なんか…、こぅ…。アメリカ人…、ぽく、感じなかったんだよね。…まっ、確かに、髪はブロンド。瞳も…、同じくブロンド。鼻筋がこぅ…、キリリと、整ってて。」

匡子、頷きながら、
「うんうんうん。」

「なんでか…、アメリカ人と話しながらも、アメリカ人じゃない…。なんか、日本人と話しているみたいな…???…けど、本人は列記としたアメリカ人。シカゴから出た事がない。」

匡子、唇を搾って、2度頷いて、
「へぇ~~。」

ビールを一口飲んで獏、
「…で、その彼も…。」

「うんうん。会社の…。」

獏、1度頷いて、
「俺の…自慢の妹だ。…って。」
そこまで言っていきなり笑う獏。
「かかかかか。」
そして顔を傾げて、
「…しっかし…。」

匡子、そんな獏に、自分も顔を傾げて、
「ん~~~???」

「あぁいう事もあるんだな~~。」
「ふん…???」

獏、一度、咳払いをして、
「その彼…。」

「うん。」
「…って言うか、妹のナンシーもそうなんだけど…。ふたりだけの兄妹。」

「うん。」
「…なんだけど…。全~~然。…似てない。」

匡子、思わず、
「あら。」

獏、顔を大きく傾げて、
「あれって…、おばあちゃんが…日本人…だから…???」
そう言うと今度は自分で左手を振り、
「いやいやいや。それはない。…それなら彼の方…。いや。」
今度は腕組みをして、
「そうか…、彼は、おじいちゃんの…。うんうん。」
一人で納得。
「…なら、有り得るか…。」

匡子、
「ねね。その、彼の写真って…???」

すぐさま獏、
「あ~~。うん。」
スマホを取り出して、画像を…。そして匡子に…。

匡子、
「ふ~~ん。家族…4人。…そして、妹の…、ナンシーさん。」
そして、
「ほんと。その…彼と、全然似てないよね~~。むしろ、その彼の奥様の方が完璧にアメリカ人~~。」

「だろ。」

匡子、写真を見ながら、
「…で、彼女、ナンシーさん、仕事は何やってた人…???」

「あ~~うん。会社の社長~~。」

その声に匡子、いきなり、
「え゛~~~ぇえ…!!!」
そして隣の佐武郎もキョトンと。

獏、笑顔で、
「かかかか。やっぱり、驚くか。まっ、当然だよな。会社の社長って言えば。」

その声に匡子、
「そ、そりゃそうでしょ。いきなり~~。」

「アパレルの会社。…とは言っても、事務所はマンションの一室。社員もたったの10人。」
「え゛~~~ぇえ…!!!」

「けれども、年収、日本円で20億。」

匡子、いきなり目を真ん丸に、
「凄っ!!!」

「物凄い才能。服は売れに売れまくってる。…とは言え、そんなに…、メジャーなブランド…では、ないけどね。デザインが物凄い斬新。」
「へぇ~~。」

「俺なんて、それ聞いてびっくり。彼女から、そんな仕事が出来る人間って、全然感じられなかったから…。日本人ぽくって、慎ましやかで…。それでいて、余り目立つことは好まない。それなのに、愛される洋服づくりが出来る。…そんな風には見えないんだ…けど…。実際。」

匡子、
「凄~~いね~~。」

「…で、彼女、会社の社長って言ったけど…。実は、社長がふたりいる。」

今度は匡子、目をパチクリと、
「しゃ…、社長がふたり…???」

獏、コクリと顔を。
「うん。つまりは、共同経営者ってヤツ。」

「あ~~。な~る。」
「元々ナンシーはITの仕事をしてたんだ。…って言うか、彼女のお兄さんの話だと、子供の頃から滅茶苦茶頭がいい。」

匡子、口をおちょぼ口に、
「うんうんうん。」

「…で、大学卒業して、エンジニアの仕事。」
「へぇ~~。」

「…で…、25歳の時に~、友達の友達から誘われてブティックに。その時に、何にすればいいか迷ってた友達に、ナンシー、あれよあれよとコーディネート。」
「あら。」

「しかも…。」
そこでまた獏が笑う。
「何と、店員も、そのコーディネートに驚いたと…。」

「へぇ~~。」
「…で、面白い事に、その店のオーナー、あなたには才能がある。是非、店で働いてくれって…。」

途端に匡子、
「うそ――――――っ!!!」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,055.   「アメリカ人と話しながらも、アメリカ人じゃない…。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋