駅に入り、4人歩きながら…。
虎一郎が前から、
「じゃな~~。」
右手を上げて…。
葉子と輪湖、
「あ~~ん、うん。お疲れ~~。」
そして秀美も、
「あっ。私もここで…。」
輪湖、
「えっ…???…あっ、うん。お疲れ様~~。」
葉子、右手を上げて、
「うん、じゃね。」
秀美はふたりと別れて…。
輪湖、
「…と言う事は、彼女、中央線。」
葉子、
「…の、ようね~~。さて、お茶の水か東京か。それとも、甲府、松本…かぁ~~。中野、立川、高尾…???」
そして輪湖を見て、
「なんちゃって…。」
その声に輪湖、
「かかかか。さっすが~~葉子~~。やるぅ~~。」
「…って言うか、埼京線のコイチは、池袋だっけ…???」
「うん。駅の近くのアパート。格安の物件って…。」
葉子、
「そういう意味ではさすが、コイチだよ~~。結構、何でもかんでも、センスあるからね~~。あれを除いて~~。」
輪湖、
「浮気性~~。」
「ビンゴ~~。折角、良いマスクしてんだからさ~~。もう少し。」
瞬間、輪湖、
「うそ。葉子、あんた虎一郎、良いマスクって…。え゛っ…???」
その声に葉子、目をパチクリと、
「はっ…???…何勘違いしてんのよ~~。ある訳ないでしょ。あんな浮気性~~。冗談じゃない、こっちからお断り。」
けれども、
「ん~~。まっ、友達…???…に、なる訳だよね~~。8年も3人で付き合っているくらい、なんだもん。」
輪湖も、口をへの字にして、
「ん~~。まっ、確かにね~~。…って言うかさぁ~~。私たちって…、結婚する気…あんの…???」
その話に、葉子…、瞳だけ上に、
「ん~~~~~。それだけは…。…ちと、難問じゃのう~~。」
腕組みしながら、いきなり顔を前にコクリと。
いきなり、
「ぷっ。かっかかかかか。」
輪湖。
「まっ、何れにしても…。…相手が…いないもんね~~。」
そこまで言って輪湖、
「…って言うか、葉子。あたしら、もぅ、30だからね~~。」
瞬間、葉子、目を真ん丸にして、口に手を、
「わっ!!!…どうしましょ…。」
輪湖、顔を顰めながら、葉子の左肩を右手でペン。
「もぅ~~。どうしましょじゃないでしょ。」
葉子、
「おかあさまに叱られる~~。およよよよよ~~。」
口に手を当てながら。
輪湖、
「はいはい。いいから、いいから。ドア、開いたよ。乗るから。」
葉子、顔を後ろ向きに左手で、
「バイバ~~イ。」
「…って、誰にバイバイ…???」
その頃、カフェ匡子。
「そっか~~。財務企画に新人かぁ~~。…しかも、20代。」
獏。
匡子も、
「うんうん。中々どうして~~。可愛らしい人よね~~。」
その声に獏、匡子を見て、
「えっ…???」
匡子、咄嗟に、
「えっ…???…って何よ…???可愛らしい人よね~~って言ったの。」
「いや。だから、何で俺を見て、そういう事、言う…???」
「いや…。…別にそういう意味じゃ…ないけどさ~~。ねぇ…、サブちゃん。」
そして匡子、隣の佐武郎を見る。
すると佐武郎、僅かに顔を赤らめて…。
匡子、
「へっ…???サブちゃん、ちょっと顔…。どうしたの…???…赤…。」
その瞬間、匡子、いきなり、口に両手を、そして、
「え~~~ぇえ…???…もしかして…、サブちゃん。」
獏、いきなり佐武郎を見て、
「…ん…???」
途端に佐武郎、目をパチクリとさせながら、口を開けて顔を小刻みに右左に…。
すると、慌てて、あちこちを見て…、洗い物も何もない。ユニホームを触ったり、腰に手を。
そして頭に右手を…。けれども、何か迷っているみたいに…。
そして、いきなりカウンターを出て…。
匡子、
「あっ。トイレ、行った。」
そんな佐武郎を見て。
そして匡子を見て獏、
「えっ…???」
匡子、何かしら嬉しそうな顔で…。獏を見て、そして口に手を当てながら、
「えっ…???えぇ…???マジ…???」
獏は、
「はっ…???」
匡子、目をパチクリさせて、
「いやいやいやいや。あの…、雰囲気…。」
トイレの方を見て、また匡子を見ての獏、
「えっ…???…今の佐武郎君…、あれ…、もしかして…???…もしか…すると…???」
匡子も顔を2回前に、
「うんうんうん。ひょっとして、サブちゃん、あの…、財務企画の…若い子。鮎川さんって言ったっけ…。」
「おっと~~~。」
そして匡子、今度は背筋を伸ばして、両脇に両手を、
「へぇ~~え~~。あぁいう子、サブちゃん、タイプなんだ~~。」
「ねね。」
獏。
「佐武郎君って、今、何歳…???」
匡子いきなり顔を傾げて、
「確か…、今…。うん。25。」
「これまたおっと~~。いいじゃん、いいじゃん。」
「かかかか。うんうん、ねぇ~~。」
笑いながら匡子。
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,053. 「うそ。葉子、あんた虎一郎、良いマスクって…。え゛っ…???」
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※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。