娘のハイスクールの食堂に勤務するおばちゃんは、ちょっと前まで娘が7月までいた小学校の給食室で配給担当だった人である。
であるから、娘やクラスメイト達がハイスクールに上がった際に「久しぶり~!!そうか、もうハイスクールか~!!」と懐かしんで声をかけてくれ、今も毎日給食室で会うと、話してくれる。
ハイスクールに上がったばかりの頃の子供達にとって、顔見知りの大人スタッフがいる、声をかけてくれるというのは緊張が和んだと娘は言った。
私は見たこともない給食室の人であるが、娘に「何で小学校の給食室辞めてハイスクールに行ったん?」と聞いた。
娘は「Fワード言うてクビなってん」と言った。
Fワード‥それは英語圏で言うたらアカンとされている言葉である。
どういう事かと娘に聞いたら、「ある日の給食の時間、誰もが知る問題児の男子生徒9歳が、おばちゃんの頭に給食のチキンカレーを皿ごとひっくり返して面白がった際、おばちゃんはとっさにFワードを吐いてしまったからクビになってん」と話してくれた。
児童の前でFワードを言うのは言語道断、同僚らは同情したが教員らは許さずクビとなった。
娘曰く、この男子生徒は日頃から他の児童の弁当を投げたり、捨てたり殴ったりと、問題があった。
給食のおばちゃん達は注意をしているが、口頭での注意は日常的な事であり、男子生徒には効果などない。
その日も先に並んでいた児童の順番を抜かしたから給食のおばちゃんに注意された。
その後の出来事であったが、学校に勤務する大人であるから何があっても児童にFワードは言ってはいけない。
私も聞きながら、そら思わず本音が出てまうわな、熱いチキンカレー頭に被せられたら‥と、ちょっと同情してしまった。
それを聞いていた夫は笑いながら「まあ、アカンわな、言うたら‥」と言った。