そして匡子、
「まっ。名前の獏自体が、可愛いよね~~。動物にもいるし…。」
途端に虎一郎、そして、続けざまに輪湖が、
「ぷっ。」
そして葉子は、また目を丸く、口をおちょぼ口に。
瞬間、獏、匡子を見て、
「叔母貴~~。」
そして左隣の3人を見て、
「あのね。」
すると虎一郎始め、輪湖も葉子も、申し訳ないような顔をして、
「すみませ~~ん。」
獏、その顔を見た途端に、思わず力をなくして、
「へぃへぃ。どうせ、バクですよ~~。」
匡子、
「でもさ。動物のバクって、可愛いよ~~。」
間髪入れずに獏、
「どこがっ!!!」
今度は輪湖、
「ぷっ。」
そして虎一郎と葉子が輪湖を。
輪湖、
「あっ。ごめん。」
思わず両手を前に合掌。
そんな3人を見て佐武郎、ニッコリと。
そして…。
朝の財務企画部に…。
蔵井氏、
「では。みなさんに紹介します。」
自分の隣の女性を見て、
「鮎川秀美(あゆかわひでみ)さん。今日から、ここ、財務企画部で、みなさんと一緒に働いて頂きます。どうぞ、よろしく。」
そして秀美を見て蔵井氏、
「じゃあ、自己紹介、いいかな…???」
秀美、
「あっ。はい。」
目の前の社員たちに一礼をして、
「鮎川秀美と言います。社会人として働くのは初めてなので一から教えて頂く事になりますが、よろしくお願いします。」
そしてまた一礼。
社員たちもそれぞれ、
「よろしくお願いします。」
蔵井氏、ニッコリと、
「うんうん。では。」
社員を見回して、
「元より連絡している通り、鮎川さんには、選さん。そして館城さん。よろしくお願いします。」
蔵井氏、ふたりに手を差し伸べて…。
葉子、輪湖、それぞれが、
「はい。」
そして蔵井氏、
「席は、選さんの隣の席、使ってください。」
元々、葉子の隣にいた尚子は、ひとつ、席をズレていた。
蔵井氏、秀美を葉子と輪湖の下に案内するように。
そして、
「では…。」
葉子と輪湖の傍で秀美、チョコンとお辞儀をして、
「よろしくお願いします。」
葉子と輪湖もそれぞれお辞儀を、
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
ミーティングが終了して、葉子と輪湖、それぞれが秀美の指導に入る。
まずは葉子から…。
指導開始から2時間経過。
葉子、
「うんうん。大丈夫。そのまま続けてください。」
輪湖はそんな葉子を見ながら、頭の中で、
「うんうんうん。良い感じじゃん。」
そしてお昼休みになり、今度は3人、社員食堂に。
輪湖、
「ここが、社員食堂。」
その声に秀美、
「うんうんうん。結構広いんですね~~。」
「まぁね~~。…で、ここがチケットの自販機。」
「ふ~~ん。うんうん。結構、メニューもあるんですね~~。」
「…とは言え…、鮎川さんは…、お昼は…。」
そして輪湖、秀美の持っているバッグを見て秀美にニッコリと顔を傾げて…。
そんな輪湖に秀美、そのバッグを持ち上げて、
「あっ。はい。母が弁当、作ってくれて。」
輪湖、瞬間、
「あ。あぁ~~。うんうんうん。…だよね~~。」
葉子、
「鮎川さんは…、自宅からの出勤に…なるんだよね。」
今度は秀美、葉子に、
「え~~。はい。」
ニッコリと…。
葉子、秀美に、
「じゃあ~。こっち。」
「あっ、はい。」
輪湖はいつも通りにチケットを…。
席に就くなり葉子、
「何故か、ここの席は、いつも空いている。不思議だけど…。」
その声に秀美、
「へぇ~~。そうなんですか~~。」
「そして…。いつもはここで、私と輪湖。今、厨房の前のカウンターで料理を持っている人、館城輪湖。」
「えぇ。」
「とぉ~~。財務企画の…、鮎川さんの左隣の人、尚子さん。戸倉尚子さん。財務企画部一の情報通。情報網。」
「へぇ~~。」
「そして…。もうひとり…。…もしかしたら…、来るかな~~。営業推進部の、男子がひとり。」
そこに、
「はい。お待たせ~~。今日は、ナポリタン。」
それを見て秀美、
「わお。美味しそう~~。」
その声に輪湖、ニッコリと、
「そお…???ふふふ。」
そして、
「ここのメニュー、結構~~いける。うん。」
葉子も、
「うん。美味しいよね~~。」
そして輪湖、
「あれ~~。尚子さん…。」
入り口の方を見て、そして葉子を見て、
「遅いね。」
その声に葉子、
「ふん。お昼の時間になってすぐに尚子さん、スマホで誰かと話してたから。…で、話し終わったと思ったら、私、ちょっと行って来るって…バッグを持って…。何処に行ったのかは…。」
輪湖、
「不明…って、訳か…。」
葉子も入り口の方に顔だけ捩じって。そして顔を傾げる。
「…と、言う事は~~。いつもなら…。」
輪湖。
葉子、
「うん。ここにもうひとり。」
秀美も、
「もぅ…ひとり…。」
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,044. 「名前の獏自体が、可愛いよね~~。動物にもいるし…。」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。