そして海江田、
「何と言っても、匡子さん、私の叔母なんで…。通わない訳には、行かない訳で…。そこのところ…。」
虎一郎、ニッコリと、
「はい。分かりました。私の方こそ、よろしくです。」
海江田、
「おっ。」
選家では、由佳理、スマホで話ながら、
「へぇ~~。そうなんだ~~。甥っ子さんが~~。」
電話の相手は匡子である。
スマホの向こうで、
「うん~~。いきなり、ヨッ。なんて入ってくるからビ~~ックリ~~。」
その声に由佳理、
「な~~んか、どんな男性なのか、見たくなっちゃったな~~。しかも、シカゴからのこっちに赴任~~な~~んて凄~いじゃな~~い。」
コーヒーカップに手を伸ばして由香里。
スマホから聞こえてくる声、
「それにねぇ、何とも偶然に、ヨウちゃんたち同期組もいた時に。」
その声に由香里、
「あら~~。へぇ~~。」
「どっちにしても、扶桑の社員だから、これからも時々、店に来てバッタリと…。」
「うんうん、な~~るほどねぇ~~。そっか~~。甥っ子さん。何だか匡子さん。ホント嬉しそう~~。楽しみが増えたってねぇ~~。」
そんな声に匡子、こちらもコーヒーを飲みながら、
「ふふん。うんうん。そ~~んな感じ。ねね、由香里さんもたまにいらっしゃ~~い。サービスしちゃうから。」
コーヒーを一口啜って由香里、
「う~~ん、ありがとう~。だ~~ねぇ~~。サブちゃんの作る料理も、食べてみたいし。」
「うんうんうん。」
その時、インターホンの音が…。
匡子、
「あっ、は~~い。」
スマホに、
「あは。宅配かも…。じゃね、またね。」
由香里、
「うん。電話、わざわざありがとうね~~。」
そして通話を切る。その瞬間、パソコンの画面の右下に、「メール受信」
「おっと~~、来たか。」
グラフィックデザイン会社ソレイユ、喜多島颯(きたじまはやて)からの新しい仕事の受注である。
メールを開いてみると…、由佳理、
「わ~~お~~。」
匡子、リビングから廊下を通って玄関に。
「は~~い。」
ドアを開けると、
「わ~~お。」
開口一番、
「おあおう~~。」
匡子、
「かか、通ちゃ~~ん。」
何とドアの外には通と愛生。そして通の口を見て、いきなり匡子、
「ぷっ。何やってんだか~~もぅ~~。」
通の両手は袋で塞がっている。そして口にはビニール袋を咥えて。
愛生も段ボールを持って。
匡子、
「かかかかか。愛生ちゃんも、おはよう~~。」
「おはようございます~~。」
通、玄関に入って、フローリングに袋を、
「あ~~。重かった。」
そして、今度はドアの外に、
「じゃね~~。」
いきなり匡子、
「えっ…???」
愛生も、
「へっ…???」
匡子、
「ちょっ…。と…。」
ドアの向こうから通、
「…んな訳ないでしょ。」
いきなり顔を…。
匡子、
「…って…。」
いきなり体をダラリと…、
「おぃ。」
愛生、
「かかかかかか。」
匡子、玄関の荷物を見て、
「いや…。しっかし…、何…???凄~~。」
通、
「うん。まぁね~~。こんなもんさ。今朝早くさ、ウチに卸してくれてる農家さん。」
「うん。」
「店には出せない野菜のB品だからって、ウチの玄関に、ドカン。10トンのダイナマイトみたいにさ。」
その声に匡子、
「はっ…???」
「いや。10トンのダイナマイトだよ。…んなもん、俺んちの玄関に置いとけないでしょ。いつ爆発するか、分かったもんじゃない。…だから~~。匡ちゃんちにも、お裾分け~~。匡ちゃんちなら、大丈夫でしょ、しっかりと、保険入ってるから。」
そして、匡子の玄関から奥の方に目を…。
「え…っと~~。ここなら…、多分、1億…。かかかかかかかか。」
匡子と愛生、既に廊下を通って…。
瞬間、通、
「うそ――――――っ!!!無視した――――――っ!!!」
匡子、
「しっかし…、凄い量よねぇ~~。」
愛生、
「そうなんですよ~~。朝、いきなり起こされて~。匡子さんち、行くぞって。…何がなんだか分かんなくって、玄関に行ってみたら、それこそ。」
そんな愛生に振り向いて、匡子、
「かかかか。10トンのダイナマイト。」
その声に愛生、口をへの字にして、顎を突き出す。そして両眉を上下に。
匡子、その表情に、
「かかかか。それにしても、新鮮野菜~~。」
そして、奥の倉庫まで…。
匡子、
「サ~~ンキュ~~。後は、サブちゃんから台車で運んでもらうから。」
後ろから通はコンテナを持って。
「匡ちゃん、どうせなら、愛生もいるんだし、店の冷蔵庫に入れちゃお。2人より3人の方が早いしさ。」
匡子、目をパチクリと、
「そぅ…ねぇ。」
愛生を見て。
愛生、ニッコリと…。
「じゃ、お願い…しちゃおぅっか。」
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,035. 匡子、リビングから廊下を通って玄関に。「は~~い。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。