ドキドキ 夜8時。ここは都内のバー。

鳩崎、海江田に軽くグラスをかざして、
「では、まずは、乾杯。日本に凱旋。おめでとう。」

海江田、そんな鳩崎に、
「ありがとうございます。いやいや、そんな…、凱旋なんて…。とんでもない。」

「…で…、肝心要の社長の反応は…???…如何に…???」

その声に海江田、少し顔を崩して、
「え~~。まぁ…。…って、言うか、ホンの5分…だけ…でしたけど…ねぇ。」

その声に鳩崎、目を真ん丸く、
「…いや…、ホンの…、5分…???」

「えぇ~~。中々どうして…、お忙しいようで…。私が社長室に帰国の方向を…。」

「うん。」
鳩崎、グラスの液体を一口。

「…丁度、電話が終わったタイミングで…。ハイ、おかえり~~。お疲れ~~。あら~~。そんなに変わらないわね~~。…それから社長、タブレットを持ちながらあれこれと…。」
「ふん。」

「そしたら、今度は秘書室から秘書の人が、社長、準備が整っております。…で、それからカバンを手に、獏ちゃん、ごめん、時間ないから行くね。今度ゆっくりね。って…。」

瞬間、鳩崎、
「ぷっ。」

海江田、顔を傾げて…。

鳩崎、
「えっ…???…たった…、それだけ…???」

「えぇ…。」

鳩崎、グラスの液体をまた一口。
「ふ~~ん~~。いやいやいや。何々、相変わらず、忙しいと言うか、慌ただしいと言うか…。まっ、とにかく、自分の目で確かめないと気が済まない人だから…。」
顔を僅かに傾げて。
「それに、気分でデパート内、歩き回ってるから…。」

海江田、
「へぇ~~え。変わってないですね~~。」

「変わってないどころか、常に社員からは愛されてるよ、全く気兼ねのない人柄だって…。愛想はいいし。そして、容姿は抜群。それに、相変わらずのビジネスセンスだ。絶対に手抜きはしない。徹底的にね。」

その声にまた海江田、
「へぇ~~。」

「そして…、常にアンテナはピ~~ンと。」
右手人差し指をス~~ッと前に。そして、
「だからなのかねぇ…、役員から管理職の中にも、内心は、ビクビクしている者もいるとか…。下手な事をしたら、ズド~~ン。」
今度は人差し指で上から下に。
「…てな事にも成り兼ねない。」
そして鳩崎、
「そんな社長が社員から愛されている。…と、それとは逆に、そんな社長の経営手段に異議を唱える役員や管理職は、社長の言う、利益だけを求めないで。そんなやり方には着いて行けないと。この11年で、何人かは扶桑を去っては行ったがね。」

その話に海江田、2、3度頷いて、
「うんうん。だからか~~。こっちに来て、それぞれの部署と役員のリスト、見たんですけど…、知らない名前がかなり。」

「あぁ~~。会長時代からの役員は、半分は…いないか…。しかも、管理職も…。…で、社長自ら、新しい人材を、自分の目で確かめて、今の状態にね~~。」

海江田、
「さすが、部長、知ってますね~~。」

「そりゃあ~~君~~。前社長が会長に退いた後…。いきなりド~~ンと出てきたのが天春廿楽、扶桑の女性トライアングルの筆頭。その決断力やら判断力やら、昔の怠~~い、緩~~い、儲かりゃいいの経営手段をスッパリと。しかも、去って行った者にも寛大に。あの頃…、人材だけで相当な業績悪化。けれども、その3か月目には、ガラリと…。」
「そうでしたね~~。だから、僕、扶桑、いいかもって…。…そしたら、1年後には、シカゴって…。」

「かかかかか。」
鳩崎、
「まぁ~~。君の場合は、元々、子供時代からロンドン。語学は…、バイリンガルだからね~~。しかも、経営理念も甘粕社長と似ている部分があるって…。ただ…、あの頃、僕は気持ち上、何てことをしてくれたんだ。勿体ないって。思ったけどね~~。悔しかった~~。」
鬼のような形相で鳩崎。
「まっ、しかし…。かかか、逆らう訳には、行かなかった。業績、右肩上がりだったからね~~。」

その話に海江田もニッコリと、
「全く、その通りで…。」

「今じゃあ、昔の扶桑は…。」
鳩崎、
「どこに行ったのやら…。まっ、とにかく、海江田新課長、今後ともよろしく。」

その声に海江田、
「あ~~、はい。こちらこそ、よろしくお願いします。」

「頼んだよ~~。これで少しは、財務企画にも顔が立つ。」

海江田、
「えへ…???」

「それより海江田君、君、向うでは11年、誰とも…、なんて事は…ないんじゃないのかね~~???ん~~???…35歳…。」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,023.   鳩崎、海江田に軽くグラスをかざして、「では、まずは、乾杯。」

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庄司紗千「海をこえて」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋