ドキドキ そんな母に葉子、
「いやいやいや。なんでよ~~。そんな…、いきなり会って、すぐに…、名前なんて…、失礼じゃな~~い~~。いきなり目の前に現れた人によ~。」

その声に由佳理、
「いきなりって…、いきなりじゃないでしょ。あなたを抱き抱えて…。」
そして、
「はい、ふたりとも~~。御夕飯~~。」

リビングのソファに座っている稜平と爽太、
「おっ。」
「とぉ~~。」

由佳理、
「あっ、そっか~~。ふんふんふん。爽太は一部始終見てるけど、あなたはね~~。」

稜平、椅子を引いて、
「何々…???なんの話…???」

由佳理、
「あっ、ほら。今日、葉子、呼吸困難に…。」

「あっ、うん。それ、俺たちも同じこと、話してて。…で、葉子、その人の名前は…???」

その声に由佳理、
「かかかか。や~~っぱり。」

そんな父に葉子、
「何、とうさんまで~~。爽太~~。」

爽太、
「いやいやいや。だって、そうでしょ。折角~~。」

由佳理、そんな爽太に、
「ふふふ。や~~っぱりね~~。でもね~~。」

稜平、
「ん~~~???」

「葉子、その人の名前、聞けなかったと言うより、失礼でしょ。ですって…。」
「なんで~~???」

「確かに。名前くらい…。…とは、思うんだけど…。爽太なら、名前…聞くでしょ。でも、かあさんだって、いきなりそんな風になって…。…で、いきなり目が覚めて目の前に突然現れた、そんな人に、お名前は…???…なんて、聞けないわよ。ねっ、おとうさん…???」

そんな風に言われて稜平、左手を口に当てて、
「ん~~。まぁ…。その…シチュエーションだと…。うんうんうん。確かに。相手に取ってみれば…。」

由佳理、
「それによ。まぁ…かあさんの…想像の域…、なんだけど~~。多分、その人、自分の名前、訊かれても、応えないでしょ。」
そして、
「そんな…名前なんて…。単に、その人にとっては、通りすがり…。」

稜平、
「ま…、ねぇ~~。」

けれども爽太、
「ん~~。…でも、結構、カッコ良かったって…。印象~~。それに…、何かしら、ワイルド。…なんだ…けど~~。ビシ―――――ッと、スーツ。」

稜平、
「へぇ~~。」

「何か…、そんな…一般のサラリーマンって感じは…。」
顔を傾げながら…、
「どっかのエリート…???…管理職…。そんな感じ…???」

由佳理、その話に、
「うそ。あ~~ん、勿体な~~い。」

「…って、今更…???」
稜平、口をへの字に…。

由佳理、冷蔵庫からビールを。
「はい、おとうさん。」

「サ~~ンキュ~。」

葉子、両手を合わせて、
「いただきます。」

翌日、朝のミーティングの前に輪湖、葉子からその話を聞いて、
「うそ。呼吸困難…???」

葉子、顔をコクリと…。
「うん。いやいやいや。あんなの私、初めてだわ~~。び~~っくり~~。生まれてこの方、風邪ひとつ引いてないのに。」

「い~~~???…葉子も、そういう事、あるんだ~~。ねぇ~~。確かに、あんた、鉄人みたいに、一切、病気ひとつしないもんね~~。」
「何よ~~。鉄人って~~。感情が全くないみたいじゃないのよ~~。」

その声に輪湖、
「えっ…???」

そして、財務企画部の社員たちが一斉に立ち上がる。

輪湖、
「おっと。」

そして…数日後の…お昼。
また社員食堂、葉子、輪湖、そして虎一郎。

葉子、輪湖、
「えっ!!!営業推進部でも、新しい人…???」

その声に虎一郎、
「ふ~~ん、なんとも、課長交代~~。マーケティングリサーチ部門に飛ばされたって感じ~~。いわゆる…、降格だ~~な~~。まっ、しゃあないよ~~。もうすぐ、定年だっていうのに、女性社員に、チョメチョメ。」

その声に輪湖、思いっきり顔を顰めて、
「うっわ~~~。…で、次来る人って…???」

虎一郎、顔をクシャリとさせて…。

葉子、おかずを食べながら、
「ふん。何よ…???そんな嫌な人…???」

虎一郎、
「いや…、そういう訳じゃ…ないんだけど…。その人、知ってるの、部長だけで…。なにやら部長が、ニヤニヤと…。だから、今、営業推進部、なんとも慌ただしい…。どんな人なのかって…。」

葉子と輪湖、
「へぇ~~~。」

「だ~~って、海外からだよ~~。」

瞬間、輪湖、
「うっそ~~~。」

葉子は目をパチクリと。そして、
「じゃ、新しい人って、外人…???」

間髪入れて、虎一郎、
「な~~訳が…、ない。」

廊下の掲示板の辞令の文章を見て葉子と輪湖、
「アメリカ支部シカゴ支店。営業コンサルティング事業部マネージャー、海江田獏(かいえだばく)。」
「なんか、凄い人が…来る~~。そんな…予感~~。」

虎一郎、
「だろ…。部長曰く、35歳って~~。」

その声に輪湖、顔を顰めて、
「35歳…???うそでしょ。」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,011.   由佳理、「いきなりじゃないでしょ。あなたを抱き抱えて…。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

《PR》
庄司紗千 花笠音頭

※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。

アメーバ
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋