ドキドキ 理沙、石輪大ルークに入部2か月後…。
これも理沙の性格と人間性なのだろう。バスケへの厳しさは人一番。
けれどもその中でのチーム全員とのコミュニケーションが良好。
確かに、当初は悔しい日々も続いた。
そして、その悔しさの愚痴は全て毎日の送り迎えの将輝に向けて…。

そして、試合観戦の時にも。その度に将輝から、
「おまえは馬鹿か。悔しいんなら、それ武器に見返してやりゃ、良いじゃねぇか。」
そして、
「…た~~く、俺が愚痴っても、いっつもソッポ向くくせぇによ~~。なんなんだよ、一体~~。」

その度に将輝に理沙は、鬼のような形相で、
「べぇ~~~。」

将輝、
「うるせぇ。」

そんなこんなで、将輝とは常に、会えば喧嘩腰。
世の中、こういうふたりの事を、俗に、こういうのだろう、「腐れ縁。」
高2の頃から凡そ6年。

そして石輪大ルーク入部から半年。遂に、男子選手を僅かに超えての初の得点王。
そして、その年には、初めてのMVPに輝いた。
入部1年目での栄誉が、その後の理沙には大いに励みになったのである。
2年目からもその勢いは止まらず…。
そして3年目になると、今度は理沙の周辺環境も変わり始めてきた。
元々、姉の栞奈が大学時代から付き合っていた男性との結婚。
そしてその年に第1子を出産。

そして…、理沙も杏美も驚いた、麗亜の結婚。
ただ、麗亜の結婚は、その立役者が将輝。同じ大学の己龍と麗亜であれば止む無し。
元々、馨と麗亜が結婚するとばかり思っていたのだが…。
残念ながら、馨も尾神電工に就職からは殆ど麗亜とはたまに会う事だけで、
余り接点がなかったのだった。

逆に、そんな馨に高校時代以上に夢中になったのが杏美、
「理沙には将輝。」と言う意識が大きくなり馨に猛チャージ。
麗亜と己龍の結婚から1年後には結婚。

そしてその頃には既に将輝と馨は尾神電工でも、
後輩に指導するほどのベテラン選手にとなっていた。
そういう中で、理沙と将輝、周囲からは、「いい加減…。」と、
ため息を突かれながらも。お互いに、「誰が…。」

実際、その頃の理沙と将輝は、それどころではなかったのである。
将輝は将輝で、徐々に尾神電工のチームをまとめる役割にも担っていた。
そして理沙は、石輪大ルークの連覇に欠かせない選手となっていた。
入部4年目には得点王、MVPそしてオールスター5にも輝いている。

そして…。

栞奈の結婚。杏美と馨、麗亜と己龍との結婚から1年以上、2年以上経った頃…。
丈師から蒼介に、釣りの誘い。既に丈師と蒼介、そして和奏すらも、釣り仲間となっていた。
その釣りに理沙と将輝も誘われた。

気分転換である。

そんな釣りの場でも、将輝と理沙、相も変わらず…、ああだのこうだの…。
けれども、そんな時、いきなり理沙の釣り竿にヒット。

理沙、
「わっ!!!!わわわわわわ。わ――――――っ!!!将輝、将輝、将輝――――――っ!!!」

将輝も、
「わお。来た―――――っ、かかかかかか。」

「バカ、将輝、将輝、将輝、私、どう…。」

そんな光景に、既に慣れている蒼介も和奏も、
「おやおやおや。初ヒット。」
「頑張れ~~。」

丈師、
「おぅ、おぅ、おぅ、おぅ。」

将輝、
「バカ、理沙、ゆっくりと、ゆっくりと…。竿引いて、リール巻いて~~。」

「だ~~って、何をどう…???」

将輝、そんな理沙の後ろから理沙を抱くように、
「こぅやって~~。」
理沙の両手に自分の両手を上から。そして理沙の両手に左手を。
そしてゆっくりと竿を上に、リールを巻いて…。

「早く、早く。」

「慌てんなって。」
ゆっくり、ゆっくりと…。そして水面近くに現れる魚影。

その頃になってようやく、丈師、蒼介、和奏、
「へぇ~~。」
「いい型じゃ~~ん。」
「ははは。」

将輝、すかさず傍にあるネットを…。
理沙に、
「いいかぁ~~。そのまま、そのままゆっくりと…。」
そして将輝、ネットを近づけて、魚を、
「シュッ。」

「いや~~。かかかか。」
蒼介、
「中々の共同作業~~。」

その声に丈師、
「はっははははは。」
腕組みして、
「だ~~なぁ~。おふたりさん。」

和奏、クスクス笑いながら…。

そして将輝、ネットの中でバシャバシャと動いている魚を理沙に見せて、
「へへ。大したもんだ。」

理沙、顔をグシャリとさせて、右手親指を、
「や~~り~~。」

そんなふたりに丈師、将輝の両腕を広げて、理沙の後ろから理沙を抱き締める。
「ほぃ。こいつも共同作業だ~~。」

その光景に和奏、
「ぷっ。」

蒼介、
「かっかかかか。」

理沙、真っ赤になって、
「ふん。」

将輝、
「なんだよ~~。」

信じて…良かった。   vol.242.   理沙、石輪大ルークに入部2か月後…。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋