ドキドキ 杏美、
「あ~~ん。兄貴には理沙の事、何も話してないからね~~。…って言うか、理沙を見たのって、初めてでしょ。」

その声に智樹、頭をサラリと搔きながら、
「あ、あ~~。」

「大学でアパート暮らし。しかも、バイトしてるから、そんなに家にも帰ってこないし。理沙が事故で車椅子生活だって事だけは話してあるけど…。」
杏美。

智樹、理沙を見て、そして、その隣の女子を見てペコリと。

杏美、
「あっ、そっか~~。かかかか。兄貴、この子、菅田麗亜ちゃん。私たちの後輩。」

智樹、
「すだ、れいあ…ちゃん。」

麗亜、
「こんにちは~~。」

「こんにちは。」

杏美、
「でぇ~~。おばちゃんの隣の男子が、菅田将輝君、麗亜ちゃんのお兄さん。今、理沙の車椅子バスケの指導してるの。」

智樹、思わず、
「指導~~???…あっ、そっか~~。…で、庭にあれ…かぁ~~。…けど、それにしても、凄い。」
そして、
「そっか~~。頑張ってんね~~。うん。」
ニッコリと。そして智樹、理沙を見て、
「君、大学は…、どうするの…???」

瞬間、理沙、
「えっ…???」

杏美、慌てて、
「ちょっと兄貴~~。」

智樹、
「車椅子に乗ってでも、こんなに頑張ってるんだ。今の時代、障害者でも、しっかりと学べる大学、多いからね~~。しっかり頑張って。」
そして、
「かかかか、僕の大学も、障害者結構いるよ。」

杏美、
「えっ…???…そうなの…???」

智樹、
「あぁ。日南体育大学(にちなんたいいくだいがく)のスポーツマネジメント学部。特に、陸上競技だけどね~~。」
そして理沙を見て、
「君にも、いい大学、あると思う。頑張って。」

理沙、その声を聞いて、ニッコリと、そして僅かに顔を赤らめさせて、
「はい。」

智樹、そんな理沙に笑顔で、
「うん。」
そして、
「じゃ、ありがとうございます。お邪魔しました~~。」

和奏、丁寧にお辞儀をして、
「わざわざ、ありがとうございました~~。」

杏美、理沙と麗亜に、
「じゃね。」
そして、
「おばちゃん、また~~。」

車は動き出す。

車椅子をゆっくりと動かしながら理沙、
「身障者の…、大学…、かぁ~~。ふ~~ん。…それに…。」
麗亜を見て理沙、
「初めて見たけど、アズのお兄さん、凄い、かっこいいね~~。」

その声に麗亜、
「へっ…???あっ、あ~~。」
そして、
「うん。」

将輝は呑気にパンツのポケットに両手を突っ込んで口笛、そしてスキップするように。
そんな将輝の尻を理沙、左手でペン。

将輝、
「痛~~って。」

理沙、
「何、呑気にポケットに両手、それに口笛~~。」

麗亜、後ろで見ていて、思わず口に両手を、
「ぷっ。」

車の中で智樹、杏美に、
「へぇ~~。理沙さんって、あんな感じ~~。ふ~~ん、初めて見た~~。」

杏美、思わず、顔を右に、
「へっ…???…兄貴、理沙…、本当に一度も見た事、なかったっけ…???」

間髪入れずに智樹、顔を振って、
「全然。」

日曜日の夕方、出掛け先から仕事のために学校に戻っていた一樹。
生徒たちの進路について考えていた。
「瑞樹…、あいつ…、どうすんだろ…???」

理沙たち、3年になっても、教師は変わらず、そのまま。
組替えもなく、教師の変更もないまま。

職員室のドアを開けて江梨子、
「せ~~んせ。いっき先生~~。」

一樹、ドアの方を見て、
「あ~~っと~。小宮山先生~~。」

「はい、差し入れ~~。」
ビニール袋を上げて。

一樹、笑いながら、
「そんな~~。いいのに~~。」
「ラインしたら、職員室にいるって。」

一樹、スマホのラインの画面を見て、
「ラインって、こんな感じなんですね~~。」

その声に江梨子、ニッコリと、
「はい。」
江梨子、一樹の手にしている書類を見て、
「生徒たちの…、進路ですか~~。」

「ん~~。そう…なんですけど…。」

江梨子、
「理沙さん…ですか~~。」

「えぇ~~。車椅子…。でぇ~~。車椅子バスケ…。…どうしたものかと…。私も、こういうケースは、初めてなんで…ねぇ…。」

7月の半ば…。

スポーツセンターにて小野倉、1本の電話に…。
「ありがとうございます。」
スマホを持ちながらお辞儀をして、
「蒲原先生。…あ、いや。蒲原教授からそう言われると、感慨深いです。」

小野倉の耳に聞こえてくる声、
「いえいえ。ははは。私らも楽しみにしてるんです。彼女、頑張ってますか…???」

小野倉、
「えぇ。毎週土曜日、休みなく。大したものです。」

「それから…、彼は…???」

小野倉、その声に、
「えぇ。同じく…。かかか、いいコンビですよ。」
笑いながら…。

「そうですか~~。まっ、彼の方は弓狩さんに任せておけば…。」

小野倉、
「はい。そのようで…。……、えぇ。はい。よろしくお願いします。」

信じて…良かった。   vol.221.   「君、大学は…、どうするの…???」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋