ドキドキ そんな障害者スポーツセンターの帰り際、事務所から邑。
玄関に向かう理沙、和奏、将輝に、
「理沙さん、理沙さん。」

邑の顔を見た瞬間、理沙、
「わ〜〜。横峯さ〜〜ん。」

和奏と将輝を見て邑、ニッコリと。そして、
「お世話様です。」

和奏も、
「お世話様です。」

邑、理沙に、
「理沙さん、はい。これ。」
可愛らしい紙の袋を。

理沙、
「わぁ、可愛い~~。」

邑、
「ふふ、バレンタイン。」

「わぁ~~。」
ニッコリと理沙。

和奏、
「どうも、すみませ~~ん。」

邑、首を振って、
「いいえ~~。」
笑顔で…。
「今日はちょっと、忙しくって、ゲーム見れなかったら~~。」

理沙、
「病院の看護婦さんからももらっちゃって~~。」

邑、笑顔で、
「うんうん。」
そして、
「将輝君は、貰った…???」

その声に将輝、
「えっ…。」
困ったような顔で、
「あっ、いいえ…。」

「あら。ふふ。」
邑、
「でもね~~。理沙さん、きっと、ふたりだけの時に、将輝君に、あげちゃうんじゃないかしら~~。」
そして邑、
「ごめんなさいね。私、今、ちょっと手を離せなくって。じゃ。」

和奏、お辞儀をしながら、
「わざわざお忙しいところ、すみません~~。」

邑、ニッコリと、
「じゃね。」

車に向かいながら理沙、
「まさか、横峯さんにまでチョコもらうなんて~~。」

そんな理沙に和奏、口を絞って、そして、
「もしかして…、チョコじゃないかも。」

その声に理沙も将輝も、
「えっ…???」
すると理沙、ひざ掛けの上の紙袋を…。そして、
「わっ!!!手袋だ~~。あったかそう~~。」

将輝、
「へぇ~~~。チョコじゃないんだ~~。」

和奏、
「うん。ある意味、バレンタインって、いろいろなのよ~~。」

その声に理沙も将輝も、
「いろいろ…って…???」

「うん。確かに、最初はチョコがブーム。まっ、今も、それは同じなんだけど。他にも恋人だったら、男性のネクタイやマフラーや…。それに、男性も女性も、お互い同士で食事なんか。」

将輝、
「へぇ~~。」

和奏、
「ところで将輝君は、幾つ、貰ったのかな~~???」
意地悪そうに。

その声に将輝、
「えっ…???」

「かかかか。まさか、一個も…ってことはないよね~~。かっこいいし。」

瞬間、赤面状態になる将輝。

そんな将輝を見て理沙、口を尖らせて、
「なんであんたが、顔、赤くしなきゃなんないのよ~~。」

そんな理沙に将輝、
「うるせぇ。」
そして将輝、後部席のドアを開けて、
「ほら。」

理沙、
「ほぃ。」

将輝、
「いくぞ。」

「は~~い。」

今や和奏の代わりとなって理沙をシートに。
将輝、車椅子をたたんで和奏が開けたトランクの中に…。

和奏、
「ありがと。」

翌日の日曜日、いつも通りの練習。少し休憩。割りと温かい日曜日。

将輝、ペットボトルの飲料水を。そして、
「ふぅ~~。」

理沙、
「将輝~~。」

椅子に座っての将輝、
「ん~~???」

「車椅子の後ろのバッグ~~。」

その声に将輝、
「あん…???」

理沙もペットボトルの飲料を飲みながら。そしてボトルをテーブルに。

将輝、
「後ろのバッグ…???」

理沙、
「うん。中の物、取って~~。」

「中の物って…。」
バッグから取り出したもの、赤い可愛らしい包装の箱。
「あっ。」

理沙、ポツリと、
「あんたにやるよ。」

将輝、
「やるよって…???」

「バレンタイン。」
「えっ…???」

「しょうがないじゃん、みんな、口々に将輝君には…???将輝君にはって…。うるさくって。」
そして理沙、口を尖らせて、
「だから…、やるよ。」

その声に将輝、
「やるよって…。おま…。」

「いいよ~~。いらないんだったら、あげないから~~。」

将輝、口を尖らせて、そして頭を掻きながら、
「おま…。」

「いらないんだったら、いいよ~~。」
「わ、分かったよ。もらってやるよ。」

その声に理沙、口を捻じ曲げながら、小さな声で、
「なによ。もらってやるよ。ふん。」
理沙、
「あっ。そう言えばさ、名城、私の高校。」

「あ~~。」
「恵ちゃんみたいな動画撮影してくれる子、いるぅ~~。」

将輝、瞬間、
「えっ…???うそ。凄ぇ~じゃん。」

「うん。だから、今、バレーの練習中にも動画、モニターで見てる。」
「へぇ~~。そっか~~。」

「やっぱり、動画見るだけで、違うよ。」
理沙、遠くを見ながら…。

将輝も、
「あぁ。違う。俺は…、どっちかっていうと、今、NBAの動画、見てる。」

「NBA…???」
「うん。アメリカのバスケットリーグの動画。」

理沙、
「へぇ~~。そんなのがあるんだ。」

「うん。すんげぇ本格派。スーパープレーばかり。」
「ふ~~ん。」

そして将輝、
「ヨシ、やろうか。身体、冷えちゃう。」

「うん。」

「きっと、ふたりだけの時に…。」

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庄司紗千「海をこえて」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋