栞奈のその声に流美、また薄っすらと涙。
そして右手でそれを拭って、
「はは。」
そして麗亜を左腕で抱き抱える。
丈師、ニッコリと、
「ありがとう~~。」
そして杏美、体を思いっきり前に、
「理~沙――――――っ!!!」
理沙に向かって右手を高く振る。
その声に数名が振り向いて…。
理沙、杏美とみんなに右手を…。
弓狩、
「うんうん。みんな、元気だ。…と、瑞樹家…、ご両親…、今日は…???」
理沙、そんな弓狩に、舌をチロリと…。
「今日は、お客様で、もぅ…お酒が…。」
「かかかか。そうでしたか~~。うんうん。正月ですから…。」
小野倉、
「どぅ…???理沙さん。本格的、実業団の車椅子。」
その声に理沙、笑顔で、
「はい。凄い。なんだか感動~~。凄い、動けてる~~。」
邑、
「理沙さんも、頑張って~~。」
そんな邑にも理沙、
「はい。」
弓狩、将輝に、
「将輝、今日はありがとうな。おとうさん、車…。」
将輝、
「あっ、はい。本当は、朝から釣りに行く予定だったらしいんですけど…。」
「へぇ~~。釣~~。」
「えぇ。でも、監督から理沙さんへって言われて。逆に自分の方から、俺が行ってやるって。多分、理沙さんち…、正月で忙しいと思うからって。」
弓狩、顎に右手を…、そして数回頷いて…。
「そうですか~~。おとうさん、釣り~~。…で、釣った魚は…???」
将輝、少し首を傾げて、
「殆ど…、自分で…やってんのかな…???…台所、使ってますけど…。」
理沙、
「へっ…???おじさん、魚…、凄~~い~。」
邑も、
「ふふ。将輝君のおとうさん、凄いね~~。お魚、自分で釣って、自分で捌ける。さっすが。」
小野倉、
「菅田さん。凄い、ガタイ、良いですもんね。職業は…???」
将輝、
「消防士です。」
その声に小野倉、邑、
「あぁ~~。な~~る。」
そして…。選手たちが一旦集まる。
弓狩、
「さ~~て。」
小野倉、
「いよいよ。ですか~~。」
邑、理沙の両肩に両手を、
「ふふ。」
理沙、
「はい。」
三博と三宮の周りに集まって選手たち、一斉に、
「はいっ!!!」
そしてコートに整列。
邑、
「凄いね~~。」
観覧席でも、丈師、
「おっ。いよいよか。」
流美、
「うん。」
馨、唇を絞って。
杏美、
「ねね、どっち応援すんの…???」
栞奈、その声に、
「この…場合は~~。やっぱ、弓狩監督と、将輝君、理沙が招待されたチームでしょ。」
けれども栞奈、首を傾げて、
「…って言うか、チーム名…、何…???」
右目を歪めて…。
「エンブレムと…、ニューバード。理沙さんが招待されたチームが、エンブレム。」
黙ってコートを見ながら丈師。
流美、
「うん。そうだね。」
杏美、
「エンブレム…かぁ~~。…って言うか、なんだか、人、増えてきたみたい。」
栞奈も、
「うんうんうん。さっきから比べると…。」
そして、ホイッスル。
小野倉、
「お~~~。は~~じまった~~。」
その瞬間、理沙と将輝。そして観覧席のそれぞれが、
「早っ!!!」
車椅子が正に自分の脚みたいに…。
理沙、いきなり、
「凄~~っ。さっきとは全く動き~~。」
将輝も、
「あぁ…。凄ぇや。」
弓狩、
「これからがもっと、面白くなります。」
小野倉も、
「えぇ。」
開始から2分。両チームとも、シュートはするが、中々点には結びつかない。
理沙、
「あん。惜しい~~。」
将輝、
「リンクまでは届くけど…。」
弓狩、
「だからこそ、練習では殆ど、シュートは入れている。…けれど、事、ゲームとなると。ガードが固ければ固いほど…。」
小野倉、
「それだけ…、集中力。そして判断力と、技術。おし。」
瞬間、理沙、
「え――――――っ。あんな遠くから。」
将輝、
「俺たちのスリーポイント。が…。車椅子で…。どんだけの腕力」
理沙、
「早い、早~~い。」
そして、コート内で車椅子がぶつかり合いをする。けれども選手たちは一切動じない。
そんな光景を目の前で見ての理沙、
「凄い。車椅子、ぶつかっても…。」
小野倉、
「うんうん。そうだね~~。…でも、そうしないと、オフェンスもディフェンスも出来ない。…これが、車椅子バスケ。」
そして小野倉、
「そして、そんな状況を超えての、シュート。おし。そしてシュートが決まった時には、必ず選手同士で、タッチ。これですよね~~。」
理沙も邑も、
「なんだか小野倉さん、楽しそ。」
その声に、
「え~~???そりゃそうでしょ。何てったって、天皇杯の…。練習試合でも~。うん。気~合、入ってるぅ~~。」
そんな小野倉を見て理沙と邑も、
「はは。」
信じて…良かった。 vol.164. 栞奈のその声に流美、また薄っすらと涙。
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋