栞奈、夕食を食べながら理沙に、
「将輝君と馨君、期末…、どんな感じなんだろ…???何か連絡は…???」
その声におかずを食べながらの理沙、首を横に振って、
「ううん。」
「鴻上の試験、今日で3日目でしょ~~。何か、気になるよね~~。あんだけ、勉強してたから…。」
蒼介は、
「そんな…成績が悪いなんて、感じないんだけどな~~。」
理沙、父親の声に、
「かかかかか、おかあさんと同じ事言ってる~~。」
蒼介、
「えっ…???そうなの…???」
和奏、作り立ての料理を盛りつけたお皿をテーブルに。
「ん~~???なに…???」
栞奈、
「かかかか。さっすが~~、夫婦~~。」
栞奈のその声に和奏、
「え~~???」
椅子に座って。
理沙、
「あのふたり、おとうさん、そんなに成績悪いなんて感じないって~。おかあさん、前に私に同じ事言ったでしょ。」
和奏、
「あ~~。うんうん。そうそう。イケメンで、運動神経抜群。スポーツ万能~~。」
蒼介、そんな妻の声に、
「うんうんうん。とうさんもそう思った~~。」
栞奈と理沙、顔を見合わせて、
「な~~んてね。」
理沙、
「今時の男子。そんな…、絵に描いたような男子じゃないって~~。」
蒼介、いきなり頭を傾げて、
「そぅ…なのかな~~。」
当然、期末試験の期間中は将輝も瑞樹家には訪れていない。
試験の3日目を明日に控えて、夜、理沙、
「えぃ。もぅ~~。」
スマホの将輝の文字に…。
実は試験2日後辺りから、やたらと杏美やら他のメンバーから、
ふたりの事を気に掛けてのラインが理沙の下に入っていた。
つまりはみんなも将輝と馨の事を心配してくれていたのだった。
理沙、画面に指でトン。
何度か目のコールでようやく…、
「ん~~~。もし…もし。」
理沙、
「あっ、将輝、どんな感じ…???…試験…???」
将輝、数秒黙って、
「えっ…。あ、あ~~。うん、むにゃむにゃ。あ~~。なんだ…???どうした…???…今、何時…???」
その声に理沙、
「はっ…???あんた、将輝…???」
また数秒の沈黙。
理沙、
「えっ…???はっ…???何…???どうなってる…???ちょ、ちょっと…。」
すると、スマホの向こうから、なにやら小さな音が…。
理沙、耳を澄ませて…。すると、聞こえてくる音。瞬間、理沙、
「うそ―――――――っ。寝てる~~~???」
そして、いきなり腕時計を見て、
「うそでしょ。まだ10時。え――――――――っ!!!」
そして、
「…ってか、通話、切らずにそのまま…、眠ってるよ、あいつ~~~。」
仕方なく通話を切る理沙、そして杏美や麻理絵たちに一斉にライン。
そして次々に理沙にもライン。
杏美、
「うそでしょ。」
雅美、
「いやいやいや、神経図太い。」
芙美は、
「なんで、試験の夜に眠れる~~???信じらんない。」
けれども、麻理絵は、
「へぇ~~。そう来たか~~。かかかかか。」
そして麻都香も、
「何々、やるじゃん、将輝君。」
理沙、
「いやいやいや。やるじゃんって、麻都香、そんな…暢気な…。」
すると麻都香から電話、
「もしもし私~~、もしかしたらさ~~、今、眠って、深夜帯から復習するんじゃない。」
「深夜帯から復習…???」
「うん。」
そして麻都香、
「多分、将輝君、夕ご飯食べて、お風呂入ってすぐに寝ちゃったのかもしんない。7時頃にご飯食べてお風呂入って、眠って~~。大体…7時間位。2時頃から復習すんじゃないかな~~。な~~に、常套手段でしょ、試験中の~~。」
すると理沙、
「へぇ~~。そぅ、なんだ~~。」
「かかかか、がむしゃらに勉強したってどうしようもないからね~~。誰かに聞いたんじゃない、勉強法。」
その声に理沙、
「…ったくもぅ~~、人が折角みんなが心配してるって、その電話してんのに、眠ってんだから~~。通話状態のまんま、まだ眠ってるよあいつ~~。」
その声に麻都香、
「え―――――――っ、まじっ!!!」
「ふん。多分、目が覚めたら、スマホのバッテリー、なくなってるよ、きっと~~。」
「きゃっはははは。なんとなんと。」
そして、
「まっ、今、そんな感じじゃ、何とか、赤点じゃ、なきゃ、御の字かな~~。かかかか。さて、私らは明日と明後日。鴻上は明日が試験最終日。私はもう少しやって、寝るわ~~。かかかか、私は朝方じゃ、ないしね~~。」
理沙も、
「うん。分かった~~。わざわざ、電話、ありがとね~~。」
「じゃね~~。」
信じて…良かった。 vol.147. 理沙、「あっ、将輝、どんな感じ…???…試験…???」
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