馨、芙美から頭をパコ~~ンとされながら…。
「痛~~って。」
そして頭をペコリと、
「すんません。」
そんな芙美と馨を見て雅美、思わず、
「かかかか、あんたら、どういうコンビや。」
杏美、
「まっ。とにかく。」
その時、和奏、
「アズちゃん。」
いきなり杏美、和奏を見て、
「へっ…???」
和奏、
「でもさぁ~~。おばちゃん、みんなの事、ほんとに、ありがたいのよ~~。」
その言葉にメンバー全員、
「えっ…???」
「だって、そうじゃない~~。理沙の事、みんな、物凄い、大事にしてくれてる。それだけでおばちゃん、ううん。おじちゃんだって、物凄い感謝だよ。」
思わず理沙、
「おかあさん…。」
和奏、
「もしかして…、こんな風に思う…かも知れない。そりゃあさ。理沙が今まではみんなと同じように、学校行って、一緒に授業受けて。一緒に部活やって。それが当たり前。当たり前なんだよって。…けど、もしも、みんなと一緒にいる誰かが、何か、大変なことに遭って。それでもぅ、みんなに会えなくなる。そんなの、物凄い悲しい。」
和奏の話にみな真剣に耳を傾けて。
「もしさ。もし万が一、理沙が、病院で…、あの時、事故の後遺症で、全然立ち直れなくって、もう、目の前が真っ暗。私たち家族だって、もぅ…、どうすればいいのか分からない。そんな状況だったの。」
栞奈と理沙、
「かあさん。」
「おかあさん。」
「でも、そんな理沙を、救ってくれたのが、みんななのよ~~。」
杏美、
「おばちゃん。」
和奏、
「そして…。今度は、今まで見た事のなかった景色が、我が家で見られる。おばちゃん、物凄い嬉しい、そして楽しい。」
そして和奏、理沙の車椅子の傍で、全員に深々と頭を下げて、
「どうもありがとう。」
芙美と雅美、
「おばさん…。」
瞬間、麻理絵と麻都香、いきなり両手を振りながら、
「いやいやいやいや。おばさん、おばさん、そんな…。」
麻理絵、
「私たち…。ねぇ、麻都香~~。」
麻都香、
「うんうん。そんな…。」
杏美、思わず目頭が熱くなり、
「おばちゃ~~ん。」
和奏、頭を上げて、薄っすらと目に涙。そして、
「かかかか。」
笑いながら両手で頬をなぞって、
「ごめんねぇ~~。おばちゃん、もぅ、歳だから…。」
理沙、そんな母を、
「おかあさん。」
麻理絵、
「私は…。…でも、私たちは…、誰か、ひとりが欠けても、やだから…。」
それぞれを見ながら…。
麻都香も他のメンバーも、頭をコクリと。
「それに…。いっきからも言われてるし~~。」
それぞれが、
「仲間を思いやれ、友達を見下すな。って。」
それぞれが頷きながら。
そして芙美、頭を傾げて、髪を思いっきり搔きながら、
「俺ゃあ、どうも、てめえペースのヤツって、言うのが~。好かん。」
一気にメンバー全員、芙美を指さし、
「似てる――――――っ!!!」
そしてメンバー全員が、
「かかかかか。」
そんな女子に和奏、ニッコリと。
「でもさ~~。みんな~~。今、みんなは、そんな風には思わないけど…。みんながもっと、大きくなって、そして、みんなも、人の親になった時。そぅ。子供がみんなのようになったときに、おばちゃんと同じ事、思うかも、知れない。」
その話に馨と将輝、2、3度頷く。
栞奈、
「仕方がない。みんな、かあさんの言ってる事、汲んであげて。」
その声に麻理絵と麻都香、思わず、
「ぷっ、くくくくく。」
瞬間、和奏、栞奈の左肩を右手でペン。
「何言ってんの~お姉ぇ。それじゃあ、かあさん、まるで年増みたいに聞こえるじゃな~~い~。」
いきなり栞奈、頭をひょっこりと凹ませて、
「やば。」
メンバー全員、思いっきり、両手を振りながら、一斉に、
「いやいやいやいやいや。おばさん、物凄い、素敵です。はい。」
そして何度も頷いて。
理沙、
「かかかかかかか。」
将輝と馨は始終蚊帳の外。
将輝、馨を見て…。
馨も将輝を見て、同時に頭を傾げる。
そして馨は再び芙美から頭をパコ~~ン。
「だめだこりゃ。」
馨、また、
「痛って~~~。」
その場が笑いに溢れる。
数分後、メンバー全員、
「ごちそうさまでした~~。」
栞奈と理沙、玄関で、
「またね~~。」
和奏も、
「みんな、気を付けて~~。」
「は~~い。」
信じて…良かった。 vol.144. 「おばちゃん、みんなの事、ほんとに、ありがたいのよ~~。」
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