ドキドキ 理沙、
「ようやく、ここまで、来れた~~。」
両手を高く。

杏美も麻理絵も、
「イェ~~~イ。」

けれども将輝はまだ表情、優れず…。

そんな将輝に杏美、
「た~~くぅ~~。しょうがねぇなぁ~~。」
すると杏美、
「理沙~~。理沙の中間…どぅだった~~???理沙、私たちより2か月遅れてたはずだけど…。」

その声に理沙、
「あん。まぁ…、何とか…平均点よりは…クリア。」

将輝、一瞬、
「凄ぇ。」

杏美、そんな将輝に、
「凄ぇって…、理沙、両親、検察事務官と元パラリーガルの娘だよ~~。何、小学から頭は良いの。私よりも~~。」

理沙、
「…けど、さすがにマリ~~には、叶わないけどね~~。学年3位~~。」

将輝、
「うそ。」

「…って言うか、鴻上って…、偏差値、そんな悪かったっけ…???」
麻理絵。顎から口に右手を…。
「ふん…、確か…、ウチとそれほど…。60圏内…だったような…。」

杏美、
「はい。とにかく。んもぅ~~。何とかするっきゃないでしょ。なんとか~~。」

理沙、
「なん…とかって…???」

杏美、手振りで、
「あ~~ん、ほら。理沙、あんた、将輝君の家庭教師。なんならマリ~~、あんたも。」

理沙、いきなり、
「え゛―――――――っ!!!」

麻理絵、
「私は…、ふん。いいけど…。別にっ、全然。」

理沙、またまた、
「え゛――――――っ!!!」

杏美、
「かかかかか。」

理沙、
「いやいやいや。なんで~~~。私…まじ、意地悪じゃ~~ん。」

「かかかかか。」
杏美、思いっきり手を叩いて。

「へっ…???何…???…じゃあ将輝君、なんだか気分すぐれないって思ってたら…。あっ、そういう事だったんだぁ~~。」
和奏、みんなにお菓子と飲み物を配りながら。

そんな和奏に将輝、物凄い恥ずかしさに顔を赤らませて、ペコリと、
「すみません。」

そこに蒼介、
「はい、みんな~~おっはよ~~。」

それぞれが挨拶、
「おはようございま~~す。お邪魔してま~~す。」

蒼介、
「将輝君、昨日はどうも。おとうさんによろしく言っといて。」

将輝、
「あっ、はい。」

杏美と麻理絵、
「おとうさんって…???」

理沙、
「あん。昨日、スポーツセンターの帰りに、将輝君の家まで送って。その時、偶然に将輝君のおとうさんに会って、将輝くんちにお邪魔したって訳。」

杏美、
「あ~~、な~~るほどね~~。でね、おばさん。」

和奏、
「ふん…???」

「今度、理沙とマリ~、将輝君の家庭教師、やることになった~~。」

その声に和奏と蒼介、
「え゛~~~ぇえ…???」

蒼介、
「えっ…???アズちゃん、どういう事…???家庭教師って…???」

杏美、口をぐんにゃりと。
「うん。なんか将輝君、気分すぐれなくって~、理沙に怒鳴る一方だったらしくって、その理由聞いたらぁ~~。」

将輝、いきなり赤面状態、体を縮こませる。いきなり畏まって。

その姿に蒼介、
「えっ…???」

杏美、
「中間試験の結果が…。」
強調するように、
「あ・ま・り・にも、酷かった。」

瞬間、その場がフリーズ。

数秒…。

蒼介、目をパチクリさせて…、
「えっ…???」

和奏、キッチンでトレイを胸に抱き、こちらも目をパチクリさせて…。いきなり、
「ぷっ。」

杏美、目を右に左に…。

蒼介、
「あ、あ~~~。」

和奏、
「くっ。」

蒼介、将輝の左肩を撫でて、
「まっ、まぁ~~。うん。」

和奏、思わず右手を口に、
「くっくくくくくく。」
そして、
「ん、んんんんん。」
今度は咳払いをするように、
「うん。うんうんうん。うん。笑っちゃ失礼だ。うん。…そか。…それでか。将輝君、気分…すぐれなかったんだ。」
けれども和奏、いきなり顔を傾げて、
「えっ…???…あれ…???…でもさぁ。そんな、試験の結果がって…。まっ、確かに…気になるけど…。…そんな気分…すぐれなくぅ~。…ん…???」

杏美、
「それが~~。中間試験。」
そこで杏美、両手で×。
「こぅなっちゃうと~~。このまんまだと~~、期末にも影響が…。」

蒼介、和奏、
「うんうん。」

「…と、なると~~。自動的に、バスケの試合、出れなくなっちゃうんだって~~。」

その話に蒼介と和奏、
「え゛~~~~ぇえ!!!!」

「…と、言う訳で、将輝君、完璧にアウト~~~。」

将輝、完璧に小さくなり、
「……。」

蒼介、
「試合に出れない。う~~わっ。そりゃストレスだわ~~。」

杏美、
「そこで、マリ~~と理沙に家庭教師。」

「はんはんはん。な~~るほど~~。あれ…???なんで…???アズちゃんは…???」

すぐさま杏美、右手を振って、
「いやいやいや。おじさん。私…、このふたりより、成績良いと…???」

信じて…良かった。   vol.125.   理沙、「ようやく、ここまで、来れた~~。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋