ドキドキ バッシュの音が体育館に響く。
週明けの月曜日の放課後、鴻上高校の男子バスケ部。

涼香、弓狩に、
「理沙さん、スポーツセンター、OKだったみたいですよ。」

その声に弓狩も、椅子に座ったままで、
「えぇ、そうですね~~。私のところにも、センター長から連絡が…。かかかかか。これから、楽しみになってきます…と。」

涼香、
「あらあら。」
そして涼香、
「ねぇ~~。事故を起こして、下半身不随。普通だったら、何もかもが嫌になっちゃうのに…。それでも理沙さん、あそこまで…。凄いファイトだわ。」

「スポーツの好きな人に、垣根はない。どんな人であっても…、仮に困難な事であっても、その困難を乗り越えるメンタルがあれば、いろんな可能性が広がってくる。」

涼香、
「そうですね~~。」

「そして、後は、それを信じる事。後々、それが、彼らには、信じて良かったと…、言える時が来る。」
「かか、監督、いつも、みんなに言ってますもんね。」

涼香の声に、まっすぐに動く部員を見ながら弓狩、
「今の時代、健常者のみならず、障害者でも、可能性を信じて…、そして、加えて言えば、その可能性が達成感に繋がった場合。しかも、その達成感が実に、競い合ってスポーツが出来る時代。いい時代です。」

涼香、息を吸って、
「えぇ…。」

理沙は、それ以降も日々、オンラインで授業に参加し、そして鴻上のバスケの部活に…。
リハビリも続けて、病院への定期通院。そして障害者スポーツセンター。
共に和奏と。時には蒼介も一緒に。当然ながら常に将輝も伴って。
そして庭のバスケットコートでは、毎回ではなかったが、将輝からの指導も…。

1か月が過ぎた。

負けず嫌いが功を奏したのか、わずかの1か月足らずで車椅子からのシュートも、
回数によっては、4割は入るようになった。

けれども将輝は、
「何やってんだよ~~。何回も言ってんだろ~~。ボード意識すんなよ~~。」

そんな将輝に、理沙、
「だって、ボード意識しないと入らないって気持ちになっちゃうんだもん。仕方ないでしょ。」

将輝にぷぃっとして。
「まぁ…、入れる…、ようにはなっては…来たよな~~。何回かに1本は。」

理沙、その声に、
「それ…、褒めてんの…???」

「褒めてんの…って…???」

理沙、そんな将輝の肩にボールを…。
将輝の肩にボールが当たって理沙の方に跳ね返る。

将輝、咄嗟に、
「痛て。」

跳ね返ったボールを両手で受け止めて理沙、将輝に、
「べぇ~~~。」

そんな理沙に将輝、顔をぐんにゃりとさせて、
「にゅ~~~。」

瞬間、理沙、
「かかかかか。」

椅子に座りながら将輝、その場でドリブル。
「やっぱ~~~。馨、連れてこよっか~~。その方が…おま…、理沙さん、いいんじゃねっ…。」

その声に理沙、
「えっ…???」

「あ、いや…。…つぅか…。フリースローも、スリーポイントも、俺より、馨の方が…。」

理沙、口を尖らせて、
「ふ~~~ん。いいんじゃない。」
ポールをポンポンと。
「教えられる自信が…ないんなら…。…私はいいよ、馨君でも…。」

将輝、いきなり右眉を歪めて、
「はぁ~~~ぁあ…???…自信がない~~???馬鹿にすんな。」

「いやいや。だ~~って、あんたから最初に言い始めたんでしょうが~~。…自信がないからそんな事、言うんでしょ。」

将輝、顔を雷神のように、
「自信、ねぇ訳ねぇだろ。監督からいつも言われてんだ。自信を持て。それを信じてたら、いつか、良かったって言える日が来るって。」
理沙を見てキッパリと言う将輝。

その将輝の顔に、一瞬たじろぐ理沙。

その理沙を見て今度は将輝、
「あっ。」
そして思わず頭を掻いて、
「あっ、いや…。」
そして将輝、リンクに顔を…。

理沙もリンクに…。
「自信を持て。それを信じてたら、いつか、良かったって言える日が来る…かぁ…。」

将輝、ふぃに理沙に振り向く、
「えっ…???」

理沙、
「うん…???ふん。いい言葉だなって…。」
それから理沙、
「弓狩監督ってさ。あんまり何も言わないじゃない。」

その声に将輝、
「あぁ。」

「スキンヘッドで、そして眼鏡掛けてて、髭はやして…。…で、殆ど、椅子に正座しているように…。」

その話にいきなり将輝、
「ぷっ。」

理沙、
「…だって、そうじゃない…???」

将輝、
「くくくく。あぁ。まぁ、そぅ。」

信じて…良かった。   vol.111.   「スポーツの好きな人に、垣根はない。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋