栞奈、
「あっ、そうだ、そうだ。ねね、理沙。」
そしてキッチンの母に、
「かあさんも~~。」
蒼介、
「ん~~。何、お姉ぇ…。」
和奏、キッチンから、
「どうした~~???」
栞奈、
「大学で友達とも話したんだけど~~。理沙、あんた、先生と相談して、オンライン授業、しなよ。学校、通えないんだから…。…もし…仮に…、授業に出れなくって、出席日数…。…けど、オンラインで授業受けて~~。それでなくとも、自身で勉強も進めて…。…で、結果、それ相応の成績、出れば、高校、卒業だって、出来るんじゃない…???…今の時代、IT…進んじゃってるから。ネットで語学のオンラインなんて…、ざらでしょ。」
その話に和奏、
「あっ、それっ!!!!」
そして和奏、
「うんうんうん。そうだよね~~。」
蒼介、腕組みしてソファに背中を…、
「な~~るほど~~。オンライン…かぁ~~。」
和奏、
「うんうんうん。」
蒼介、
「かかかか。バスケの事ばかりで…、そこまでは…、考えなかったなぁ~~。あんあんあん。」
理沙、
「オン…ライン…かぁ~~。…聞いたことは…あるけど…。」
そして顔を少し傾げて…。
「…けど…、実際、どうやってやんの…???お姉ぇ…。」
栞奈、
「か~~んたんよ~~。学校で、机の上にパソコン。カメラ付いてるでしょ。」
「う…、うん。」
いきなり理沙、頭を傾げて…。目をパチクリ、
「…って、パソコン…、私…、使ったこと…ないし…。」
瞬間、栞奈、
「あっ。そっか…。ウチで、パソコン使うのって、とうさんと私…だもんね。」
一拍置いて栞奈。
「…で、学校の。そのパソコンと、理沙の部屋のパソコンを繋いでのオンライン。理沙は、パソコンの画面で授業を受けるって方法。…もしかして…、黒板とかは…、見にくい状態かも…知れないけど…。先生の声と教室の雰囲気はマイクを通して聞こえてくるから。」
理沙、
「へぇ~~。そうなんだぁ~~。」
「…って、あんた、スマホでいつも動画見てるでしょ。」
「う、うん。」
「つまりはそれと同じ。」
和奏、
「うんうんうん。いいよね~~それ。」
そして和奏、
「さっすが~~お姉ぇ。いいトコに目が行く~~。」
けれども理沙、少し浮かない顔で…。
「でも~~。」
瞬間、蒼介、
「ん~~~???」
和奏も理沙を見て、
「…???」
理沙、
「また…、私の事で…、お金…。使っちゃう。」
口をへの字にして…。
その瞬間、蒼介、そして和奏、目を真ん丸く、そして口を尖らせて…。
栞奈は、そんな両親を見て…。
けれどもその瞬間、蒼介、和奏、同時に、
「ぷっ。」
「くっ。」
そしてふたり、同時に、
「か~~っかっかっかっか。」
「はっははははは。」
理沙、そんなふたりを見て、目をパチクリ、
「えっ…???」
蒼介、
「な~~にバかな事言ってんだよ~~。」
和奏、
「いやいやいや。やれやれやれ。」
理沙、
「おとうさん…???おかあさん…???」
「理沙の事で、お金…使う~~???」
蒼介。
「かかかかか。」
そして、
「上~~等じゃん。かかかか。じゃんじゃん、理沙の事で、お金…使いましょう~~。当然、お姉ぇのためにもねぇ~~。」
和奏も、
「あったりまえじゃん。あなたたちのためにお金使わないでどうするの~~。」
理沙、
「へっ…???」
「私のお腹を痛めて生まれてきた、あなたがたふたり。そのあなたたちを立派に育てて、しあわせな家族にする。それが私とお父さんの願いじゃん。それを叶えようとしてんの、おかあさんとおとうさん。」
蒼介、
「そういう事~~。…でなかったら、家だって、こんな風に直してないぞぉ~~。」
笑いながら…。
「俺とかあさんは、お前たちの、未来を見たい。しあわせな未来を見たい。ただそれだけに、生きている。」
そして蒼介、意地悪な顔で、
「理沙~~。また…、そんな事言ったら、おとうさん、怒るぞ。」
理沙、その声に口を真一文字にして…。
蒼介、
「とにかく。おとうさんとおかあさんに、お前の心配、させろ。どんどんさせろ。がっちり、受け止めてやる。」
その声に理沙、自然に目尻から涙が…、
「おとう…さん…。」
蒼介、
「おぅ。任せろ。」
信じて…良かった。vol.064. 「おとうさんとおかあさんに、お前の心配、させろ。どんどんさせろ。」
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※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋