ドキドキ 蒼介、
「な~~んか、とうさん、傷つく~~。」

栞奈、
「かかかかか。な~~に言ってんだか~~。美人のかあさんに超イケメンの男性だったら…、私…、非常~~に、困ります。」
食器を洗いながら…、
「けどさ~~。美人のかあさんに…、ものすんごい、超、バランスの良い、とうさんだからこそ、私も理沙も、しあわせなんじゃな~~い。ねぇ、かあさん。」

その声に和奏、いきなり手をパンと叩いて、
「良く言った。それでこそ、我が娘。」

そんな妻に蒼介、顔を妻の目の前に…。そして、顔を傾げて、
「褒められて…んのかな…???」

そんな夫に和奏、
「そう思って、よろしい。」
目を閉じて首をコクリと。そしてそんな夫の唇に、チュッ。

栞奈、
「…ったく~~。そうやって、良く、娘の前で、キスできるよ~~。」
そう言ってキッチンを出て廊下を行く栞奈。

和奏、そんな栞奈の声に、舌をチロリ。

理沙が入院して凡そ、2週間が経とうとしていた。

昼休み中の校長室。

校長の坂崎、
「ごめんなさいね、お昼休み中に…。いっき先生。」

その声に教頭の室越、
「ん…、ん…。校長。」

そんな室越を見て坂崎、舌をチロリ。
「…で、瑞樹さん…、その後、どんな感じ…???」

一樹、にこやかに、
「えぇ…、家族の話では、術後、経過は良好と言う事で…。本人も、相変わらず…。」
そこまで言って、思わず、口に左拳を…。
「んん…、失礼。本人も、変わりなく、元気で…。」

その声に坂崎、
「くく…。うんうん。そっ。良かった~~。…私も…、お見舞いに…行きたいんだけど…。」
チラリと室越の顔を見て…。

室越、
「校長…、何度も…申し上げておりますが…。生徒一個人に…。」

坂崎、
「…と、言う訳で…。」
そして坂崎、
「うん。ありがと。まっ、いっき先生に任せておけば…。」

また室越、
「校長…。」
僅かに下を向いて…。

坂崎、
「はいはい。じゃ…、私…、約束があるから…。」
バッグを持ちながらドアに…。そして一樹に、
「よろしく~~。」

一樹、そんな坂崎に一礼をして、
「行ってらっしゃいませ。」

ドアが閉まる。

途端に室越、体をへなりと…。一樹の肩に…。
「へぇ~~。」

一樹、
「かかかかか。教頭先生。いいじゃないですか~~。別に…私の事をいっきって言っても~~。生徒たちはみんな…。」

その声に室越、
「馬鹿言っちゃあいけませんよ。何処に誰が聞き耳、立てているか分かりませんからね~~。」
口を尖らせて。一樹を下から見上げるように…。そして、
「…それでなくとも、他の先生の前で、校長の口からいっき先生なんて出て見なさい。えこひいき。なんて事に成り兼ねませんから。中には、そういう先生もいるんですから…。」
険しい表情をさせて…。
「…それに。それにですよ。加えて言えば、校長と小、中、高の同級生なんですから。それだけでも、他の先生に知られたら…。真向に、えこひいき。」

一樹、
「いや…。いや…。それはまぁ…、仕方がありません。偶然が重なって。まぁ…、こういう…状況に…。」

そうなのである。実は、名城高校の学校長、坂崎与美(さかざきよしみ)。
出身は千葉県幕張出身。そして八倉一樹も同じく千葉県幕張出身。
小学、中学、高校と、同級生である。

「だからさ~~。いっきちゃ~~ん。他の先生に、その事…知られると…、僕の立場が…。僕の立場が…。」
左手で外した眼鏡。目元に右手甲を持って行って…、
「うっ…、うっ…。」

そんな室越に一樹、
「別に…、泣かなくとも…。教頭…。」
笑いながら一樹。

そんな一樹に、一樹の右二の腕をペンと叩いて室越、眼鏡を掛け直して、
「泣いてませんよぉ。」

一樹、笑顔で、
「はいはい。」
室越の左肩をトントンと叩いて。

そして一樹、自分の机に。
「さて…。飯、飯。」
机の一番下の引き出しからバッグを取り上げて…。中から弁当箱を…。

「うそっ。いっき先生っ!!!」
その瞬間、
「あっ。」
周りを見回して…。近くに誰もいない。
「八倉先生…、お弁当…???」
一樹の隣の机。2年A組担任の小宮山江梨子(こみやまえりこ)。歴史の教師である。

一樹、そんな小宮山に、
「え…、えぇ…。はは。珍しく…。」

信じて…良かった。   vol.011.   「良く言った。それでこそ、我が娘。」

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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。

※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋