ドキドキ 理沙、そんな母の声に…、
「…事故…。」

理沙、目が微妙に動く。そしてまた目を閉じる。

和奏、そんな理沙の左手を懸命に両手で撫でて、
「うんうん。怖いよね。うん。」
そして和奏、今度は理沙の左手をそのまま自分の右頬に…。
「うんうん。理沙~~。」
自然に頬を伝う涙。そしてそのまま和奏身を起こして、
今度は右手を伸ばして理沙の右頬を撫でる。

理沙、口を尖らせて…。そしてまた戻して…。今度は目を開ける。
けれども、その目はみるみる赤く。そして目尻から零れる涙。
「…こ…、こわがった…。こわがった…、おかあさん…。うっ。」

和奏、そんな理沙の右頬を撫でたままで、
「うんうん。うん。怖かったね~~。」
そして鼻水を啜って…。
「…けど…もぅ…、大丈夫だから…。おかあさん、目の前にいるから。そばにいるから…。」
和奏も目から溢れ出る涙。何度も頷いて、
「うんうん、もぅ…。」
唇を絞って、一度、理沙の右頬から左手を話して、鼻に…、鼻水を手の甲で拭って。
そして手の平で今度は零れ落ちる涙を拭って。
「うんうん。大丈夫、大丈夫だよ~~。おかあさんがいる。」
そして和奏、傍にする医師と看護師に…。首を僅かに振り向いたように…、
「す、すみません。」

そんな和奏に、首を振り、
「いいえ…。」

看護師は小さく頷いて。

ようやく落ち着いた和奏、理沙の左手を握りながら、
「アズちゃんが…、理沙にずっといてくれたの…。」

その声に理沙、僅かに左に顔を…、
「アズが…???」

和奏、目を閉じながら、ゆっくりと頷いて。

「そっか~~。」
そしてまた顔を戻して理沙、
「あのとき…。うん。アズと別れて…、すぐだったから…。」

その時、和奏、
「理沙。」
そして和奏、首を振って、
「ううん。…無理に思い出さなくっていいよ。うん。体に障る。」

その声に理沙、ゆっくりと頷いて…。

和奏、
「うんうん。大丈夫、大丈夫よ。」

その後、夕方には和奏から連絡を受けた蒼介。そして栞奈が病院に。
そして学校からも、和奏から連絡を受けた一樹と、杏美含め、部員や生徒たちが…。

杏美、目を覚ましている理沙を見て、
「理~~~沙~~~。わ~~~。」
涙を流して理沙に。

そんな杏美を見て理沙、
「アズ~~。」
ニッコリと。

一樹、
「いやいやいや。とにかく…意識が回復して、良かった~~。」

部員や生徒たち、
「いっき先生~~。」

一樹、
「うんうん。」

和奏、蒼介、そして栞奈、部員や女性たちを見て、
「いっき先生…???」

途端に杏美、チロリと舌を…。
一樹は顔を笑顔で歪めて…。

杏美、自分の左上に顔を上げて、
「俳優の沢村一樹と、名前が同じだから…。いっき先生。」

その瞬間、栞奈、
「あ~~~。な~~るほど~~。」
2、3度頷いて、
「そっか~~。」
そして栞奈、母親の和奏を見て…。

和奏、笑顔で顔を傾げる。理沙も舌をチロリ。

一樹、咄嗟に右手で頭を撫でて…。

蒼介、眉を歪めて、
「さわ…むら…いっき…???…誰だ…???」

いきなり右隣りの栞奈、そんな父親に、
「嘘~~~っ!!!」

そして部員や生徒たちが…その父親に目を…。

一樹、思わず、
「ぷっ。くくくく。」

蒼介、その視線に、
「あ、あ~~。いや…。すみません。」
頭を下げる。

「ぷっ。な~~んで、父さんが、謝んのよ。かかかか。」
笑いながら栞奈。

一樹、和奏に、
「あ、あの…、瑞樹さん…、警察からは…、何か…???」

その声に和奏、夫の蒼介を見て、
「あっ、いや…、いいえ…。」

理沙、
「アズ~~。ありがとね。アズが、私にずっと着いててくれたって聞いて。」

杏美、
「だ~~って、だって、だって、びっくりしたも~~ん、私が行ったら、理沙、道路に倒れてるんだも~~ん。…気づいたら、おっきな声で、助けて~~って、叫んでた。」
そしてまたチロリと舌を出して。

一樹、そんな杏美に、
「うん。よくやった、水森。」

「私たちもアズから聞いてび~~っくりだよ~~。」
雅美。

他のみんなも、
「うんうん。」
顔を見合わせて…。

理沙、
「ごめんね、みんな…。」

そんな理沙にみな、笑顔で首を振る。

「な~~に言ってんのよ~~。名~城の、名アタッカ~が~~。」
ニッコリと笑顔で…。石嶺麻理絵(いしみねまりえ)。バレー部のキャプテンである。

信じて…良かった。   vol.004.   「おかあさん、目の前にいるから。そばにいるから…。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋