そして恭弥、また腕組みして、
「参ったな、こりゃ。」
薫子、
「で…???…何…???…ただ…さって…???」
薫子のその声に恭弥、
「あっ。」
「何か…、言い掛けたけど…???」
恭弥、
「あっ、あ~~。ん~~。」
少し躊躇している恭弥に薫子、
「何よ、あなたから言い出して…。」
恭弥、思わず首の後ろを左手で撫でながら、
「実は…、さ。」
「うん。」
「多分、今日のパーティで…。」
「うん。」
「俺を誘ってくれた、綾篠常務…。」
「うん。」
「その人から茉祐子ちゃん、かなり…、気に入られた…かな~~。」
その声に薫子、いきなり目を丸く、
「うそ…。」
「ん~~。なんとも…インプレッション、ありあり…かな…と…。」
「わ~~お。」
「…でね…。」
そしてまた恭弥、ビールを一口。
「なんと。」
薫子、少し眉を歪めて、
「ん~~???」
「その…綾篠…常務が…。」
「うん。」
「俺と…、茉祐子ちゃん…。」
「うん。」
「結婚しちゃえばいいんじゃない…。な~~んて…。話が…。」
間髪入れずに薫子、
「ぷっ。」
けれども、すぐに、
「えっ…???…あんた…今、何て言った…???」
そんな薫子に恭弥、
「えっ…???…いや…。だから…。俺と…、茉祐子ちゃん…、結婚しちゃえば…。」
いきなり薫子、両手をパン、
「それだっ!!!」
瞬間、恭弥、
「えっ…???」
薫子、いきなり、クシャリとさせて顔で…、そして顔を捻って、
「んもぅ~~。私も…、んもぅ~~。バカ。」
恭弥、そんな薫子を見て、
「はっ…???…ね、姉さん…???」
「あ~~ん、もぅ~~。そぅそぅそぅ。恭弥、その手があった~~~。あ~~んもぅ、私ったら…、これぞ、灯台下暗しじゃな~~い。」
「はっ…???」
薫子、テーブルに両手を付いて。
「ねね、恭弥。」
恭弥、薫子の顔を不可思議な顔で…、
「…ん…???」
「実は…。」
「うん。」
そして薫子、今までの事、凛久との事を恭弥に話し始める。
話しを聞きながら恭弥、目を真ん丸に、
「へぇ~~~。」
腕組みをして…。
「わ~~お。なんと…。」
凡そ15分程度、今までの経緯を薫子、恭弥に話して、
「そういう…訳で…。現在に至るって訳。」
恭弥、
「いやいやいや。まさか…、霧島さん、茉祐子ちゃんも好きだったって…。…で、結局は…、茉祐子ちゃん。」
「うんうんうん。…私は…茉祐子を悲しませたくない。…で、今…。…でも、私個人としては、何とか茉祐子にもしあわせになってもらいたい。私にとっては…。ううん…。確かに、私には子供はいない。…けど…、私にとっては、茉祐子は大切な…実の子同然。…だから…。」
そこまで言って薫子、
「あ~~ん、もぅ…。私…、なんでこんな事、気付かない~~。私が恭弥とは血が繋がっていなくとも、姉、弟同然。だから、つい、あんたと茉祐子も兄、妹的に考えてて…。考えてみれば、血…、繋がってないんだもん。そっか~~~。」
そんな話に恭弥、いきなり両掌を薫子に、
「ちょっ、ちょっと…、姉さん。」
薫子、
「いいじゃん、あんた。恭弥。茉祐子と、結婚。」
恭弥、いきなり首を振って、
「いやいやいやいや。姉さん。話しが突飛過ぎ…。」
そんな恭弥に薫子、顔を傾げて、
「へっ…???じゃ何…???あんた、恭弥。茉祐子の事…、嫌いって…???」
慌てる恭弥、
「いやいやいや。嫌いって…。…んな訳ないじゃん。好きだよ、俺だって、茉祐子ちゃん。」
「んじゃ、問題ないじゃん。」
「いやいやいや。問題ないって。そんな…、いきなり…。」
薫子、いきなりニコニコしながら、
「うんうんうん。良い、良い。そうだ、そうだ。こういうの…、ありだわ。かかかかか。うんうんうん。」
何とも気持ちが複雑になり始めてくる恭弥、
「ん~~~。え~~~。な…、なんで…。」
薫子はルンルン気分で、
「じゃ、私、寝るから。ニッシッシッシ。チャオ~~。」
椅子から立ち上がる薫子。
そんな薫子に恭弥、しかめっ面になり、
「ふ~~~ん。」
そして寝室に向かう薫子。
恭弥、口をぐんにゃりと、
「な~~にが、チャオ。…って言うか~~。」
恭弥、脚を真っすぐに伸ばして。テーブルに両腕も伸ばして。頭を後ろにダラン。
「何が、どうなってる~~。」
薫子と茉祐子~その愛~ vol.248. いきなり薫子、両手をパン、「それだっ!!!」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋