ドキドキ 「そっか~~。」
侑里、
「まっ、とにかく…信じられないような…話では…、あるけど…。ふたりで…、同じ夢~~。」

茉祐子、
「……。」

「…で、肝心の…、成宮先生も…霧島君の事…。」

侑里の顔を、口を噤んで見ている茉祐子。

侑里、
「ごめんね、こんな事…。本当は…霧島君から茉祐子さんに話さなきゃならないん…だけど…。まっ、成り行きで…、私から話す事に…。…って言うか…。逆に…、私が思うに…、いずれは…、いつかは知る事になる…。ただ、その時の状況は…、私も分からないけど…。何かの切っ掛けで…。もしかしたら…、仕事の件で。ポツリとその話が出るかも…。…で、なければ…、もしかしたら…成宮先生から…直接…。」
そこまで言って侑里…。けれども顔を斜めに…。
「ん~~、でも…、それは有り得ない…っか…。」

途端に茉祐子、
「えっ…???」

侑里、頭をコクリと、
「うん。それは…、有り得ないな…。」

「どう…して…???」

そんな茉祐子の声に侑里、
「うん。実は…、成宮先生…、茉祐子さんが霧島君の事、好きだって…もぅ…、霧島君から聞いているのよ。」

瞬間、茉祐子、
「うそ。」

「ううん…。」
首を振って侑里、
「知ってる。」

「…えっ…???…あっ、いや…。…でも、おかあさん…私には…何も…。」

いきなり侑里、
「くくくくく。」
笑って…。けれども、
「あっ、ごめん。…当然、娘の茉祐子さんには、先生…、そりゃ、言わないでしょう~~。私も霧島さんの事が好き。な~~んて…。…大の大人が、娘と恋敵とで張り合うなんて、有り得るはずがない。逆に、自分から身を引くでしょう。」

茉祐子、その声に、
「あっ、あ~~。」

侑里、テーブルに両肘を就いて右手の平に左手を乗せて、その上に顎を…。
「うん。…でね。茉祐子さんに、先生が霧島君の事、何も言わないって事…。」

茉祐子、噤んでいた口を開いて、
「……。」

「先生、霧島君に言ったんですって…。霧島君が先生の事好きですって言ったときに…。」

茉祐子、また口を噤んで…。

「先生…。私も霧島さんの事、好き。…だった…。って…。」

「好き…だった…。…へっ…???過去形…。」
目をパチリと…。

そんな茉祐子に侑里、
「うん。過去形…。」

「えっ…???えっ…???」

侑里、少し顔を傾けて…、
「先生…、霧島君から…、茉祐子さんが霧島君の事、好きって言われた時、本人、霧島君の事を好きなんだけど…、それ以上に好きになること…。やめたんですって。」

「好きになるの…やめた…???」
眉を歪めて茉祐子。

侑里、口を尖らせて、そして、首をコクリと…、
「うん。好きになるの、やめた。」

「えっ…???えぇ…???…どうして…???」

侑里、
「私…、さっき言ったでしょ、先生…、自分から身を引くでしょうって…。」

瞬間、茉祐子、
「あっ。あ~~~。」

「茉祐子…さん。人を好きになるって…。もし…、仲の良い姉と妹がいたとする。そんな姉と妹が同時に好きになった人が同じ人。…でも、その姉と妹は、まさか、自分たちが同じ男性を好きになった事は知らない。…そして、付け加えるけど…、好きになった男性はお姉さんよりも2つ年下。姉と妹は4歳違い。どっちがその人としあわせになってもらいたい…???」

茉祐子、その話に、
「え…っと~~。」

「ただ、ここでひとつ。妹の方は男性に猛アタック。姉の方は、男性には今までどおりのお付き合い。…男性、猛アタックされて、妹の方とは、しょっちゅう会っている。けれど、姉の方とも…今、言ったけど…今まで通り。」

茉祐子、そんな侑里の話をただ、黙って…。

「けど…、いずれは姉と妹も、自分たちは同じ人を好きになっていると言う事に気付く。…そして…、結局は姉と妹、喧嘩しちゃうんだよね~~。好きになった人の事で揉めて…。」

茉祐子、
「……。」

「でも…やがて、お姉さんの方がその男性の人、諦めちゃうんだ。妹の事を大切にして欲しいって…。好きな人をふたりで揉めて妹とこれ以上、姉妹喧嘩したくないって…。その事、男性に言って、妹をその男性に託す。」
侑里、今度は右手で頬杖を突きながら…、
「やがて…、その事を妹は、男性から聞かされて初めて知ることになる。」

薫子と茉祐子~その愛~   vol.228.   「…大の大人が、娘と恋敵とで張り合うなんて…。」

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※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋