私が3歳の時、母方の祖母が私の子守をする為に大阪に来てくれた。
9歳まで共に暮らしたから、両親が共働きでも、祖母がいてくれた時期は学校からかえると、おやつにふかし芋や出来立ての煮物があり、おばちゃんと一緒にいるのが楽しくて嬉しくて仕方無かった。
お腹が空いたと言えば、必ず祖母はおにぎりを作ってくれた。

それから引っ越しなどあり、私は中2から鍵っ子になった。
とは言え、部活で帰宅は7時頃であったし、鍵っ子とは言え私が先に帰るか親が先かという事もあったし、帰宅したらまずシャワーを浴びてドロドロのジャージを脱ぎたかったから、寂しいなんて思った事など一度も無い。

たまに母がおにぎりを作って置いてくれていた。
これがたまらなく疲労し空腹な体を癒やしてくれた。
今も気持ちが落ちると、私はおにぎりを大量に作って食べる。
あの海苔の味が薬のように気持ちを落ち着かせてくれる。

数日前、私はおにぎりがまた食べたくなった。
あまりのおにぎり食べたさに、今日は米3合くらい食べれんのちゃうかなと思い、米を3合炊いたが、案の定炊きすぎた。
その炊きたてに、ゆかりを混ぜておにぎりを作り、焼き海苔で巻いて食べたが2個で腹が膨れてしまったから、そのままラップをかけて置いといた。

夕方、娘が学校から帰宅しキッチンにあるおにぎりを見つけた。
「これ食べてエエの!?」と聞いたからエエよと答えた。
娘がおにぎりを食べる様子を見ながら、「ケーキもあるけど、これでエエの?」と聞くと「おにぎりがエエ」と答えた。
私はその姿を見て、かつての自分を見るような気がして、時代が戻ったような錯覚を覚えた。

娘が「私が小さい時、よくおにぎり作ってくれたのに、何で最近作ってくれへんの?」と聞いた。
数年前、娘に持たせる日本風弁当の事で娘に複雑な思いをさせてしまい、以来なんとなく遠ざかってしまいがちになっていたのかも知れない。
あえて作らなかった理由もないが、おにぎりのおやつであんなに娘が喜ぶとも知らなかった。
私にとって、おにぎりは祖母と母に繋がるが、今の時代もそれは同じなのかも知れないと思った。
いろいろ手に入らないものが多いが、幸い米と海苔だけは手に入る。
胸を張っておにぎりを作ってやろうと思う。

Source: イギリス毒舌日記