この4月から入って来た社員の女の子がいる。
前はディズニーランドで働いていただけに、子供や親に対する話し方と声のボリュームがまさにアトラクションにいるお姉さんのような身振り手振りで、最初はそんなシャカリキ元気みたいなタイプの彼女を皆は引いて見ていた。
今もあまり受け入れられていないが、客には絶対に好かれていると思う。
あの声が感に触ると、ベテラン組が愚痴を言うてくる。
分からんでも無い。
しかし、あの子はうちに必要である。
何せイギリスにおいて、あの対応ができる子など見たことが無い。

私など客から「2万以上も買ったのに袋台の20円をタダに出来ないオマエは無能だ」と言われたら「アイムソーリー…ルールですので」と無表情に良い、はよ帰れと言わんばかりの無愛想で対応するが、彼女など、キャハ!!っと笑い、ちゃんと会話をしながら客の愚痴を聞く。
若いのに偉いわ、接客業の見本みたいな子やなと思うのである。

そんな今日、おじいちゃんが客で来た。
おじいちゃんは良い。
何せ私の歳でも、ジジイからしたら若い女であるから、終始笑顔で機嫌よく買い物してくれるところが良い。
レジでちょっと世間話をし、バーイ!!と言って帰って行く姿に嬉しくなる事がある。
今日もそうだった。
ハンチング帽にサスペンダー、リーバイスのデニムをはいたお洒落なおじいちゃんである。
おじいちゃんがバーイと手を振り帰った後、横にいた彼女が「カワイイね、おじいちゃんは」と言った。

私は思わず「あんたもそう思う?」と聞いてしまった。
私は「それと対照的なんが、金髪の子連れ女やわ」と口にしてしまった。
入ってくる前から戦闘モードでイラついており、攻撃的、言わなくて良い一言を吐いて店を出ていく。
イギリスで働き始めた頃、子連れ金髪女がマジで怖かったと私が話すと、「全く同感」と彼女が言った。

スコットランド出身の彼女は「私の偏見やけど、スコットランドはそれは無いねん。イングランドの金髪子連れ女は、何故かほんまに偉そう」と言った。
分かるわ〜と思い、思わず2人で爆笑してしまった。
こんな毒を吐く一面もあるのかと知ると、やはり人間らしさが見えて親近感を持てた。

未だ彼女を好きになれないとベテランバイト組みは口にするが、私は真面目に働くだけでもあんたらよりマシやでと思っている。
そんな彼女の知られざるもう一つの一面、それは高校生の時、聖地ブラックプールで開催される社交ダンスの大会で、何と優勝していたという事である。
ああ‥せやからあんな姿勢エエのんや…
奥が深い人である。
皆が彼女を好きになってくれれば良いのであるが…
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Source: イギリス毒舌日記