2ヶ月ほど前に、息子がサッカークラブに入った。
もう2年前から入りたいと訴えていたのであるが、週末私は確実に仕事で、金曜日の夕方から夜7時半までの練習の送り迎えに加え、9月から夏まではシーズンに入り毎週試合に連れて行かねばならないのは大変であるから、正直面倒くさいと話をはぐらかして来たが、いよいよ息子も諦めずに言うてくるので、お試しで行ったらヤル気満々になり、結局送り迎え地獄が1つふえてしもた。

サッカークラブにいる8割の子供は息子のクラスメイトである。が、たまたまかも知らんが、全員クラスメイトの問題児である事に私は驚きながらも、息子が嫌なら行きたがらないはずで、しばらく様子を見ることにして来た。

小学校に入った時から特に暴力的な子供が3人おり、この子達の素行が改善されない事に被害者の保護者達は今も憤慨しており、私も息子が何度となく被害を受けてきたから非常によく分かる。
そんな中でのサッカークラブで、私はこの2ヶ月練習をしっかり見てきた。
日頃暴力的な3人は強気故に攻めるプレーを見せながらも、コーチの言う事はちゃんと聞く。
また新入りの息子に対して過保護な程にフォローを入れる。
まだルールさえ分かっていない息子に対し、練習後は子供達が良くやったと口々に声をかけてくれる。
学校で見る無法地帯のような素行ではなく、選手として見ると非常に丁寧であり、配慮と気配り、そしてサッカーに対する情熱がある。

そんな子供達であるから、私も務めてその問題児達の親とは関わって来なかった。
がしかし、サッカークラブに入り送り迎えがある以上、絶対に少人数の中で言葉を交わす機会が嫌でもあるわけである。
そうした中で先週からリーグが始まった。
息子はベンチのおもり役ながら、その保護者のお母さんから「これから寒い時期に入りベンチで待機は寒過ぎるから、スポーツショップに行って中に着る長袖とレギンス、手袋を買って着せてあげたほうが良いよ」というアドバイスを頂いた。
その日の夕方、たまたまそのお母さんと公園でバッタリ会い、しばらく話す事になった。

子供達と全力で鬼ごっこをする姿を見て、私はこのお母さんと問題児やと言われている彼らに対し、偏見を持っていたかも知れないと思った。
公園にいてもスマホばかり見ている親が多い中で、鬼ごっこを一緒にするお母さんを初めて見たかも知れない。

30分ほど話し、何と翌日も同じ公園でバッタリ会った。
翌日は祖父母が子供達を連れてきていて、私は1時間ほどお婆ちゃんと話した。
このお婆ちゃんも日頃は学校の校門の前でタバコをふかしている姿をよく見るだけに、何となく偏見で見られているが、私はお婆ちゃんが孫に話すときの様子や一緒に鬼ごっこをする姿を見て、やはり私はこの人達の何をも知らずに決めつけていたのだと思った。
リバプールから2年前にカーライルに来たこと、色んな話を聞く中で、下の子に障害の疑いがある事、まだ幼く判定がでていないものの、暴力的で行き過ぎる時があるゆえ、クラスメイトに迷惑をかけてしまうことなどの苦悩を話してくれた。

私の周りから聞く話は母親が離婚して新たに彼氏がいるから子供の素行が悪く、先生が言っても悪びれた様子もないという話であったが、サッカークラブの先生とのやり取りを見ていると、熱心に聞き、プレー中にカッとなった際など、かなりキツく注意している様子が頻繁にある。
これも学校だけの様子からは見れなかったが、私はサッカークラブに入ったことで、全く違った親の部分と彼らの様子が見れたことにより、一面だけでは見ているとは言えない事を今回学んだ。

私の事も日本人である事を知ってもらえたし、言葉の自信の無さ故にあまり自分から話しかけて行かない事など話した事で、私を少しは理解してもらえたと思う。
お婆ちゃんから、「英語が話せない人かと思ってたのよ、でも問題無しじゃない、安心したわ。これからも宜しくね」と言われた。

避けてきたサッカーであったけれど、実のところ私にとって1番の転機だったのでは無いかと思う。
また一人、話せる人が増えた秋である。
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Source: イギリス毒舌日記