ドキドキ  「んもぅ~~、あの鈍感野郎~~。」
ぷ~たれた顔で事務局に入ってきた穂成美。

デスクワークをしていた薫子。電話で話中の恵津子。
薫子、穂成美を見て、首を傾げながら、
「どうしたの~~???」

ドカッと自分の椅子に座って、右手に持った缶コーヒーを一口。穂成美、
「駐車場で、教室の車の洗車をしてたの、あいつ。」

「あいつって…、もしかして…、健匠君…???」

電話が終わっての恵津子も、その声に、
「???」

「あんの馬鹿~~。」

薫子、
「えへ~~???」

「車…洗い終わって、今度は濡れてるとこ、拭くじゃない…???」
「ふん。」

「私…、手伝おうとして拭いてたの、窓とか…。」

薫子、恵津子を見ながら、
「ふん。…それで…???」

「あいつも、洗い終わって、車拭いたんだけど…。」

薫子、また、
「ふん。」

「私もあいつも、車ばかり見て拭いてたから、途中で、あいつのお尻と私のお尻がドン。」

薫子、その瞬間、
「ぷっ。」

そのせいで私…、前につんのめって…。もう少しで転びそうに…。

「おぅおぅ。」
「そんとき、いきなり体が上に…。」

「おぅ~~。」
「あいつに、体…掴まれた。」

薫子、
「へぇ~~。」

「私…、びっくりしちゃって、掴まれたままで、あいつに振り返って…。ごめん。びっくり…。ありがと。…って…。」

薫子、にっこりと、
「あんあん。」

「あいつの…顔に、近づき過ぎて…。」
「あんあん。」

「私…、瞬間…、顔…赤くなった…。」
「かか。うんうん。」

「そしたら、あいつ、何したと思う…???」
むかついた顔をして穂成美。

薫子、
「え…、えっ…???」
困ったような顔で…。恵津子も口を尖らせて、そして今度は真一文字に、
「ん~~ん~???」

穂成美、
「てっきり、大丈夫か~~。あっぶね~~。くらい…言ってくれるのかと…思ったの。」

薫子、困ったように、
「ふん…。」

「いきなり頭から顔に、車を拭くタオル、掛けられたっ。」

瞬間、恵津子、
「ぶっ!!!!」

薫子、思わず目をパチパチと…。
「あっちゃ~~。」

穂成美、プンプンとさせながら、
「…で、ハッキリと。邪魔だっつぅの。」

薫子、口を大きく開けて、
「……。」

恵津子、
「あらあらあら。…仲が、およろしいようで…。」
そう言いながら席を立ち、
「トイレ~~。」

薫子は、思わず唇をすぼめてそこから息を吸うように…。

穂成美、
「もぅっ!!!」
コーヒーをまた一口、そして机にその缶コーヒーをデン。
その瞬間、缶の中身のコーヒーが飛び出て、机の上のラバーに。
「わっ。書類っ!!!お~~っと~~。ラバーで助かった~~。」
けれども、
「あったま来る~~。」

薫子、
「…で、その…缶コーヒー???」

穂成美、
「洗車終わったら、後で飲もうかと思って、2つ買っておいたの。」

「…で…???…あと…ひとつは…???」

穂成美、その瞬間、
「あっ。」

薫子、瞬間、
「かかかかか。ごちそうさま~~。」

その声に穂成美、
「えっ…???えっ…???…なんで、なんで~~???」

恵津子、ドアから、
「健匠君、車、洗い終わったようで、車に凭れて缶コーヒー飲んでるよ~~。」

そんな恵津子の声に薫子、
「へぇ~~~。」
そして穂成美を見て、
「だってさ~~~。」

穂成美、まだ怒りが収まらない様子。
「ふん。」

薫子、
「あらあら。」

穂成美、腕組みして、
「あんにゃろ~~。」

机の上の薫子のスマホに着電。
「あら。霧島さん。」

穂成美、
「あ~~。ナターシャの…???…あのかっこいい編集者さん…???」

薫子、
「ふ~~ん…???かかかか、かっこいいか…。言っとく~~。」
そして、
「はい。成宮です。お世話様です。」

スマホの向こう、
「お世話様です。ナターシャの霧島です~~。実は~~。」

凛久からの話を聞きながら薫子、
「え~~。はいはい。うん。大丈夫ですよ~~。事務局長には私の方から~~。…はい。お待ちしておりま~~す。」

穂成美、
「先生…、何か…???」

「あ~~うん。教室、見学したいんですって…。」
薫子。

「へっ…???教室、見学したいって…、雑誌の特集で…???」
「違う、違う、霧島さんじゃなくって…、別の~~。」

穂成美、
「別の~~???」

薫子と茉祐子~その愛~    vol.46.   「んもぅ~~、あの鈍感野郎~~。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋