職場での事。
小学生の子供2人を連れた夫婦が返品にやって来た。
購入したのは11月2日であった。
買ったが使用せず子供が成長したので返品したいと来た。
通常、返品可能期間は28日であるが、最初のロックダウン時に100日に変更した。
去年12月26日に再びロックダウンで店舗が閉まり、今年4月12日に再開した際、既に100日は過ぎていても5月12日までなら100日を過ぎていても全額返金可能と本社が決定。
店を再開するや否や返品の嵐であったが、2週間ほどでピタリとそれも止まった。
体調などの問題でどうしても間に合わないお客様などは、わざわざ店舗に電話をくれ、100日過ぎるけれども必ずこの日に行きますからと連絡してくれていた方もおり、その場合はOKとした。

そんな中、11月に買った商品の返品に来た家族連れ、対応したのは法学部に通う学生バイトの女の子Mで、今年9月から就職が決まっている。
当然ながら上記期限を過ぎているので返品不可と答えたが、母親の方が「そんな話おかしいわ!ロックダウンだったんだから来れるはず無いじゃない!」と言った。
Mは「しかし4月12日に店舗は再開していますので、返品希望のお客様は皆4月中に返品に来られました」と答えたが、母親は「うちの町は4月12日になっても町そのものから出たら罰せられるというルールになっていた」と言った。

そこから夫が怒鳴り出し、子供の前でFワードを連呼。
夫婦でバイトMに「良い加減な事言うんじゃないよ」と言い出し、Mは泣き出した。
「こんな人前で泣きやがって、まるで私達夫婦が悪いみたいに見える演技をするな」と言い、Mはその日の責任者Hを呼びに来た。
ちょうど私とHが裏で在庫の話をしていた為、Mが泣きながら来て驚いた。

私は「アカンもんはアカン。会社の決めたポリシーやねんから怒鳴り勝ちさせたらアカン。その自治体のルールというのなら、住んでいる地域を聞き。警察に連絡して本当にそいうルールがその自治体にあったか調べ、その上で本当に罰せられていたという事実があるのなら、OKにしますとまず言うたら?」とHに言った。
激怒している夫婦にHが自治体名を聞いたが「あんたらに調べようがない。もう今は解除されているんだから」と教えなかった。
その後15分ほどモメていたが結局、激怒したまま客は帰った。

その客が帰った後、相変わらず店内は忙しく、しかしふと見まわすとMとHの姿が店内に無い。
裏に行き、スタッフルームを覗くと2人とも恐怖とショックで泣いていた。
言われた暴言と夫婦の凄味、威圧感が後から襲って来たのであろう。
私はチームリーダーになったばかりの24歳のHに「よう頑張ったな。あそこまでしっかり対応出来たら、部下からの信頼もしっかりついて来るから。強いリーダーは部下に信頼される。よう頑張った」と声をかけた。
Hは再び泣いた。

今後いつか店長になっていくHには、この経験は必要である。
経験を積み重ね、強い対応が出来るようになる。
私だってそうである。
とてもじゃないが対応しきれない患者に戸惑い、主任に一緒に入ってもらって話をしてもらった事も何度もあった。
そうしてその言い方、対応の仕方を身に着け、いつしか最強の責任者になっていくのである。
どんな患者も無で対応できるようになる。
それは経験で積んでいくしかない。

「Mはこの経験がトラウマにならねば良いけど・・」と他のバイトの子達は言ったが、今後弁護士の仕事をしていく上でMにはもっと厄介な人と人とのやり取りが待っている。
立ち向かった事をまずは褒める、ババアの私にはそれしか出来ないが、しかしあの夫婦は子供の前で店員を泣かせ、罵り、どういう心境で言うてんのかと思う昨日であった。
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Source: イギリス毒舌日記