ドキドキ 「私もまさか…、あんな形で、わが社が…。けれども、社外からも…、あれほど…。」
舘林、
「こころから…、ありがとう。」
ふたりに頭を下げて…。

奈都美、
「そ…、そんな…。」
困ったような笑顔で…、
「それに…実際…、ネットを利用して、SNS駆使してやったのは…。」
伸永に手を添えて、
「尾田君…ですから…。私なんて…、ただ…、傍で見てただけで…。」

舘林、
「ほぅ~~。君が…。」

恵麻、にっこりと、
「ふふん。いいコンビだって…、瀧澤からも…聞いてますけど…。」

奈都美、素直に、喜んで、
「ありがとうございます。」

舘林、恵麻を見て頷いて…。

恵麻、近くのウェイターに、
「じゃ…、お願い。」

ウェイター、
「畏まりました。」

「退院早々で…、私は…酒の方は…。申し訳ないが…。」

テーブルに用意された料理と飲み物。

恵麻、
「では…、デランナ、新しい門出に。乾杯。」

みな一斉に…、
「乾杯。」

食事が進み、そしてお酒も入り、かつてのデランナとの…経緯を話して聞かせる奈都美と伸永。

帰りの電車の中、ふたり共に、つり革に捕まって…。

伸永、奈都美の傍で、
「しっかし…。あらためて…、ですけど…。」

奈都美、
「うん。」

「まさか…、こんな短い期間に、フレンチ…フルコース。それに、イタリアンもフルコース。僕…、生まれてこの方…初めてですよ。」

「うんうんうん。私も…。」
奈都美。
そして伸永の顔を見て、
「ノブ…。」

伸永、
「はい…。」

すると奈都美、バッグを右肘に掛けて、
そして右拳で伸永のお腹を、チョンチョンチョン。
「カッコよかったぞっ。」

食事中に舘林に話して聞かせた、外部からのSNS攻撃について、
以前に奈都美に話した事を、新たにアレンジを加えて話したのだった。

舘林も、
「まさか…、そういうことができること自体、大したものだ。これからも…よろしく頼む。はっはははは。」

奈都美からお腹を責められて伸永、
「くすぐったいですよ~~。」

奈都美、
「かっかかかか。」
そして少し、目を潤ませて。
「うれしかった…。」
そして、伸永から目を背けて…。
「ありがとね…。ノブ…。」

そして先に、奈都美の最寄り駅…。

奈都美、
「じゃね…。」

伸永から離れる奈都美。伸永に左手を振りながら…。

その時、
「あっ、七瀬さん…。」
ドアに向かう奈都美に…。

奈都美、
「うん…???」

「家まで…、送ります。」
「えっ…???」

「送らせて…ください。」

思わずキョトンとして奈都美、そして、頷いて、
「ふん。いいけど…。」

駅を出るふたり。黙ったままで…。

奈都美、
「すっかり、暗くなっちゃったか…。」

伸永、
「えぇ…。」

歩きながら…。

伸永、
「七瀬さん…。」

奈都美、
「ふん…???」

「今日…、僕…、翔さんに、話したんです。」

「えっ…???」
伸永を見て奈都美。

「七瀬さんを悲しませないでって言ったじゃないですかって…。」
「ノブ…。」

「前に…、翔さんの部屋に行ったとき…、僕…、翔さんに言ったんです。七瀬さんを悲しませないでって…。けど…。」

奈都美、
「……。」

「翔さん…。加瀬さんの事…、断れないって…。」
そして、一呼吸おいて、
「翔さん…。七瀬さんが…遠くになっているって…。」

「ノブ…。」

伸永、
「もぅ…、七瀬さんと翔さん…、前みたいには…。」

その声に奈都美、応えることができずに…。

伸永、
「七瀬…さん。」

数秒、黙って歩いて奈都美。そして、ポツリと、
「もう……、無理だよ。…遠くに行っちゃったよ、翔。」

「七瀬…さん…。」

目尻から零れる涙の奈都美。けれども、前を向いて、そして、伸永の顔を見て、
「へへ…。」
そして、
「…けど…。」
伸永に涙目のまま、
「けど…、私。…傍にいてくれて、ほっとけない人が…見つかったから…。できたから…。今度はその人を好きになる。」

その声に伸永、
「えっ…???」

「そいつってさ。とにかく、とんでもなく、活気がなくって、おとなしくって。おろおろしてて。…ふざけてんのか、こらっ。…って、言える人なんだ。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋