ドキドキ 奈都美、駅構内を歩きながら、どこをどう歩いているのか分からなかった。
頭の中には、今までの事が甦っていた。
ホームに立つと、数秒で電車が、必然的にその電車に乗り込む奈都美。
ゆっくりと動き出す電車。

ようやくホームに立ち、寸でのところで間に合わなかった電車、
「間に合わなかったか…。」
そして右側を過ぎ去る電車の中に、つり革に捕まっている奈都美を見て翔、
「ナツ…。」
後ろを振り向きながら、
「あいつ…、今まで…。」

また新しい一日が始まる。
いつもと変わらないお昼休み。奈都美と伸永、そして葉月。
翔は相変わらずコンビニ弁当。

内海、お茶を入れたマグカップを持って翔の後ろを…。
「しっかし…、旨そうだよな、コンビニ弁当も…。」

翔、そんな内海に、
「えへ~~???」

内海、
「なぁ~~。蔵之介~~~。」

その声に康、
「ですよね~~。僕も…たま~~には…。いいかな…。な~~んつって…。」

内海、そんな康に右手を振りながら、
「よせよせ。愛妻弁当。朝早くから…作ってもらってんだろ。バチが当たる。かかか。カミさん、ある意味、毎日の弁当作りだって、楽しいんだから…。その時間を…、奪っちゃ~いけない。」
そして、
「そのうち…、翔~~。七瀬の手作り弁当なんて…。」

その瞬間、翔、目を止めて、唇を尖らせて…、
「……。」

その時、いそいそと商品企画開発部に入ってきた勇喜雄。

康、
「ムラさん。どうしたの…???」

勇喜雄、
「あっ、いやね…。今朝…、カミさん、子供たちの遠足の弁当作りで、俺の弁当作れず仕舞いで…。…後で、会社に届けるって…。…で、今…???」

目を真ん丸に康、
「ひぇ~~~。凄ぇぇぇぇ。…で、わざわざ届けてくれたんだ。弁当…。」

勇喜雄、照れながら、
「えっ。まぁ…。はははは。」
そして、その弁当を開けてみると、勇喜雄、目をパチクリと。

康、
「なになになに。」

そして勇喜雄の弁当を見て、
「凄ぇぇぇぇぇ~~。課長、課長、ムラさんの弁当…。」

内海、
「どれどれ…。」
そして、
「いやいやいや。うんうんうん。確かに。こりゃこりゃ、愛情~~籠ってんね~~。」

勇喜雄、頭を掻いて、
「参ったな~~。」

瀧澤と靖子はこの時間、いつもの洋食屋さん。
お喋りをしながら昼食を楽しんでいる。

そして午後…。またそれぞれの仕事を…。

康、
「ヨシ。課長、米倉ハウス、行ってきます。」

内海、
「おぅ。」
そして、
「翔~~。アレフーズ。時間…大丈夫か~~。」

翔、
「あ~。はい。これからで~~す。」
そして、伸永の肩に、
「んじゃ、行ってくる。」

伸永、
「行ってらっしゃ~~い。」

それから2時間後、伸永、
「ヨシ、できた。七瀬さん。」

奈都美、
「OK。課長~~。インスタンベル。」

内海、
「おぅ~~。頼んだ~~。」

そして3日後…。

「ん~~~。」
腕組みしながら内海。そして右手人差し指を立てて唇に。
「…確かに…、意外な…展開…。」

そんな内海の感じに、うっすらと気づき始めた人物もここにひとり。
靖子である。
「どうなってる…、あのふたり…???」

剛輔、
「ふ~~ん。最近…、翔…見ねぇな~~。」

美玖、
「ですよね~~。なんか…あったのかな~~。」

「あいつ…、都も…な~~んにも、言わねぇし…。」
「こっちから…訊くのも…。」

「ん…、まぁ…。客の事は…。…とは言っても…。気になる…けど…。わざわざ、奈留ちゃんに…訊くわけにも…。」
その瞬間、剛輔、
「まさか…。」

美玖、
「ふん…???なに…、まさかって…???」

「いや…。はは。まさか…。」
剛輔、笑いながら…。

更に、それから2週間。

アレフーズ東京、既に新事業立ち上げから、新しい製品販売に伴い、
その売り上げが当初の予想を大きく上回っていた。
その事を祝して設けられた担当者の食事会。

伊織も亮平も笑顔で…。
そして同じテーブルには翔と優里亜。

伊織、
「さぁ~~。じゃんじゃん食べて~~。」

翔、
「お言葉に甘えて…。」

優里亜、
「いただきます。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋