ドキドキ  「翔さんと、加瀬…優里亜さんが、フードショップに入って行くとこ。」
伸永。

その声に翔、
「えっ…。」

「加瀬さん、しっかりと…翔さんの左腕、占領してましたよね。しかも、翔さんの左肩に頭を寄せるように…。」

翔、いきなり口を尖らせて…。

伸永、
「翔さんっ。」

翔、目をキョロキョロと…。そして、
「ん~~~。」
両手を両脇に…。そして左目を瞑って…。
「ホテル、インスタンベルって…。どこにあんの…???」

伸永、
「瀬田谷区、神保町です。」

翔、
「瀬田谷区、神保町…。…へっ…???誰かと…間違って…ない…???…俺…、アレフーズで…打合せ…。アレフーズって…。窪田区、相生町…だけど…。」

その声に伸永、
「すみません。瀬田谷区、神保町…って、瀬田谷区の端の町なんです。ひとつ通りの向こうが、窪田区、相生町。…だから、ホテル、インスタンベルと、アレフーズって、意外と…、距離…近いんです。…だから、ホテルに行くとき、地図見て、アレフーズ、近くなんだって…、僕が七瀬さんに…。」

そこまで聞いて翔、顔をクシャリとさせて、そして、頭の後ろを撫でて、
「やっべ~~~。」

伸永、
「やっべ~~じゃ、ないですよ~~翔さ~~ん。僕、翔さんに、七瀬さん、悲しませないでくださいって…言ったじゃないですか~~。」

その声に翔、
「ん~~~。参った~~。」

伸永、
「僕は…知りませんよ。七瀬さんに…謝ってください。」
そして伸永、翔の傍を離れる。

翔、
「…ったくよ~~。」

自分の席に戻る伸永。
奈都美、そんな伸永をチラリと見て、くっきりとした目で、唇を真一文字に。
そして顔を傾げて…。

葉月、伸永に…、
「なになに…、どうした…???」

伸永、そんな葉月に、にっこりと…、
「ふふん。別に…。今度、映画のビデオ、貸しくれって…。」
と、にっこり。

葉月、顔を般若のように、
「はぁ~~あ…???…なんじゃそれ…???」

剛輔、
「どうした…翔…???」

葉月、
「な~~んだかな~~。」

「…で…???都…???」

口を尖らせて葉月、
「うん。インスタンベルの仕事。いい方…行ってるみたい。あと…3日だって…。」

「ほぅ~~。…で、尾田ちゃんと…一緒…。」

「うん。まだ頑張ってる。」
葉月、
「翔~~。何がどうなってる~~。ナツたち、帰ってきても、話も何もなくって…。」

剛輔、
「ん~~~???」

翔、
「いや…。」

葉月、
「翔も…、アレフーズ…、今日、午後から…。」

「あっ。うん。うんうんうん。なんとか…、順調…。」
唇を尖らせて…。

「まさか~~。あれからも…、また、加瀬優里亜…、あんたの部屋に…???」

その声に剛輔と美玖が反応…、
「えっ…???」
「なになに…???」

葉月、一瞬、
「あっ。やば…。」

剛輔、
「ん~~。」

美玖も、
「ん~~~???」

時計の針は午後8時。

奈都美、
「ふ~~。」

伸永、
「一息…入れますか…。」

「だ~~ね。…で、どんな感じ~~???」

その奈都美の声に、
「見たい…???」
椅子から立ち上がり、奈都美の顔を見てニタリと…。

奈都美、顔をグシャリとさせて、
「こんにゃろ。」
そして自分の席から離れて、
「どれどれどれ。」
そして、伸永の隣に…。
翔の椅子に座って…。
「おっと~~。かかかか、やったじゃん。」

伸永、
「え~~。あれだけの事…、やってもらいましたからね~~。」

奈都美、
「うんうんうん。」

「こうなったら…。」

そして、ふたり同時に、
「裏切れない。」

商品企画開発部に向かっての廊下を歩いている女性。
レジ袋のような袋を持ちながら…。
まだ電気が点いている部署の前、
「ふふん。」
ドアを開けて、小さな声で、
「やってるね~~。」
そして靴音、カツカツと…。
「ん…???」

目の前に飛び込んできた景色が、伸永の背中を覆うように奈都美。
伸永も奈都美も、何度も頭で頷くように…。

その光景に女性、
「えっ…???」

静かにふたりに近づき、
「うふん。お疲れ~~。」

その声に奈都美、伸永も、ビクン。

奈都美、
「えっ…???」

そして伸永と一緒に後ろを振り向く。

奈都美、
「わっ!!!」

伸永、
「えっ…???」

ふたり同時に、
「部長‐―――――っ!!!」

瀧澤、にっこりと、
「おやおや…。仲がおよろしいようで…。」

いきなり伸永から離れる奈都美、懸命に誤魔化すように、
両手を振り、困ったような顔をして、
「いやいやいやいやいや。」
そして頭の中で、
「…なんで、今、部長…、ここにいる~~???」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋