ドキドキ またしても…、深夜1時。

伸永、
「ん~~~。」
そして、
「クソッ。」
机をバンと叩いて。

部屋の中では低く静かに映画音楽が流れている。

奈都美、テーブルを陣取って、
「んもぅ~~。ノブ~~。せ~~っかく、いい音楽聴きながら、気分良くやってんのに~~。」

そんな奈都美に伸永、
「あ…、ご、ごめんなさい。」

「それ…より…さ。これって…なんの音楽…???綺麗…な曲~~。」

伸永、
「あ~~。少しでも、イメージ浮かぶようにって…、シェフに関連する洋画のサントラ…。幸せのレシピって…映画の…。」

「ふ~~ん。…、ヨシ。頑張ろ。」
「はい。」

そして、更に1時間。映画音楽はリピートで流れ続けている。

マグカップの中のコーヒーを一口、奈都美、
「うっ。ぬる…。」
そしてテーブルのスマホを…。
「はぁ…、2時か~~。…だめだな…こりゃ。」
そして机の…、
「わっと…。ノブ…、寝ちゃったか~~。」
そして立ち上がり、ベッドからブランケットを…。伸永の背中に…。
そして伸永の左肩まで顔を下ろして、
「ん~~~???…うんうん。」

その時、伸永が、虚ろな目で、
「ん~~~。」
左に顔を回し…。

すると、自然に奈都美の右頬に自分の唇が…。

奈都美、びっくりして、
「ノブ…。」
そしてまた、伸永から薫るいい匂い…。
なぜか奈都美、急に力が抜けて…、
「ノブの匂い…、いい匂~~い。」
自分の意志とは異なり、そのまま椅子の上の伸永を抱くような感じで…。

伸永も、まだ寝ぼけたままで、奈都美の体を自然に受け入れて、
「やわらか~~い。」

奈都美、ゆっくりと顔を起こして、
「このままで…、いたい…。」
そして、まどろむように…、伸永の唇に自分の唇を…。

ふたりの目が閉じる。
数秒、ふたりの唇は重なったままで…。

息苦しさで目を開けた伸永、目の前で目を閉じている奈都美。
自分の唇に重なっている奈都美の唇。
伸永、慌てて奈都美の背中に回した自分の右手で奈都美の背中をトントン。

いきなり目を覚ます奈都美。目の前の伸永の目。
何気に唇に柔らかさを感じて、
「えっ!!!」
いきなり自分の体を椅子にのけ反っているような伸永の体から離れて、
「ご、ごめん…。ノブ…。」
そして自分の両頬を両手で、
「えっ…???あっ…???なに…???どうなってた…???…私…。」

伸永、キョトンとしながら…。

奈都美、いきなりその場に座り込み、
「あっ。わっ…。えっ…???あ~~ん。どうなってる、私~~。」
そして伸永を見て、
「ノブ~~~。」

伸永、恥ずかし気に、そして困った顔をして、
「なな…せ…さん。」

奈都美、
「私たち…。」

伸永、ぎこちない顔で…。

奈都美、伸永を見ながら、自分の唇に右人差し指を…。
そして伸永にその指を…。

伸永、またぎこちない顔で…、コクリと…。

その瞬間、奈都美、しっかりと目を瞑って。顔に両手を…。
「あっちゃ~~~。」

「なな…せ…さん…。」

「なんなんだろ…、私…。」
そして、
「もぅ~~~。」
後ろに振り向いて伸永のベッドから枕を取り上げて抱きしめて、その枕に顔を埋めて…。
そしてまた薫る、いい匂い…。
奈都美、顔を上げて、
「もぅ~~。」
そして、今度は枕を傍らに、
「もぅ~~。」
立ち上がり、今度は、まだ椅子に座っている伸永に思いっきり抱き着く。
「ノブ――――――っ!!!!」

伸永、
「わはっ。苦しい…。」

奈都美、顔を伸永の顔に、
「私、帰る。」

伸永、顔をコクリと、
「はい。」

帰り支度をして、階段を…。

伸永、
「あっ。七瀬さん。…、5分だけ待って…。」

「へっ…???」

簡単に着替えて伸永、
「こんな時間に…女性がひとり…。」

玄関を出て…。

奈都美、
「あ~~ら…。」
「行きましょう。タクシー、探します。」

けれども、なかなかタクシーが…。

結局、20分ほど歩いてようやく…。
奈都美、
「かかかか。ようやっとだよ。おやすみ、ノブ。」
そして伸永の唇に、チュ。

伸永、そんな奈都美を軽く抱いて、
「おやすみ…なさい。」

タクシーに乗り込み、運転手に声を掛けて奈都美。窓を開けて、
「じゃね。」
手を振る奈都美。

タクシーの中で奈都美、
「ふぅ~~~。」
そして、
「あっちゃ~~。とほほほほ。今日だよ。」
そして目を瞑り、脳裏を掠める翔の顔、
「どうしよ…。私…。」

右手で、髪を掻き揚げ…、
「参った~~。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋