7月に結婚式を控えた友人が息子の誕生日プレゼントと子供達へのイースターチョコレートを玄関先まで持って来てくれた。
マスクをして2メートル離れ、雨だったので玄関の屋根の下で熱い紅茶を飲みながら立ち話である。
もう慣れたモンで、友人は自分で紅茶を魔法瓶に入れて持って来る。
私は自分の分を大きなカップに入れ、それを話ながら飲むのである。

先月彼女に用事があり玄関先で会った際、随分と肌が荒れていると思った。
今回は前頭部の毛が相当抜けており、肌も状態が悪化していた。
結婚式を無事に人数制限なしで決行できるか否か、それが彼女のストレスの根源になっているのは明確である。
1月に届くはずのウエディングドレスとブライドメイトが着るドレスが今の時点で届いておらず、寸法調整も終えていない。
店側もどのドレスがなぜ届かないのか分からないと言い、これも友人のストレスになっているのであろう。

私が彼女に会ったのは14年前の事。
職場が一緒で同じ歳と言う事もあり、言葉の出来ない私に本当に一生懸命に教えてくれ助けてくれた。
客から「客の言うてる言葉が分からん奴が、こんな所で働くな!」と言われた時も、「白人でお願いしたい」と言われた時も、友人は「あなたそれ差別ですよ。専務を呼びます」と言い、私の前に出て戦ってくれた人である。
同僚から「アジア人の肌が黒いのは、石鹸がないから」と言われて私が泣いた時も、友人は言った女の売り場に行き、「この世に白人しか住んでいないと思うのは、カーライルから一歩も外に出た事が無いから。哀れだわ」と言ってくれた友人。
その頃、友人が職場で急に泣くようになり、上司の勧めで医師の診察を受ける事になった。
結果、眠剤と安定剤が処方された。
理由はその5年前に亡くなった父親の死によるウツ症状が今になって出た事と、13年間付き合っていた彼氏が30歳を過ぎても未だプロポーズしてくれないというストレスだった。
彼女は30歳という年齢を絶対に結婚したい年齢と自分で定めており、30歳を過ぎて結婚していない自分は負け組であるかのような発言をよくしていた。
30歳までに結婚しなければならないという追い込みをかける女性は私の世代では近年もういないと思っていたが、おったんか・・・と知るのであった。

それが原因で肌はボロボロになった。
周囲からの説得もあったし、当時勤めていたデパートのおばちゃん達から「あんた、そんなん13年も付き合ってプロポーズがないのは、ここ一番で決断出来へん男やねんから、そんな男はアカン、別れてまえ」と説得され続け、結局3年後に別れた。
以来、次に付き合う人は結婚する人と再び自分を追い込むルールを決め、結婚相手を探して来た。
そうして今回、そんな不安定になる事がある彼女を全て受け止め包んでくれる男性に出会ったのである。
以来、長らく飲んでいた薬を絶つ事が出来た。
結婚に向けて歩き出してからの3年は薬を絶っていたが、数か月前から再び飲み始めたと言っていた。

私は「今年でないとアカン?」と聞いた。
友人は「しないといけない事やから」と答えた。
新婚旅行になんか行かなくて良い。
とにかく結婚式を挙げ、入籍をしたいと言った。
式無しの入籍だけでは自分に意味が無いのだと言った。

絶対に今年でないといけない、式を挙げなければ入籍をしたくないという拘りが彼女を縛り付けてしまっており、そこから絶対に抜け出せなくなっている。
もう全部来年に変更してしまえば、今よりストレスのない条件で出来るかも知れない・・んやで・・言って何になる・・
無事に式さえ終われば、きっと友人の肌も毛髪も戻るであろうと思うが・・
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Source: イギリス毒舌日記