瀧澤、その後、内海に電話連絡。
内海、クライアントとの商談の合間に、スマホで瀧澤に、
「いやいやいや。ホテル、インスタンベル。かかかか、フルレットからそんな話が…。凄いっすね~~。」
瀧澤、
「うん。…伸永は、やりたがってる。…けど、ナッちゃんがね~~。」
内海、
「ん~~。まっ、今の状況…考えると…。」
「返事に…困っている…。」
その時、いきなり椅子から立ち上がり、奈都美。
つかつかと瀧澤の下に。
瀧澤、
「ナッちゃん…。」
内海、スマホ越しに、
「えっ…???」
奈都美、
「部長~~。やってみます。」
瀧澤、
「庸ちゃん、ちょっと待って。」
そしてスマホを机の上に、スピーカーを…。
瀧澤、
「ナッちゃん。」
奈都美、もう一度、
「やってみます。」
スマホから聞こえる内海の声、
「ほぉ~~お…。」
奈都美、後ろを振り向いて、
「尾田君。」
伸永、
「あっ、はい。」
そして奈都美、瀧澤に向かって、
「尾田君と一緒、やってみます。」
瀧澤、
「いいのね。」
内海の声、
「おぅ~~。やってみろ。うん。」
奈都美、
「ありがとうございます。」
瀧澤、スマホを持って耳に、
「…という訳で、庸ちゃん。」
「はいは~~い。了解で~~す。ますます忙しくなってきますな~~。お馨さん。かかかか。」
瀧澤、そんな声に、
「そのようで…。」
その後、瀧澤がフルレットの桐ケ谷美緒とスケジュールの調整。
奈都美、その連絡を翔と木綿子にも…。
翔、受信したラインを見て、
「凄ぇ~~。」
そして、
「そっか~~。尾田ちゃんとか~~。頑張れよ。こっちも、まっ、なんとか…。安静…保ってる。」
その内容に奈都美、少し、また目頭が熱くはなるが、
「ふぅ~~。」
そして木綿子は木綿子で、残念ながら左手がまだ思うようには動かない、スマホで、
「ナツナツナツナツ。」
奈都美、
「ユッコ~~。」
「凄いよ、ナツ~~。ホテル、インスタンベル。うんうんうん。尾田ちゃんと。頑張れ、頑張れ~~。あっ、仕事中、ごめんね。」
「ううん…。」
「それから…、翔、どんな感じ…???」
「うん。とにかく…今は、安静にしてるって…。」
「そっ。うん。ねねねね、聞いた~~。トモさん、遂に~~。びっくりしたよ~~。」
「うんうんうん。私たちも…びっくり。いつ間にって感じ~~。」
「だよね~~。」
「じゃ。また。お見舞い行くから。」
「うん。ありがと。」
その日の夕方、優里亜から翔に着電。
「これから…行っていい…???進捗情報もあるし…。もし…ナツ…来るんなら…。」
そう言われて翔、
「ん~~。断れねぇだろ…。それに、今、ナツたち…、かなり忙しそうだし…。」
「うん。翔と、ユッコ…いなくって…。」
そして、一呼吸置いて、
「ナツ…、こないだの事、怒ってなかった…???」
そんな優里亜の声に翔、
「…いや…、別に…。…ただ…、尾田ちゃんから電話があって、その後、ナツに代わって、それから、声が途絶えて…。そのまま切らないでいたら、今度はカンちゃんが、いきなりおっきな声で、女を…、なんとか言って、そのまま電話切れて…。」
タブレットの画面を見ながら、
「あれからは、連絡…。…あぁ、でも今日、午前中、ライン…。なにやら凄ぇ仕事。」
「ふ~~ん。あっ、電車来た。後で。今から行く。」
プツリと切れる。
翔、
「お、おぅ…。…って、切れてるし。」
その頃…。
奈都美。
「ふ~~、ひと段落。」
スマホのデジタルは、午後7時15分。
「ナッちゃん、2番、桐ヶ谷さん。」
瀧澤。
奈都美、
「あぁ、はい。」
伸永は他の電話に出ている。
奈都美、
「お電話代わりました~~。七瀬です~~。お世話様で~~す、桐ヶ谷さ~~ん。今回は、ありがとうございます。」
「お世話様。…で、お疲れ、ナッちゃん。尾田君もいる…???」
美緒。
「はい。…でも今、丁度他の電話に。」
「そう、うん。後で瀧澤部長からも話しあると思うけど…。来週の月曜、午後3時、ホテルインスタンベルの外販事業部第3会議室。会う事になったよ~~。」
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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋