今週月曜日から学校が再開し、12月から久しぶりに会った顔見知りのお母さん達と話が弾む。
連日の校長先生からの呼びかけメールで、やっと保護者のマスク着用率が完璧に近づきつつある。
それでもマスク無しでピッタリ肩を寄せ合い話す母親らもいるが、もうこの人達は身近に大切な人をコロナで失う経験をせねば、その必要性も理解できない人達なのだろうと思うしかない。

昨日は息子と同じクラスの男の子のお母さんと学校に向かう道で一緒になり、学校まで一緒に歩いて行った。
このご夫婦はインド人で御主人は歯科医、このお母さんも子供が生まれるまでは医療従事者だった。
息子のクラスメイトのお母さんとは顔を合わせて話す程度で、プライベートでランチに行くような間柄の人はいないが、このお母さんとは息子が幼稚園時代からよく話し、互いに有色人種ゆえの子供が受けた辛かった事など腹を割って話せる人である。

そのお母さんから「昨日うちの息子がS(クラスの問題児の一人。ほぼ毎日誰かに暴力を振るうが、素行は全く改善されない)に顔を殴られてね。それに前から言われているんだけど、ブラウン(茶色)と呼ばれて・・。月曜日も同じ事があったから先生と電話で話た矢先、また昨日も。メールと電話で9月から先生とこの件でやり取りして来たけど、一向に改善されない」と聞かされた。
「毎朝、学校に行きたくないと泣いて、それを何とか説得して連れて来てる状態なの」と教えてもらった。

「ブラウンと何故呼んではいけないのか、先生は当然ながらSに注意しているはずよね?」と私は聞いた。
お母さんは「先生は学校に入学して来た頃からずっとSは問題児で、親も毎日毎日先生に『Sがこんな事しました、あんなことしました。家庭内でお話しください』と言われる事に慣れているのか、それは学校内で起きた事ゆえ教師が指導すべきと思っているのか、今日あった出来事、たとえそれが人を殴ったり差別発言だとしても『ああそうですか』と言って帰るだけで・・生徒本人にはかなりきつく話していますが、保護者は問題視しているかどうか・・と先生は言うのよね」と言った。

学校に行きたくないとなれば、早急に解決せねばならない。
しかし「レセプション」と呼ばれる小学校準備クラスの時から、もう既にこのSから暴力や暴言を吐かれた児童はほぼ全員で、その度に当時の担任がSを叱り、保護者に指導願いを伝えてきて現在に至る。
夫から以前「どんなに親に伝えても、その親が差別主義または有色人種に対する差別的発言を別に問題視していない思想ならば、どれほど言うても無駄」と聞いた事がある。
まあ、そうやわな・・
私だって職場で「白人の方でお願いしたい」とレジを拒まれた事もあるし、お客様がお買い上げになったズボンを綺麗にたたんで袋に入れようとしたら「触らないで」と取り上げられ、ババア自らズボンをたたんで袋に入れられた事もある。
そういう思想のヤツは、それを差別行為の範囲であるという事など無視で生きて来たのだから、「駄目ですよ、そんな事言っちゃあ」と言うて謝る気持ちを持つはずもない。

夫が昔勤めていた学校の児童にパキスタン人の児童がいた。
かねてから問題児だった男子に「パキ」という差別用語を連呼され、6年間それは改善されなかった。
言うた側の親は「駄目と言ってすんですけどね」と言うだけ。
しかし言われた方の親と子は、怒りで苦しみ6年を過ごして来た。
だからとて、発言した児童を退学にすることは出来ない。

そのお母さんから「まだお弁当はジャパニーズ弁当にしてるの?」と聞かれた。
私は「していない」と答えた。
娘から「朝はおにぎり&卵焼き、夜はガッツリ日本食を食べている私や弟は、日本食文化をもう十分味わっている。だからあえて海苔を巻いた弁当を持って行って『何それー!?』と連呼されいちいち説明するのも面倒であるし、わざわざ嫌な思いをする必要もないと思うから、ランチは同級生と同じようなもので良い。どうせ30分そこそこで急いで食べなあかんし」と言われて以来、もう毎日サンドイッチにしている。
弁当の蓋を開けた瞬間に海苔の風味が漂い、クラスメイトが鼻をつまんで「臭い」と連呼するのを見る環境にあえて立ち向かわせる必要もなく、娘から「私は気にしない。でも弟に同じ思いをさせては可哀想」と言われ、3食きっちり日本文化を押しつける必要もないと気付かされた。

喧嘩ばかりしているが、娘が弟に同じ気持ちにさせたくないと思うのは、それほど娘は日本風弁当の事で傷付いたのだろう、私が思っている以上に・・と、ふとあの時の事を思い出す。
それゆえ、あのお母さんの辛い気持ちが分かるのである。
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Source: イギリス毒舌日記