ドキドキ 玄関のドアを開けて中に入る奈都美。

そこまで見送って葉月、伸永に、
「ふん。どうしたものか…。」

靴を脱いで、そのまま廊下、そして階段を…。

その時、奈都美の後ろ姿が少しだけ目に入った奈留美、
「あん…、おかえり。」

声なく階段を上る奈都美。

葉月、伸永と一緒に歩きながら…、
「…ったく、あんの野郎~~。」
腕組みをして…。

伸永、
「か…ける…さん…ですか…。」

「なんで…優里亜が…、翔の部屋に…???」

奈都美、最後の一段、
その時、右足の爪先が階段の角に突っかかり、思わず右脛を角に、
「あっち…。痛った~~。」
そのまま前のめりになって…。右手を床に。左手で右脛を。
体を倒して廊下の天井に目を瞑って顔を向けて、声を出さずに、
「…痛った~~。」

歩きながら葉月、
「あっ、でも…。前、翔と優里亜…、付き合ってたもんな~~。」

伸永、そんな葉月を見て口を尖らせて、
「ふ~~~ん。」

奈都美、ようやく立ち上がり、右脚を引き摺りながら部屋のドアを…。
「痛った~~。」
そのままベッドにバン。
「もぅ―――――――っ。」

リビングで奈留美、広武に、
「今…、何か…、音…しなかった…???」

広武、テレビを見ながら、
「あ~~ん…???」

葉月、
「私らが会社、入社する前、翔と優里亜…、2年くらい…、付き合ってるのよ。」

伸永、
「へぇ~~。」

「あっ、尾田ちゃん、私の家、こっちだから…。」

伸永、
「あ~~はい。」

葉月、
「ありがとね。わざわざ。」

「いいえ…、とんでもない。僕にとって、大切な人たちですから。」

そんな伸永に、一瞬、目頭が潤んで葉月、
「うん。ありがと。」

伸永、にっこりと、
「じゃ、僕。」

葉月、
「あっ、尾田ちゃん…???」

「はい。」
「尾田ちゃん、ナツ…、奈都美…、好き…???」

その声に伸永、困ったような顔をして、
「はい…???」
顔を傾げて、
「いえいえ。」
そして両手の平を振りながら、
「とんでもないですよ。いきなり七瀬さんから、ビンタ、食らいますよ。」

葉月、その声に、
「かっかかかか。そっか、そっか。うんうんうん。じゃね。」

「お疲れさまでした~~。」
「バ~~イ。」

奈留美、
「な~~にしてんのかしら…。あの子。」
リビングから廊下に、
「奈都美~~。ごはん~~。」

広武、グラスに残っているビールを飲み干して、
「さて。いっただっきま~~す。」
両手を合わせて。

奈留美、階段を上って奈都美の部屋。
「奈都美~~。ごはん~~。」

返事がない。

頭を傾げて奈留美、ドアを開けて…、
「奈都美…、ごは…。」

奈都美は帰ってきたままの状態で、ベッドにうつ伏せのまま大の字に。

「な~~にやってんの、あんた…。ごはんよ…。」

奈都美、伏せたまま、目を閉じて、小さな声で、
「食べたくない。」

そんな奈都美に奈留美、
「ふん。そっ。」
そして、
「まっ、いっか~~。しゃあない。食べたくなったら、食べな。」
奈留美、両脇に両手を。
「何があったのか…分かんないけど。まっ、泣きたいときは…泣きたいだけ、泣きなっさい。んじゃ、かあさん、行くよ。」
そう言い残して奈留美、部屋を出る。

キッチンに戻って奈留美、
「ふん。」

広武、ご飯を食べながら、
「どしたの…???」

「ふ~~ん。なんか…、嫌な事が…あったみたい。」

その数分後、髪を乱して、のそのそとキッチンに。

その姿を見て広武、いきなりビクン。
「うぉ~~。お…、おま…。」

奈留美、
「な~~んて恰好、してんのよ。服くらい…着替えたらどうなの~~。」

ぶすっとした顔で奈都美、小さな声で、
「いただきます。」

「無理して食べなくっていいのよ~~。」
「だって…、食べたくなったら、食べなって…。」

「な~~に~~???仕事で~~???」

奈都美、
「……。」

「…ってぇ~事は…。男か…。」

その瞬間、広武、味噌汁を、
「ぶっ。」

「きったな~~い、とうさ~~ん。」
泣き顔でそのまま父親に。

広武、
「ご、ごめん…。…って、おま…ひでぇ顔…。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋