ドキドキ 泉美、
「いやいやいや。」
座り直して、
「どういう事よ。ふん…???…勝手に入ってきて、勝手に料理作って、帰った…。…意味分かんない。…ちゃんと説明してよ。」

その声に翔。しかめっ面に、体を右に傾けて、右手を項に。面倒くさそうな顔をして。

鈴江、
「翔~~。」

「…ったく~~。…とは言っても、言っちまった…か…。」
絨毯に胡坐を掻いて、右の膝に右肘。右手の平に顎を…そして隣の姉の顔を見て、
「ニシ…。」
笑顔…。

泉美、
「何よ、気持ち悪いわね~~。」

そして翔、プィっと右を向いてキッチンと玄関の方を…。
「マジでこれ…、説明しなきゃなんないの…???…朝まで掛るぜ。」

泉美、
「はい…???」

鈴江、
「何…???そんなに複雑な事なの…???」

翔、母親の顔を見ないで、またキッチンと玄関の方を向いて、頭をコクリと…。
泉美、鈴江の顔を見て…。

「冷蔵庫のは~~。前の彼女。…で~~。さっきの電話が…今の彼女。」

泉美、
「いやいやいや。それは今さっき、聴いた。…だから、なんで冷蔵庫の中の料理が、前の彼女…???…別れ…たんじゃ…、ないの…???」

翔、まだそのままの姿勢で、
「ふん。別れた。」

「んじゃ~~。なんで…???…まだ、あんたに…???」
テーブルに両腕を、泉美。

翔、
「知るかよ、…んなの…。俺だってびっくりしたんだから…。まさか…アパートまで来るって…。それこそ、はい…???」

「いやいやいや。でも…その彼女、翔のアパート…知ってんだ…???」

鈴江、
「あぁ、そうそう。うんうんうん。」

翔、瞼を重そうに…、
「う~~~ん。めんどくせぇ~~。」

そんな翔の左側、頭を右人差し指でクイッと。
「こ~ら~~。姉ちゃんもかあさんも心配してんだぞっと~~。」

口をひん曲げて翔、絨毯に胡坐。そして絨毯の毛を右手で撫でながら、
「…って言うか~。…そんなに俺の、そういうの…知りたい…訳…???」

その声に泉美、いきなり、
「はぁ~~あっ!!!」
大きな声で…。今にも枕を翔目掛けての大勢。

翔、思わず右手を前に、
「分~~かった。分~~かった。言う、言う。言う。はい。」

泉美、何とか勢いを鎮めて、
「…ったくもぅ~~。」

「4年前…さ。……。」
翔の話が始まる。

聞きながら鈴江、
「ふ~~ん。」

そして今度は泉美、
「わっちゃあ~~。…って、仕事選んじゃったか、あの彼女。」

翔、
「うん。」

そして今度は鈴江、翔の部署の部長と課長の話になり、
「へぇ~~。」
泉美、
「かかかか。やるじゃん。その上司~~。」

そして翔、
「…で、今に至るって訳…。」

泉美、
「くく。つまりは~~翔~~。あんた…どうする…???」

翔、そんな姉の声に、
「えっ…???」

「だって~~。元カノ…、完璧にあんたの方に…向いてんじゃん。髪まで切って…。」
「…んな事…、言ったって…。俺だって…、今…。好きなの…いるんだって。」

「かかかか。それは分かる、うんうん。分かる。しっかりと…。でも…。あんた。あんたがこんな状態になって、それでいて、居ても経っても堪んなくなって、部屋にまで来て料理作って…。普通…。そこまでする~~~???かかかか。…まっ、その理由が、その彼女最近まで付き合っていた人と別れたのが原因。そんなの、見え見えじゃん。」

鈴江は黙って翔を見ている。翔も黙って姉の話を聞いて…。

「その元カノさん、別れた人が、もう…自分の元には戻って来ない。…って言うか~~。その元カノさんにとって、自分では敵わない人のところに、彼が行ってしまった。…そういう訳じゃない。…だから~~。そのふんぎりを付けるために、髪をバッサリ。」

翔、
「ふ~~ん。」

鈴江、
「翔~~。」

「確かに~~。」
泉美、
「以前の彼女、凄い仕事人間で、ツッパッてた部分…あったのかも…知れない。まぁ…、どの世界にもいるけど…。そういうタイプは…。…でも、その性格が今や、ガラっと変わった。…なんでしょ???」

翔、その声に、口を尖らせながらも、頷いて、
「うん。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋