ドキドキ 翔から事の顛末を聞いて鈴江、
「ふ~~ん。バイクでぶつかっておいて、そのまま逃げたって…。じゃあ~。その…部長さんが、一部始終…知ってると…。」

翔、
「あぁ…。」

鈴江、頭を数回頷かせて、
「ふ~~ん。」

「あっ。まさか…かあさん、会社…行くなんて…???」
「行くなんて…???バッカじゃないあんた。行くに決まってんでしょうが~~。倅がこんなになって…。しかも…最後まで着いていてくれた人だよ。お礼に行くの、当たり前でしょ。」

その声に翔、口を尖らせて、
「そりゃ…。そうだよな…。うん。」

「何言ってんのよ。どうせ、恥ずかしい真似…すんなよ。な~~んて言いたかったんでしょうが~~。」
「違げぇよ。」

「ある種の男のプライド~~。ふん。ば~~か。そんなんじゃ、世間様…通らないんだよ。」
そして鈴江、バッグからスマホを取り出して、
「ふん。」
テーブルを挟んで翔と対面になって。画面をスワイプして指をトン。
5回のコールで相手が出る。
「泉美~~。かあさん。」

その声に翔、
「げっ!!!」
瞬間、母親に電話を止める…。…とは思ったが、既に遅し。

「や~~っと電話…出てくれた~~。さっきから何度も…。」
そして話を聞きながら、
「…うん。うんうんうん。ふ~~ん。…でさ。翔がさ…。……うん。今朝、事故に遭って、打撲なんだって。」

その瞬間、スマホから、
「うそ―――――っ!!!」

翔、
「こっちまで聞こえる。」

鈴江、今度はスピーカーにして。テーブルの上にスマホを…。

「何やってんのよ、あの子は~~。」
スマホから泉美の声。

「翔から電話があって。今、翔のアパート~~。」
鈴江。

「えっ???かあさん…、翔のアパートいんの、今…???」
「ふん。だ~~って、いきなりそんな電話掛かってきて、黙ってられる訳ないでしょ。」

スマホから、
「…で、今…、どんな状態なのよ翔~~。」

鈴江、
「左肩から三角巾、吊るされてる。2週間は…掛かるかもって…。」

「え~~~。…でも…まぁ…。打撲ったら…、そう…なるかぁ~~。…でも、一体全体…、なんでそんなことに…。それに、翔、ひとりでどうすんのよ、食事やら、なんやら…???」

ただ黙っている翔。

鈴江、
「うん。私もそれが心配で…。まぁ、今は、Tシャツにスウェットパンツ…なんだけど~~。泉美~~。あんた…知らない…???翔の彼女…???」

その声に翔、
「かあさん。」

声が聞こえて泉美、
「へっ…???翔…???…もしかしてかあさん。これ…スピーカー…???」

「そうだよ。」

泉美、
「かかかか。かあさん…、こんな事…出来るんだ…???」

「ドラマ…観てるからね~~。こういうことくらいは…。」
「へぇ~~。…って言うか、翔、もしかして…。随分前に、見掛けた…、あの子…???」

その声に鈴江、
「えっ…???」

瞬間、翔、冷や汗を掻いて、
「…ん…???…姉ちゃん…???…ん…???…随分前に、見掛けた…、あの子…???」

鈴江、
「何々、泉美~~。翔にいるの…???そんな子…???」

「あぁ~~うん。前に撮影で行った場所、撮影終ってお店から出たら、偶然、翔とその女性にバッタリ。その女性、翔の右腕、占領してたよ~~。ニッコリと笑って~~。」

翔、姉の声を聞きながら、右膝に右肘を…。そして右拳に口を…。
顔は下を向いて…。

そしていきなりフィンガースナップ。
「あっ。あんときだ。」

スマホから、
「翔~~。あんときの…彼女でしょ。今も続いてるんだ~~。」

翔、顔をクシャリとさせて。

鈴江、
「この子、顔、クシャリとさせてるよ。」

スマホから、
「かかかか。ビンゴだね~~。…で、翔~~。その打撲状態で…。」

「それがね~~。泉美~~。翔のこの部屋。冷蔵庫の中…。」

翔、
「ばか。かあさん…。」

「フードコンテナ…、作り置き…たんまり。」

泉美、
「へっ…???……。あっ。だから…かあさん、翔に彼女…???」

「そう言う事~~。」
「しっかりと…、フードコンテナに、付箋でメモまで…。」

「へぇ~~~。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋