ドキドキ 「なんなのよこれ~~。…こんなになっちゃって~~。いきなり電話で、今朝、事故に遭って、打撲した。…って、一体全体どういう事~~???…その…二輪車乗ってたって人、どうなったのよ。」
玄関からすぐに靴を抜いで上がり込み、
リビングにバッグを置いてカーディガンを脱いで鈴江。
「かあさん、何が何だか分かんなくって、いきなり飛んで来たじゃないの。しかも、詳しくも話さないで、心配いらないからなぁ。…なんて。心配しない親、どこにいんのよ。そんなんじゃ、食事も…。」
そう言いながらリビングからキッチンの冷蔵庫…。
「あら…???何…これ…???」
そして翔の顔を見て。そしてまた冷蔵庫の中を見て、
「まさか…、あんたが作ったん…じゃ…。ないよね…。」
そしてフードコンテナを一つ取り出して、
「えっ…。まだ…そんなに冷えてない…。」
そして蓋を開けて、
「わっ、美味しそう~~。どしたのこれ~~???」
玄関で茫然と立ち尽くしている翔に、中の物をひとつまみ。
「わっ。お~~いしぃ~~。」
食べて、
「なになに、どうしたのよ~~。これ~~。あんたにこんな美味しいの…。…って言うか、料理も出来ないあんたが…。」

そんな母の言葉に口を捻じ曲げて、
「まっ、なんつぅか…。その…。勝手に部屋に来て、勝手に料理作って、帰った。」

鈴江、
「へっ…???…なにそれ…???」

ようやくその場から動いて、
「いろいろと…あんだよ、いろいろと…。俺にも…。」

「はい…???何よ、いろいろって…???」
首を傾げながら、
「さっぱり、分からないじゃん。何がどうなってんのよ。」
腕組みしながら鈴江。

ベッドに腰掛ける翔。

そんな翔を見ながら鈴江、いきなり頭をコクリと、そして両手を打って、
「あっ。そっか~~。うんうんうん。うんうんうん。な~~るほどね~~。」
腕組みをしながら…。

翔、
「なんだよ、その、な~~るほどね~~って…???」

翔に駆け寄り翔の膝元に座って鈴江、
「ねね、いつからいんのよ、あんたの彼女。」

「えっ…???」

そんなとぼけている翔の右太ももをペンと叩いて、
「んじゃなきゃあ、ああいうの…、作れないでしょ。ねね。」

翔、
「痛~~って。かあさん、怪我人だぞ俺…、今。」

「いやいやいや。だ~~って、気になるじゃな~~い。親として~~。大事な倅が、日々、どんな生活してるかって…いうの。どんな人と付き合っているの…とか…。ねね。」

翔、口をぐんにゃりとさせて。
「ふ~~ん。」

「だ~~って、泉美は泉美で、大学からそのまま就職も都内のアパート。あんたもあんたで泉美と同じように…。」

泉美(いずみ)と言うのは翔の姉。3歳年上。都内のモデル系の事務所で働いている。

「家じゃ、おとうさんとふたりきり。」

そんな母親に翔、
「いいじゃ~~ん。な~~に言ってんの~~。子育て終了。これからはとうさんと第二の人生だぁ~~っ、て息まいていたくせに~~。俺が大学でこっちに越して来た時~~。」

「あん…ときは、ほら。ある意味…。自分の好きな事がようやく…出来る~~って言う、ある意味の…達成感と、希望…あったから…。」
「今は…ねぇのかよ…。」

そんな翔の言葉に鈴江、
「まぁ…ねぇ~~。やって…みた事はやってみたんだ…けど~~。はははは。」

「な~~に言ってんだよ。要は、体が着いて行かないか、若い頃、みたいには…行かないってんだろ。」
「へっ…???あんたも泉美と同じ事言うんだ…???」

「当たり前だろ。かあさん、何歳だと思ってんだよ。」

「かあさんだって…。」
何かしらしょんぼりとしながらも鈴江、
「えっ…???」
またいきなり翔の右太ももをペンと叩いて、
「何の話よ。…で、その打撲っ!!!」
翔を睨んで鈴江。

翔、
「えっ…???…あ…。」

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庄司紗千 海をこえて

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋