ドキドキ 翔、優里亜の左手を引っ張り、優里亜の体を…。

優里亜、
「へっ…???」

優里亜の右側に右腕を回して。自分の右肩に優里亜の頭を…、
「ありがとな…。」

「う…、うん。」

そして数秒、そのままで…。

ようやく頭を起こした優里亜、そのまま自分の顔を翔の横顔に…。
そして翔の左頬にチュッ。
「さてと。帰~えろっ。」

立ち上がって、床から自分のバッグを左肩に…。
翔に振り返って、
「明日から、出社でございます。」
敬礼して。

翔、
「おぅ。頑張って。」

「あいよ~~。」
そのままドアに向かって。そして靴を履きながら翔の方に振り返って、
「無理…しないでよね~~。こっちが困るから~~。」

その声に翔、笑いながら、
「こんな状態で、無理…出来る訳、ねぇだろ…。」

靴を履き終えて優里亜、
「あは。ふん。そういう…ことだよね~~。じゃね~~。」
ドアを開けて外に。

翔、
「ふん。やれやれ…。」
立ち上がり、今度はベッドに腰を下ろして。
けれどもまた立ち上がって、今度は窓に。

窓を開けて外を…。道路を少し大股で歩いて行く優里亜。
前面プリーツのロングスカートが揺れる。

自分の視野から外れる優里亜の姿。そして、
「ふ~~~。」
自分の左側を見て、
「しっかし…。まさか…、打撲って…。俺が…。あ~~~。」
目を閉じて顔を空に。そして右手を額に…。
「どうするよ~~。…しかも…優里亜…。ふ~~~。…ナツの家にも行ってねぇし。ここにもナツ…来てねぇ…ってか~~。」

その時着メロ。

翔、
「おっと~~。」

奈都美からである。

翔、
「おつかれ~~。」

「や~~っと終わった~~。」
スマホの向こうから奈都美の声。

「や~~っと終わった~~。…って、まだ7時前だぞ。」
スマホに翔。

「なに言ってんのよ。仕事上がりの一杯。…それより…。」

翔、自分の左側を見て、
「あ~~。しっかし…。参ったよ。俺が…打撲なんて…。」

奈都美、歩きながら、
「うん。」

隣では葉月と伸永が仕事の事で話をしながら…。

「あっ。翔~~。あなた…食事…。どうするの…??左…使えなくって…。」

「あっ。あ~~。」
その時翔、あまりに自然に、
「あっ。いや…、うん。大丈夫、おふくろ…さっき、電話…したから…。」

その声に奈都美、
「おかあさん…。」

おかあさんと言う言葉に葉月と伸永、
「…ん…???」

奈都美、
「う…、うん。うんうん。…だよね。事故に遭って、打撲して…、家族だって、連絡しないと…。」

翔、
「あ~~。」

「ごめんね。こんな時、翔の傍にいてあげられれば…、良いんだけど…。」

翔、ウーロン茶を飲みながら、
「何言ってんだよ。」

奈都美、
「翔のアパート…、知らなくって…。」

「気にすんなって…。」
その時、スマホの向こうでクラクション。
「なんだ、歩いてんのか。」

「うん。駅…向かってる。傍でカンちゃん、尾田君、歩きながらぺちゃくちゃ喋ってる。」
「うん。…俺の方は…大丈夫だから…。…ただ…、ごめんな…。俺の仕事まで…。」

「ううん…。あっ、部長…、あれから帰ってきて、警察の方で、二輪車の人…。」
「そっか…。うん。分かった。みんなによろしくな。」

「うん。じゃね。また電話する。」
「おぅ。」

通話が切れる。

葉月と伸永に追いついて奈都美。

葉月、
「ふん。翔、なんて…???どんな感じ…???」

その声に奈都美、
「ふん。おかあさんに電話したって…。」

「ふ~~ん。翔の実家って…。」
「横須賀…。」

伸永、数回頷いて。

翔、
「…って、事は…。いやいやいや。おふくろに電話…しなきゃ…なんねぇか…。…ったく…。」

夜9時過ぎ。チャイムが一度鳴り。その後、繰り返しチャイム。

部屋の明かりを点けて。
「…ったく~~。うるっせぇな~~。はいはい。」
Tシャツにスウェットパンツ姿の翔。

ドアを開けて。

「まったく、この子は~~。」
翔の左肩からその下を見て、
「え~~~~っ!!!」

翔の母親、幸村鈴江(ゆきむらすずえ)である。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋