全く抵抗できない奈都美。逆に体がガタガタと震えて。
右側の男性、
「おとなしく…しとけよ。」
男性の左手が奈都美の左肩から背中に回り、そして腰に。そして、その下に…。
奈都美、いきなり目を閉じて。
その瞬間、右側の男性の身体がいきなり前の方に突き飛ばされる。
…かと思ったら、今度は左側の男性が右脇腹を手で押さえて同じく前の方にヨロヨロと…。
右側の男性、
「なんだ、てめぇ~~。」
左側の男性、
「痛ててて、不意を突かれた。…あん…???」
いきなり奈都美の前に現れたひとりの男性。
奈都美、
「ノブっ!!!」
伸永、
「いやいやいや。やっと追い付いた。七瀬さん、忘れ物…してません…???」
後ろの奈都美をチロリと見て…。
その時、右側の男性、伸永に向かって右拳を…。
奈都美、
「ノブっ!!!危なっ…。」
目を閉じる。
すると男性、
「あたたたた…。痛ぇ…。」
奈都美、
「えっ…???」
伸永、相手の男性の右手を握って捩じっただけで、
相手の男性が、跪いて何一つ伸永に反撃できない。
伸永がその手を握ったままで体勢を変えて腕を振り回した瞬間、
自然に男性の身体は1回転してアスファルトに背中から落ちる。
「痛ってぇ~~。」
もう一人の男性も、
「んなろ~~。」
伸永に襲い掛かるが、伸永の身のこなしで空振り。
同じように右手を掴まれ、捩じられ、
そして振り回された挙句にさっきの男性と同じように宙に浮いて身体が1回転。
左腕を下にアスファルトに落下。
「痛ってぇぇぇぇ。」
伸永、ふたりの男性に、
「まだ…やりますか…。到底、僕には…適いませんよ。」
ようやく起き上がった男性。男に向かって、
「なんなんでぇ、こいつ…。」
伸永、奈都美の前で仁王立ちして構える。
その顔を見た瞬間、男性、もうひとりの男性の肩を叩いて、
「お…、おぃ、逃げろ。殺される。」
慌てて逃げて行く男性ふたり。
ポカ~~ンと見ている奈都美。
奈都美に振り返って伸永、
「大丈夫ですか、七瀬さん。あっ、忘れも…。」
いきなり伸永の身体に奈都美、目を閉じて倒れ掛かる。
伸永、
「お~~っと~~。」
奈都美を抱きしめるように伸永。
「七瀬…さん。」
その声に気を取り戻した奈都美。思わず伸永を抱きしめて、
「怖かった~~。ノブ~~。あ~~~~~ん。」
伸永、
「大丈夫ですよ~~。もぅ~~。」
自分に抱き付いて離れようとしない奈都美の背中をトントンと。
奈都美、何度も、
「ノブ~~。ノブ~~。」
その声で奈都美、
「えっ…???…わた…し…。」
ベッドの中の奈都美。
「えっ…???夢…???…はい…???」
暗闇の中で奈都美、
「なんだ…、夢…。うっそ~~~。勘弁してよ~~。あ~~。恐かった~~。…けど…。ノブ…。いやいやいや。強いわ~~。…って…。えっ…???…なんで…???…涙…出て来る。うそうそうそうそ。夢でしょ、夢。ゆ~~めっ。」
そして起き上がり、また背中からベッドにバン。
そして今度は布団を…、頭まで覆うように。
「おだ…のぶなが…。」
そして…、
「な~~~んで、頭から離れない~~。もぅ~~。」
翌朝、ルンルン気分で朝ごはんを食べている奈都美。
そんな奈都美を見て広武、新聞の上から、ジ~~~。
奈留美、
「はい。お父さん…お味噌汁。」
そして奈留美も奈都美の顔を見て、
「あんた…、昨日…、何かあった…???」
そんな母親の声に奈都美、キョトンと、
「ふん…???へっ…???いや…。別に…。」
広武、首を傾げて…。両手を合わせて、
「いただきます。」
そしてキッチンに妃呂美。
「うそっ。へっ…???…なんで…???なんで、お姉ちゃん、私より、早い…???」
奈都美を見て、そして父親、母親を見て…。
奈留美、首を傾げて。
奈都美、妃呂美に、
「早く食べないと、遅れるよ。」
妃呂美、
「へっ…???…それ…、いつも…私の言う…。」
妃呂美、父親の顔を見て…。
広武、そんな妃呂美に首を傾げて、
「さぁ…???」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋