ドキドキ 翔、
「ごめん。本当にごめん。俺も、いつ…どうやったのか分かんねぇけど…。ナツに電話しようと思ったら、スマホ…電源入ってなかった…。」

その瞬間、奈都美、
「はぁ~~~あ…???」
そしていきなり翔の頭を右手で、ペン。

丁度駅前。そんな男女を通り掛かりの人たちが見て笑う。
スタスタと改札を通り過ぎ、ひとりで歩く奈都美。

翔、
「おぃおぃ、ペネロペ、そっちじゃ…。」

「うるっさい。こんな気分じゃ、ペネロペ行っても、気分良くない。剛ちゃん、行く。」
ツンとして奈都美。

「ナツ~~。」
がっくりと…。

「…と言うわけで、ここに…来た…と。」
剛輔。奈都美と翔に丁寧にお辞儀をして、
「毎度、お引き立て、ありがとうございます。」
一呼吸置いて、
「まぁ~~。どっちも、どっち…。だ~~なぁ。都にしても、翔にしても…。…けど、ここに尾田ちゃんがいないと…、なんか…こぅ~~。ボケと突っ込みがない…っていうか~~。…しっくり来ねぇって…言うか~~。」

美玖、
「くく。尾田ちゃん、もぅ…、みんなにすっかり馴染んでいるって感じ…、あるもんね~~。」

その美玖の声に翔、口を尖らせて…。

剛輔、グラスを布巾で磨きながら、
「まぁな…。都…、中々面倒見、いいもんな~~。」

奈都美、いきなり、
「いやいやいや。やめてよ~~。尾田君は、ただの仕事のパートナー。課長にも、部長にも、よろしくって頼まれてるから…。」

剛輔、
「いやいやいや。…俺は別に…。…はぃはぃ。…けど…。どういう訳か、めちゃくちゃ、強ぇんだろ、尾田ちゃん。…あんな、ヒョロっとしている感じで…。」

その声に奈都美、口を尖らせて、
「ん…。ん~~。」

美玖、
「な~~んか…、ひっさしっぶり~~。ナッちゃんと、翔、ふたりだけ…なんて…。」

剛輔、
「かっかかかか。…だ~~な。」
そして、
「幸村翔殿、どうか…、ウチの都。お願いしますよ~~。」

その声に美玖、顔をにっこりと。

奈都美、
「もぅ~~。剛ちゃ~~ん。からかわないでよ~~。」

「何々、久しぶりにふたりで…ここ。こういうときじゃなきゃ~~。ふたりを…持ち上げられないじゃないの~~。」

翔、思わず照れるように、
「…って…。」

そんな翔に奈都美、左肘で翔の右肘を突っつくように、そして口を尖らせながら、
「な~~に照れてんのよ~~。」

剛輔、
「ごちそうさま~~。」

マルシェを出て2人、自然に翔の左腕に自分の両腕を絡めながら、
「ほら。逆にマルシェの方が、気分…良くなったじゃん。」

翔、
「だ~~な。…で…、翡翠堂の方…、どんな感じ…???」

「うん。順調に行ってる。」
「ごめんな。相談役…死んじゃって、俺…、なんか、呑気な事、言ったような…。」

そんな翔に奈都美、
「ううん。」
首を振って、
「翔もアレフーズで、大変だったんだから…。…それに…、翡翠堂の人たち、みんないい人ばっかり。」

「そっか…。へぇ~~。」
「でね、でね…。」

そして辿り着いた駅。多くの人々が行き交う。

奈都美、駅を出て、腕時計を見て、
「やっぱ~~。もぅこんな時間…。打合せも長引いたもんな~~。」
少し急ぎ足で…。

数分歩いた時、何やら後ろから人の声が…。
「えっ…???」

一度立ち止まって後ろを見ると誰もいない。首を傾げて奈都美、また急ぎ足で…。
するとまた声が聞こえて立ち止まる。けれども後ろを振り向くと誰もいない。
「おっかしぃなぁ。」
と、また前を向い…、その瞬間、
「ひっ。」

口を手で塞がれ、右腕をがっしりと握られ、そして左手はまた別の両手で握られ、
奈都美、思いがけずに目を真ん丸く。キョロキョロと。

男性の声、
「ちょいと姉ちゃん。けけけけ。」

そして左側の男性、
「ちょっとだけ、顔、貸してくんない…。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋